禁じられた玩具
秋也

蝉が地中から羽化のため
適度な葉の裏を目指し
白からそれぞれへ色付きを待つ
果実でもないくせに
ジッと動かず
負けず殺されず
祈る機能は皆無でも

ああ、黄昏ている
ああ、黄昏ている
巨人が影を食み横たわるように

どこかで見ている神様
某国がICBMに核を搭載したならば
求める人のざわめき
悲哀と慈悲に満ちた人々の嘆きは
どれだけの速度と威力を持って
大陸と人種を振動させ
衝撃で命をどれだけ吹き飛ばすのですか

ニトログリセリンでは恩恵が足りず
水素原子
ウランプルトニウム
中性子
英霊靖国戦犯
ヒロシマナガサキ巣鴨プリズン
遺骨今だ戻らぬ柱
海で眠る

分裂した社会
資本と共産
核を用いて極めて速やか
焼けるほどの加速いまだ続く

詩も世界もいつかは終えるもの
閉じよう
スーパースターの娘
刺青だらけの肌で画像修正はご愛嬌
パリス・ジャクソン曰く
「美しさの基準はハートにある」
読み違え
「美しさの衝撃はハートにある」
生きづらい世で生きづらい彼女に刺激と安息と羨望が全うできますことを


なるほど個人も世界も
欲しいはずだ
煙さえも美しい思春期の煙草みたいなモノなのだから
火は大きい方がいい
とことん救いようがなくとも

なんでもない道に蝉の片翅だけ落ちている
いつもの夏だ
やがて蟻が巣へと運ぶまで
汗もかかずに


自由詩 禁じられた玩具 Copyright 秋也 2017-08-05 01:35:20
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