探しても、探しても見つからない、私たちの家。

妻と私は数年前、偶然にもほぼ同じ時期に、生まれ育った家を失った。

それは震災のためでもなく、津波に流されたわけでもなく、人知れず静 ....
死んだ犬の名前を呼んで 秋の夜
泣いているのは 初老の男の独り暮らし
妻が亡くなり 娘は家を出た
錆び付いたぶらんこは 荒れ果てた庭に 


2階のヴェランダには 溜まった土埃に
埋 ....
誰もいない横断歩道の上

月の方角を目指してセンカイチュウ

どこから星の香りがする

いなくなった君の音がする

フォークで刺した地球を

うっとりと眺めてから

おいしそう ....
貝殻になって
砂浜で美しく暮らそうだなんて
夢を時々みては波に
叱られているよ

こんなあおいなか
住まわせてくれている
地球に返しきれない
恩をいったいどうしたら

じっと海の底 ....
「帰りたいんだけど、
まだ帰りたくない」

「帰りたくないんだけど、
帰りたい」

「もう帰らなきゃ」

…そんなあの日の夜

「戻りたいけれど
まだ戻りたくない」

「 ....
1日やることがないので
取り敢えず妄想する
妄想に金はかからない
妄想の中で私は二枚目詩人だ
私が言葉を口にすると
それだけで同人誌熟女はメロメロよ

しかし・・・、ふと考える
どうせ ....
  岩戸山古墳に行ってきた。
  筑紫君磐井の墓ともいわれる
  大きな前方後円墳と石人石馬や埴輪たち
  今は木々が生い繁る神霊の森か

  主古墳から少し離れたところにある
  小さな ....
ある朝、大好き?と聞かれて
大好きだよ、と答えて
お別れしました

ある晩、大嫌いって叫んで
何度も何度も
心で叫んで

忘れられないでいます
ビリジアン



青みがかった緑色
鮮やかなビリジアンの色見本に
忘れていた記憶を取り戻した


ビリジアンが青色だと思っていた


その主人公は耳が聞こえず
声も出せず
 ....
ドライブ中互いに無口になる時間夕暮れの息吹に惹かれる心

星を見て宇宙と一つになった夜豊かな流れ引き寄せる夜

家の中あちらこちらにある時計どれも微妙に違った時間

早朝の街に灯りがつくよ ....
欠伸してナースコールの鳴りにけり 透明人間です
見てもらえないのです
居ない事になっています
ねえ
透明でしょう

散歩の途中
犬が興味を示して
ぶんぶん尻尾を振っても
振り返っても
わたしは見えないのです
居な ....
すごい勢いで
サイレンが幾度も通り過ぎ
私を追い越して
角を曲がり 止まる
止まる

真夜中の繁華街
わらわらと
遠巻きに人が集う
救急車 パトカー 
赤いライト 無線の声

 ....
「再帰的近代」という石臼がある

それは無数の嘘事を星屑と一緒に挽き砕くことで
「都市」という大規模構造を幻視させる魔臼

その「都市」で、僕は友だちとはぐれてしまった

僕は友 ....
片田舎の白いガードレールの脇を
野焼きの煙たいにおいに追われて
灰色の空の下を
傘を差すか迷う雨に打たれて
そうやって歩くときの心に似ている
わけもなく泣きたくなる夜は
かくれんぼしよう
じゃんけんぽん

わたしが鬼ね

もう、いいかい?
まーだだよ

もう、いいかい?
まーだだよ

もう、いいかい?

もう、いいかい?

