ファインダーから、とある日の山にて
秋也

木々の間
木漏れ日のスポットライト
侘びしく佇む牡鹿一頭

ニマリと笑ったような顔の『シシガミ』ではないけれど
彼もまた山の奥深く
帰路に着き
役目を果たすだろう

静寂から微動
スローモーションに実家の味噌汁の匂いがよぎった
鹿も孤独にどこか帰るのか

「キョン」と甲高い鳴き声
返事のようで確かに聞いた

雨が降る前に今日も夕焼けがみたい
ポツリポツリ
足取りか雨音


自由詩 ファインダーから、とある日の山にて Copyright 秋也 2020-06-07 20:35:37
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