終戦の日に69年まえを思う
69年まえのここから
69年まえのここではない場所を思う
そこにいるひとを思う
そして69年まえのひとから
69年まえのひとではない存在を思う ....
部屋の隅に一つの箱があり
その中に、《詩》が入っていたから
ぼくは意外だった
《詩》の中に世界が入ってるんだと
てっきり
そう思ってた
もしかしたら
ほんとは《詩》の中で ....
基本は三次元なのかもしれない
背伸びしても宇宙までゆけない
言葉のパフォーマー天の川で踊る
言霊の形を懸命に落としてゆく 地上へ
拾い上げる両手は才能 心は応援 魂は加 ....
金さえ愛さえ社会さえ
受け入れてくれるなら
いま吐き出した欲望は
我慢などしなくていい
切実な循環になるのだ
生命の維持や種の保存は
本能のまねをした観念なのだ ....
毎日同じ事の繰り返しだけど
たまに自分でも予期せぬ事が起きると
繰り返しだと思っていたこの毎日が
少しだけ違って見える
少しだけどそれが嬉しくて 楽しくて
もう少しだけ生きてみようかなと想う ....
大人になっても 子供の頃の自分を 守ってやりたい
その一心で 大人を演じる 子供の頃の自分を守ってやる為に
演じ続けて ついに 子供の頃の僕と 大人になった僕が 一つになる
*演じるのは嘘を ....
「分からない」って素晴らしいと思う
分からないなかで あなたが頑張って生きてること
僕は 素晴らしいと思う
誰が何と言おうと僕は素晴らしいと思う
僕だって同じだから あなただってそうだから ....
ひとは誰でもその胸のおくの さらに
横のほうの暗がりに
誰にも触らせてはならないものを
もっている
誰も触ってはならないものを
かくしている
それをいのちとよぼうが
それをこころとよ ....
おまえのだからと
おれをとどける
おまえのなかに
おれをとどける
あまえているだけ
あまえたいだけ
おれをとどけて
うけいれられて
しんじているだけ
....
私の長い名前を
思い出してください
雨が降り続く日に
倒された草花や
咲かずに腐る蕾の声が
聞こえた気がしたら
私の長い名前を
呟いてください
風が吹きやまぬ日に
ちぎれた花びら ....
書きたいことなんて何もありません
本当は書きたい事だらけなのですが
もう そんな気持ちも差し置いて
上手い事ばかり言おうとする自分が
嫌で嫌でたまらないのです
僕は今 また一つ嫌な癖が出 ....
「パンティ」というシーニュのシニフィアンは
つまり
「パンティ」という記号のそのひびきは
多くの男たちになにかしら希望を与える
明日も生きていこうという勇気を与える
ただしその場合の「パンテ ....
日々の中で 一つ一つ「嫌い」を集めてきた
マイナス思考が「好き」になるまで「嫌い」を集めてきた
でも もうやめたんだ
マイナス思考が「嫌い」になるまで「好き」を集めようと ....
すこしだけ静になればいいのに
それだけでいいのに
生きることは
うるさい
引き寄せられるように
またそこにいる
いつもそこにいるよ
またそこにいるよ
朝の蝶々は
静に飛ぶから
....
最高気温36℃
そとをしずかに見つめている
夏の日差しがほどけている
さやかにこぼれているのは
もう秋のひかりだ
時計回りの高気圧だ
南から潮風を運んでいる
....
美しいうたは書けません
美しいことを信じないから
優しいうたは書けません
優しい心を持ってないから
明日には一本の木になって
いつか伐り倒されるまで
風に吹かれて泣いていよう
蝉 ....
ジョン・レノンが死んだと聞かされた時
ぼくは漕艇部の部室にいて
着替えをしていた
目の前に灰色のコンクリートの壁があった
目の前に灰色の無機質なコンクリートの剥き出しの壁があった
ジ ....
ふつうの愛はいい加減で
おかあさんは適当に生きている
なんにもうまくいってないのに
こんな感じでやってきて
うまくいってるんだと思い込んでいる
父にはなぐられたことがある ....
だれもが日々薄々感じてはいるが
まだ言語化できていないこと
だれもが無意識では分かっているが
言語化しようとはつゆ思ってもいないこと
そんなことどもを 深く察して
的確な語彙の選択と ....
あなたの「詩」はたいてい
心療内科かなんかの 清潔な壁に
清潔に飾られている
そして心の弱った人達がやって来ると
そのもったいぶった毛筆で書かれた言葉で
かれらの弱った心を慰撫する
....
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ
怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す
命とはそういうものだ
せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
....
私があなたに恋していたとて
それはあなたには
なんの関係もないことだ
あなたが私に恋していたとて
それは私には
なんの関係もないことだ
そんな二人が
腕を組んで
無表情に
同 ....
銀河のほとりには
ため息たちが花開いて
湖面は
ゆらめく
つかの間の風のなかに
つかの間の風のそとに
言葉の実る予感、が
色づいて
瞳の奥を波が走る
....
自分のこころが
自分でみえない
なのに
ひとはわたしを決めつけたがる
そうみえるから
そうだという
結果ばかりみないで
そう言って君は泣いた
わたしはなにも言えず
ま ....
ガッと照りつける
焼ける日光のなかに
いっぴきの蛇が
とぐろを巻いて
じぶんの尻尾を咬んでいる
徐々にかれは
尻尾から腹へと
じぷんの肉を食んでゆくが
それによって
かれが息耐え ....
地獄、極楽、ニューヨーク
いつ行く、ニューヨーク?
なんて
とある異邦の一都市のキャッチコピーを
いくら考えてみても重ねてみても
おれら貧乏人にはなんの縁もないし
まして
世界 ....
道路に飛べない鴉がいた 危うく轢きそうになった
大人という者は 大人という冠を被ったガキだ
もう短い命だろう この鴉はそんな大人たちよりも
余程 命を懸けて生きている
……
....
清々しい朝の光に芝の緑が艶やかに萌える。
美しい旋律は時代の背景となり、
脈々と流れ、
粘りを含んだ人々の呼吸の中で発展する。
季節の花々が咲き乱れる様は
まるで人間の感情のようだ。 ....
あなたは悪くないよ
本当は、誰かにそう言って欲しいのに
私はずっと自分を責め続けている
自分が悪いと
自分を卑下し、貶めるのは
簡単だけれど
貶める度に身体は傷つき
心は摩耗する
....
表通りの公道を
なにかに反対しているらしい
葬列のような賑わいの
長いデモ隊の列が通り過ぎたあと
裏通りの廃屋の
無人のビルディングの暗がりで
なにも反対していない少年と少女の
秘密 ....
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