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一つの生をたずさえて
一つの死をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く

)今は何もせずぼうとして
)うねる夏の光を夢見ながら
)美しく深まっていく世界を信じ

 ....
静けさ
ちょこんと
座っている
気付けば
夜底に
座っている

私は寝床を整える
不眠の昨夜を払うように
新しいシーツで敷布団を包み
黄色い朝の喧騒に
心の奥処の祭壇が
荒らさ ....
夜寒さの無音の部屋で飲む焼酎

薄陽射す花野広がる忘却の果て

ひたすらに草を食む牛只在りて
ああ風が吹く と
風を浴びる名無し人は
気流の鳴る音を聴きながら
ひたすら途方に暮れて
ああ風が吹く と
秋晴れや雲なき空の青深し

汝が静か深まる青に吐息つく

秋深まり君なき夜の銀河濃し
台風が過ぎ
半開きにされた窓の外から
みんみん蝉の鳴き声
沸き起こっては
濁音となり溶けていく
熱射の夏、時の沈黙
銀河系の旋回する音が聴こえる
ベッドの上で 日がな一日過ごしては

 ....
小刻みに震えながら重い足取りで進む俺
どこまでもリアルに灰色に広がる地平が
奇妙な高揚感を誘う
不意に吹き抜ける強風に
踊り出す手足はてんでばらばら
関節の軋む音 辺りに響き
俺は自分が薄 ....
微かに発光するその小さないきものが
水辺から自力で上がって来るのを待って
ぼくはそのいきものを
そっと両手で包み込み
彼女の言葉に耳を傾けた

[命は壊れやすく
そうして
強靭なもの
 ....
静かだなあ
今夜はなんとも静かだ
昨夜からの疼痛が
今は嘘のように収まって
気持ちも
まぁるく落ち着いて
こうして詩の言葉を綴る自分が居る
ちらっと記憶の奥を覗いてみたり
火照る身体を ....
夏の空、玄関口
立ち尽くす己
庭木の揺れ、うねる大気

ああ世界が広がっていた!
己とは無関係に
何処までも眩しい異郷よ

五歳の時のその体験を私は決して忘れない
じぶんとは全く無関 ....
今日の午前三時
痛む肉を携えて
部屋の暗闇に沈んだまま
私はひたすら夜明けを待っていた

その時また
意識のふわりと広がり始め
頭上から垂直に響く
無数の秘やかな息遣いに
じぶんの息 ....
わたしが
単に私で在る
時、
わたしは世界の一点
世界を占有せんと世界に挑み
わたしは限られた一点に住み込み
限られた一点から世界を眺める
(どけ、そこは俺様の場所だ!)

わたしが ....
逆さまになって
ぶっ倒れ
気付くと
天を仰いでいた


濃密な青
漆黒の宇宙空間に
そのまま接続していく
濃密な青

標高三千メートルのアイスバーン
アイゼンの爪先が食い込ん ....
充血した虚無
 断層に突き刺さった骨
  陽は傾き
   死者達の視線が
   白壁に乱舞する
  茜の色を
 遠い目で見ている
俺の傷みは血を噴き
白い人が立っていた
水辺の道に立っていた
水面に浮かび立っていた

(青と白の絡まり合い
  ゆっくりと渦を巻き
   奥へ奥へと繋がる水流)

白い人が立っていた
水辺と水面、
 ....
また朝だ
迷い込んで
迎えた朝だ

帰る処はとっくに消えたし
此処はいったい何処だろう
もう混乱困惑越えちまった
しかしいったい何処だろう

あの人達はもう居ない
根っこは元から失 ....
朝だ
もうこんなに明るい
のだね

不思議だよ、
それにしても
昨夜はあんなに
ふらふらだったのに
今朝まで一眠りすれば
力、漲り
こうして詩が書ける駆ける

眠りの底から
 ....
消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めると
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ

そんなとき
何気なく手を差し伸べてくれる隣人が居た

「水が欲しいんだろ」、
ってト ....
反転した
薄暗い影の
なかに
取り込まれて
居た
なんだったかな
何処だったかな
うちゅうの窪みに
休らって
然るべき場所に確保され
受け留められて
ふんわりと明るみ目覚めた
 ....
ああ なんていい風だろう