もう ....
おかえり
おかえり
誰が帰って来たか知ってるのかい
その人は本当にお父さんだろうか
その人は本当に先生だろうか
本当に夫だろうか
本当に息子だろうか
本当に
ニンゲンだろうか
幽霊み ....
あのねえずぼん
すとんとおちるの
ぜんぶがぜんぶ
ぷりーつのように
たっくのように
にわのためにかった
あさひもで
ぎゅっとすぼめても
まあ
かっこわるいぜ
すがたみに
うつして ....
寝起きの口に朝ごはん押し込まれている 配慮して 
譲ったのが 
運の尽き


遠慮して
譲ったのが
転機の月


熟慮して 
譲ったのが 
麗の点き
 
写真は撮らない

目に焼きつける

時がしっとり思い出にかえてくれるから



 
NUE(鵺)


猿の
  小賢しさと
狸の
  強かさと
虎の
  素早さと
蛇の
  執念深さが
艮の
  夜空で出逢う時
人の
  内の矛盾は
闇の
  中に ....
春風や通天閣のガラス窓 帰りたくない家へ特急列車 月の光がぼくに問う

ぼくもまた心のなかで

それをひとに問うのだ

楽しいことを

見つけたときのように

ビニールが発する光の

美しさや無意味さのように



き ....
特別に
なにかをしてもらったことなど
ない

だから
束縛など されない
だから
私の意思は自由

じゆう

悲しいくらい ジユウ
眠れないのは少し良い
電灯も点けず薄暗い
六畳間にカラカラと
回し車の音がするのは

眠れないのは少し良い
苦い過去を吐き戻し
くちゃくちゃと咀嚼
案外甘みもあるのだと

眠れない ....
あれをずっと松茸ご飯だと思っていたかった 寂しいから綴るのでしょう
私はここに居ますと
何も瓶にお手紙を詰めて
読んで下さいなと祈る事もありません
ひたすらにぼんやりとした
心の内側を吐き出すのです
吐瀉 これは辛いです
すんな ....
オレのゲーハナやや伸びるにつき寄る年波を感じざるを得ない。

随分前に隣にいた、気の効いたあの女ならば「何を言ってるのだ?」と白々しく顔をしかめて言い放つところを、今、ふと隣をみるとやたら困った顔 ....
㎡さんのおすすめリスト(314)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Googleマップの中の家- 小川 葉散文(批評 ...6*14-11-11
寂寥- 藤原絵理 ...自由詩514-11-11
フォークで刺した地球を- ときたま ...自由詩614-11-11
存在失格- もっぷ自由詩514-11-11
ふたり- chiharu自由詩4*14-11-11
ペンペン草田男「妄想」- 花形新次自由詩114-11-11
眠りの丘- 秀の秋自由詩114-11-11
別れ方- 中原純乃自由詩4*14-11-11
ビリジアン__/__使い古しのチューブを握りしめて- beebee自由詩23*14-11-11
ドライブ- 夏川ゆう短歌314-11-11
欠伸してナースコールの鳴りにけり- 北大路京 ...俳句514-11-11
私は- ドクダミ ...自由詩6*14-11-10
サイレンと誘蛾灯- umineko自由詩14*14-11-10
友だち- 2012自由詩214-11-10
ぼんやりとした淋しさ- 四角い丸自由詩4*14-11-10
かくれんぼ- chiharu自由詩4*14-11-10
おかえり- やまうち ...自由詩4*14-11-10
ゆるゆる- ドクダミ ...自由詩3*14-11-10
寝起きの口に朝ごはん押し込まれている- 北大路京 ...自由詩314-11-10
配慮して/遠慮して/熟慮して- komasen333川柳1*14-11-9
撮らない- 殿上 童自由詩19*14-11-9
百鬼繚乱_<_4_>- nonya自由詩18*14-11-9
春風や通天閣のガラス窓- 北大路京 ...俳句1*14-11-9
帰りたくない家へ特急列車- 北大路京 ...自由詩914-11-9
月の光- 吉岡ペペ ...自由詩614-11-8
ジユウ- 中原純乃自由詩5*14-11-8
少し良い- ドクダミ ...自由詩4*14-11-8
あれをずっと松茸ご飯だと思っていたかった- 北大路京 ...自由詩714-11-8
きっと- ドクダミ ...自由詩7*14-11-7
同じ道を歩いてない- 裃左右之 ...散文(批評 ...214-11-7

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