5G
秋也

時折
子供の頃
遊んだ
友人の家の匂いが脳をかすめる

絡めとられ
からめとられる
僕の過去


ちょっとだけ肺が痛い

祖母の嬉しそうな笑顔
友の楽しそうな笑い声
もういない母もどこかで

冷めたコーヒーの匂いに目覚め
ビル群へ泳いでいく
都会の海と玩具の電車

アイフォンがポッケで脆く光っている
ずいぶん生きて
正直きっと
少しだけ疲れた

ハロー、グーグル
ハロー、ツィッター
ハロー、シリ
僕は後何年生きれて
それはどれだけ楽しいことなの

「先生、折り鶴の折り方教えてください」
まだまだキラキラの笑顔さ
初恋の先生の指先には指輪が煌めいていた


自由詩 5G Copyright 秋也 2020-10-24 01:56:00
notebook Home 戻る