みんみん蝉が緑の木立に鳴いて
大きな鳥が素早く飛び立ち
鬱々とした気分が
涼やかに洗い落とされていく

この高曇りの八月十一日

[目を閉じれば未だ
橙 ....
暗闇のなか
玉ねぎを炒める香が
道向こうの団地から
風に乗ってやって来る
瞬間、
懐かしい顔顔顔 浮かんで
自然と涙が溢れ流れる
〈温ったかいな温ったかいな〉
僕は公園のベンチに座りな ....
不均衡の渦 巻き
 ひたすら待つ
平静を保ち
 選び取らず

 (眩む陽射しに
        呑み込まれ
  倒れたまま
       途方に暮れ)

黄白く青に 染まる己

 ....
宙に 浮かんだまま 漂っている
意識

ふらふら
 ふわふわ
  流れ続ける時のなか
   痛みながら呻きながら
   肉と繋がり
  引き留められ
 わたしの在り処を
探してい ....
死んだらどうなるのだろうと
私は考えていたが
わたしは私の体を見ていたから
既に死んでいたわけで
なのに考えているのだから
生きているのか
と思ったが
ひょっとして
思うことは
生き ....
落ちてゆく
ゆっくりひたすら落ちてゆく
何物もない何か在る
青い天蓋の底の底
炸裂する世界に
裏返る在るへ
落ちてゆく落ちてゆく
ひたすらゆっくり遡りながら

旋律響きの奥にすむ
 ....
光に
射抜かれた
 夢と現の間で
光が
私を射抜いた
 夜が明け始めて


  ヅ
    ク
      ト

私は光そのものとなり
白く発光する薄いプレートとなり
浮 ....
から だった
前進しようと思えば未だできたが
から だった

寝ても覚めても
あんまりカラカラと鳴るばかりで
もう嫌気がさしちまった

(なのに夢の空はまた
淡い淡い紅に染まり
何 ....
曇り空を見ていた
コンビニのベンチで
缶コーヒーを飲みながら

部屋に篭っていると
自らの身体の痛みに
意識が集中してしまうから

近所のコンビニのベンチで
ずっと空を見て座っていた ....
揺らめいている
天井隅の空間が
静けさに包まれ
揺らめいている

揺らめきは
静けさを呑み
三億年前の生き物の
真っ赤な蠕動を今の今
一瞬見事に開いたり
見たこともない
幾何学模 ....
肉の激痛、全身を貫くなか
魂の認識、一層鮮明に
意識保ち、いずれ帰郷する
鵜飼千代子さんのひだかたけしさんおすすめリスト(315)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
一つの生をたずさえて- ひだかた ...自由詩8*19-7-7
静けさ、ちょこんと- ひだかた ...自由詩1619-5-20
無心- ひだかた ...俳句4*18-11-22
秋風○名無し人- ひだかた ...自由詩618-10-25
秋空- ひだかた ...俳句13*18-10-13
入院生活- ひだかた ...自由詩918-7-31
現夢〇荒野- ひだかた ...自由詩617-10-18
夢現〇命の余韻(改訂)- ひだかた ...自由詩5*17-10-3
ありがとう- ひだかた ...自由詩16*17-9-22
ある夏の光景- ひだかた ...自由詩8*17-9-19
息遣い- ひだかた ...自由詩9*17-9-16
魂の風〇変容- ひだかた ...自由詩717-9-4
滑落- ひだかた ...自由詩8*17-8-31
過剰- ひだかた ...自由詩6*17-8-29
白い人_- ひだかた ...自由詩5*17-8-27
アサ- ひだかた ...自由詩417-8-23
飛翔- ひだかた ...自由詩817-8-22
寮生活〇隣人- ひだかた ...自由詩917-8-21
夢の底- ひだかた ...自由詩6*17-8-20
今日の午前に- ひだかた ...自由詩12*17-8-11
なみだ- ひだかた ...自由詩7*17-8-2
転倒真夏(改訂)- ひだかた ...自由詩417-7-29
わたし_の- ひだかた ...自由詩10*17-7-21
思考- ひだかた ...自由詩3*17-7-19
- ひだかた ...自由詩117-7-17
明けの光- ひだかた ...自由詩3*17-7-8
からがら- ひだかた ...自由詩10*17-6-2
今日の午後- ひだかた ...自由詩10*17-5-14
揺らめく- ひだかた ...自由詩217-5-10
帰郷- ひだかた ...自由詩5*17-4-22

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