思い出すのはあの川沿いの桜たちの笑顔です。
ノイズ混じりの優しい歌。
いつかこの温もりを言葉にすることができたらなと思う。
二足歩行型の人間は歩く。買い物帰りの失い続ける自転車とすれ違いながら。放心する鳥たち。世界には大きなひとつの命しか存在していない。あの電車のなかから見た外の風景のなかに僕はいる。 この悲しみもこの痛みも本物だけど。あの優しい眼差しも温かい手のひらも本物。

だから生きてゆける。
ある女の子がいる。その女の子はすべてを超越してスキップしながら楽しそうに笑っている。その女の子のいる場所にいつか行けたらいいなと思う。そんな日曜日。 ネクタイ。診療所。カバン。犬。小説。風。神様。色。スプーン。キーボード。靴下。アイロン。紐。栞。雷。ボールペン。地面。明日。電柱。太陽。サンダル。自動車。横顔。 日傘が回転しながら宙に浮かぶ。ビー玉みたいな空。つばさのない鳥が空を飛ぶ 産まれることのなかった子供へ向けて歌う。意味なんてどこにもなかった。ただ歌う 火の玉を内に秘めて生きる。孤立する遺伝子。音楽家は静かに暮らす。艶めかしいふくらはぎを蟻が通る。対立する二つのものが存在して初めて完成する世界。いつも通りに夢を見る。覚えていることは覚えていること。黒 .... 光は部屋から生まれる。小人のように。自失の唸り。鯰が泣いている。幽霊が同時に消える。トンネルに咲き誇る無数のテープ。幼い声が聞こえる 時間が目まぐるしく回転している。空想ではないゆえに理想的な弧を描く。天からこころを探すための装置が覗いている。場所のカケラの発露。手すりに掴まっている子どもが見える。 起きたら忘れる夢を見た。起きたらなんの夢を見ていたのか忘れた。夕方に雪が降るらしい。今、雪は降っていない。洗濯機がゴトゴトと音を立てている。僕はそれを見ている。 反復する夏に導かれる。飛び交う右手。コップ一杯の水で夜を迎えた。味の蘇ったパン。悲しみが地表を舞っている。浴槽のこどもをやりすごして歩く。有限の中を燦々と降りてゆく。中絶の声がこびりついて離れない。記 .... 起立礼着席起立礼着席起立礼着席。眠りが燃える、朽ちない光が永遠と。堤防で打ち上げ、喧噪に染まる眩暈が静謐に嘯く。肉体の水面、泥を着て。何かがすべてになろうとしている。
水宮うみ(883)
タイトル カテゴリ Point 日付
桜たち自由詩1*14/12/20 16:01
またあした自由詩2*14/6/22 11:41
いっそすべてが偽物だったらよかったのに自由詩3*14/4/2 6:59
日曜日自由詩1*14/4/1 20:13
横顔自由詩014/3/22 12:31
飛ぶ自由詩014/3/22 12:13
歌う自由詩014/3/19 9:20
僕らの日常自由詩2*14/3/18 7:55
聞こえる自由詩0+*14/1/23 16:23
なんだこの天井は自由詩1*14/1/22 12:42
ひきこもりちゃん自由詩3*14/1/22 8:11
頭を掻く自由詩014/1/21 14:20
私は倒れていった人々のことを忘れない自由詩5*14/1/21 10:15

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