並び替えた語らが
  愛想笑いをしている
  竹林

  空腹の蛇だった
  噛まれた耳だった
  おりていく夕闇だった
  感じられる前の淋しさだった
  吐気がして
  ねむっていると
  あおい空がみえた

  わたしたちは睦み合いつつ
  観念の ふやけた泥団子に成り果てていたが
  憎しみながら ねむっていると
  吐気 ....
  滑らかで硬かった
  あの日、きみからの言葉は

  剃り残しの髭みたいな
  滑稽を 愛と呼んで
  非常に申し訳ない

  悲しさよりも
  ひらったい暴力を探す
  ....
  割れた幾何学が
  積み上がっていく夕
  雨のような寂しさを身にまとうひと
  抽斗は
  開けられることはないのだろう
  無機の
  果実
  歯欠けの道化師は
  朝 マンドリンを焼く
  駅前公園で
  今 この瞬間、私の
  魂の模型を造るとするなら
  あの烏瓜とほぼ相似かもしれない
  止んだ歌が まだ聞こえているうちに
  あの人の髪の毛に指をいれたい
  
  ボナールの赤を
  敷布にまるく包んで、
  心ある人間になりたかった……
  陽の光が 目に見えない雪になって
  町にふる午後 凄く かなしい
  なにか次の出来事を準備していた
  裸体たちは 敢え無く 黒炭の
  テクスチュアの内にほどけて
  やわい鹿も
  二頭ばかり居る
  私 という語は ざらりとした
  塗料を風に削がれて
  あおい粉塵だ
  詩を拒むので或いは詩を映すので
  建物はこんなにもあかるい
  蒲鉾型の
  窓枠のむこうが 硬い冬だ
  そして瞳の内壁にそって
  置かれた ひそやかな暖炉に
  母らしき女が辛抱強く火をくべている
  うたわないディランと
  自殺をしないカート・コバーン
  ビー球の 転がりのなかを
  夕焼けが駆け抜ける
  きみにあこがれる

  いつか人生に
  椅子を失くす日、
 ....
  晴れた
  青い ひかりたちのなかに
  つくえが 落ち葉を待っている

  いりくんだ緑にはずむ
  からすうりのかなしみは
  朱く 苦く あまく

  なんども 熟れ ....
  形の整った
  トートロジーを枕に
  おまえはねむっていた

  安普請の 階段をのぼる
  ハラハラと、曙光が、火山灰のように
  壁に留まる 蛾を擦って……消える

 ....
the amazing, blazing lights
have started to orbit your sight.
so look at these magnolias,
swi ....
  あなたがきて
  雨がふった

  かなしくはない
  幸せでもない
  木がゆれた

 
  日が落ちる
  あたりがくらくなる
  街のかげが 夜になっていく
  ....
  その途中で
  錆びた窓は停まった


  おおきな 古い瓦屋
  やすでたちは疲労のように
  みている


  その途中で
  砂埃は窓の面から
  私たちの瞳に ....
  青空にむかって
  わたしたちは歌った
  夜はながく とても寒く

  深く 生きながらにして
  かたちのなかで毀れていた

  シャツをきて お茶を飲み
  静か ....
  わたしを欠いたまま
  わたしを欠くことで
  蛞蝓は 祭り路に垂れて

  三十二歳の
  女の唇のようなかたちの
  乾きが 丸くひらく

  信念の青さで糊をした
 ....
  東京の歌は
  唇のようにさけんで
  凄くかなしかった

  打ち棄てた愛が 不意に
  わたしの頬を張る
  日が沈み 胸が冷える

  老いた男の
  灰いろのまな ....
  二月の
  雨が こおっていく

  あなたからの 一時間未満の
  電話からの ことばからの
  つめたさが こおっていく

  ひとつも
  かなしくない
  ふるえ ....
  ぼくたちの温度が
  正しいのかどうか知らんし
  きみの・ひとつを とりなよ
      ホテル・ニューオオタニ
  きみの・ふたつを とりなよ
     ビーバップ・ハイスク ....
  毀れたまま
  ひとつの裸が
  もうひとつの
  裸を抱く
  全き
  炊飯器
  女……
  充溢する
  欺きの、
  夢、
  箇条書きの
  ……沈丁花……
  みえない、鬼
  啜られた
  白桃の……蜜 
  気を狂わせるほどに美しい
  昏いので……みえない……鬼……
  滅入る
  ひ影
  破裂音の
  木像
  (言葉なしで祈る)
  団地という
  語の 重量と
  つりあっているものらが
  そこらへんにある
  昼間を 歩いて
  菜を刻み
  嗅いで
  寝た
  木造家屋の
  窓に、夜 雨がふるえる
  ながい髪に指を とおしていると
  君はいつか居なくなるってことがわかる
  蛇口から冷たい 水がおちてくるから
  いつまでも 僕は ....
  白い
  四辺形が
  かなしくさせる

  街と
  食糧と熱と
  あなたが……
  ぼくを かなしくさせる

  光は 言葉ではなく
  雲になって
  あなた ....
  {ルビ金=かな}ざるを日にかざし
  台所の女は ほほえんでいる
  苔色の直方体のなかで
  いつでもない時間が
  積まれていく
  赤い車の
  座席で 
  わたしたちは
  部分的に
  毀れた

  雪がふり
  たばこを吸い
  腿にふれ
  窓をぬぐい
  寒かった
草野春心(1124)
タイトル カテゴリ Point 日付
置換[group]自由詩119/3/27 20:44
吐気自由詩219/3/27 20:43
edge自由詩019/1/25 23:09
烏瓜 7自由詩518/12/29 14:21
烏瓜 6自由詩218/12/29 14:20
烏瓜 5[group]自由詩318/12/26 19:59
烏瓜 4[group]自由詩318/12/26 19:58
烏瓜 3自由詩418/12/23 20:09
烏瓜 2自由詩418/12/23 20:08
烏瓜 1自由詩418/12/23 20:07
転がり[group]自由詩518/11/20 22:55
すばらしい秋自由詩418/11/17 13:19
自由詩318/9/30 23:25
Of another dirty side自由詩118/5/27 12:42
あなたがきて自由詩3*18/5/24 21:10
途中で自由詩218/5/24 21:08
愛に生きて自由詩5*18/5/12 15:03
自由詩218/5/3 13:57
東京の歌自由詩118/4/8 20:09
こおっていく[group]自由詩418/2/25 23:03
きみのぶん自由詩2*18/2/25 22:56
炊飯器自由詩118/2/24 17:08
沈丁花自由詩218/2/24 17:07
白桃自由詩118/2/24 17:06
[group]自由詩218/2/11 18:11
重量のある[group]自由詩418/2/11 18:04
愛の夢[group]自由詩418/2/11 18:00
四辺形[group]自由詩118/2/4 0:45
ざる自由詩218/2/4 0:36
赤い車[group]自由詩418/2/4 0:34

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