折り鶴は水色
秋也

白黒の共産主義が
もろい壁のように崩れていくんだ
英字新聞の白黒の写真に
真っ赤なルージュを塗って
クレヨンみたいに踊り狂って

瓦礫の山を這うのは
蟻か人でなくてはならない

幼稚園のナンバリングされたロッカーから
丁寧に折られた透明な折り鶴が
涙みたいに溢れだして
渋谷のスクランブル交差点
お天気コーナーのミニチュアみたいな
精巧さ

「昔からきめているんだ
折り鶴は水色で折るって
三羽作って
一羽を母親に
二羽目を妹に
三羽目をわざと横断歩道に落とすんだよ
いつ車に潰されるかってワクワクするんだ」

夢から覚めたような淡い水色に
大好きだった幼稚園の先生は思いだせたかな
カラード かるま
まさしく業のような資本主義的で民主主義を偽った夕日
林檎のようには赤くならず

さて、どこに何を置くべきなのか



自由詩 折り鶴は水色 Copyright 秋也 2021-01-21 20:29:25
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