夕暮れは
いつまで経ってもやってこなかった

川原に揺れる黄色は
菜の花のようにも見えたが
菜の花でないことはわかっていた
季節は秋

それでも遠目から見た黄色は
何となく春を思い出 ....
只今
大変混雑している為
空にお越しの方は
しばらくお待ちください
一瞬で
それと分かる匂いは
金木犀


 幼き頃の庭遊び
 細かな花びら
 摘み取って
 硝子の瓶に蓋をした
 秋の陽だまりにも似た
 満ち足りた表情で

 その濃い芳香さえも ....
始まりは
木もれ日の色

風の音色を
静かに重ね

深い朱色に
染まる時まで
‥夏も終わり
 空っぽになった植木鉢

の、はずだった


『落としましたよ』
なんて
いまさら夏に
お届け出来ないね
朽ち溢れた花びらは
先ほどまで
朱く萌え
そこに立ちいた
曼珠沙華

終りをみるの
何度でも


傍らで
見送る私は
何、想う

終りをみるたび
思い出す
始まりがある ....
のんちゃんの
さんりんしゃは まっかかで
はんどるのとこに
いろんないろの
フサフサが ついていた
あか あお きいろ みどり しろ
いつつも ついてて きれいだった
あしでけって さか ....
むせるよな
甘い薫りに
蘇る
しまった記憶
輪郭を映す
ちるちる
まいちる
秋みちる
その手で拾いあげてよ
ボクはキミに
拾われる為に落ちたんだ


そんな声が聞こえそう

静かな林に
木もれ日揺れて
その大きな手は
いつもどこかにあって
5才の目には映らない

小さな手で
探し当てたのはシャツの端っこ
まよい子が迷子にならないように

届くはずがないと
街の底から見上げれば
と ....
くれないに
染まるさえずり
さそわれて
こぼれ実、赤く
影は、はばたき
秋のはじめのある日

川辺りを散歩していた風は
色とりどりに咲いている花を見つけました

‥なんて綺麗なんだろう
‥一緒に遊ばないか

風がそう言うと
花は恥ずかしそうに
コクリと ....
窓を開けた瞬間
朝一番の風は
薄手のシャツを抜け
眠気交じりの肌を
下から上へとナゾルように吹いてきた

頬から
首筋
うなじへと
同じ風に包まれてゆくのをそのままに
まだ整えてい ....
今しがた
煎れたばかりの紅茶は
口をつけないまま
冷たくなって
湯気をたてることも
香りが揺れることも
なくなっていたので
カップの上から覗いてみた

ふたつの瞳が私を見ている

ティーポットに
熱い ....
季節は一冊の本にまとめられ
秋の頁をめくりながら
月明かりの下
あなたの言葉を
思い返すのです

秋の頁はとても長く
多くの言葉で
埋め尽くされているはずなのに
めくってもめくっても ....
「ふう、暑い」

小さい秋を

掴まえて

名残りの陽射しが

傾いていく
揺れる枝さき
ほころぶ花びら

きみ、想う

いつか
その日が
きますように


夜ごと
空をみつめては
十五夜をまつ

きみ、想う

いつか
月のあかりも
届きますように




※写真は萩です
あなたは

そこに

なにを

おもい

えがくのだろう
ときどき
思い出した
ふりをして

その面影を
そっと
胸に抱いてみる

きつく抱いたら
もろく崩れて
カタチをなくして
しまいそうで

優しい顔
笑った顔
悲しい顔
 ....
秋のはじめの
雨は優しく
しずかに
しずかに
色をさす

花かんむりの薄紅
手折るのを忘れ
肩にも雨は
優しく降りる
きみの帰りを待ちわびて


雨に煙ったアスファルト
ずぅっと先に目をこらす


きみと遊んだ
ねこじゃらし

今日は
つん と 雨の匂い

ボクのひげにも
雨の匂い
すこし寒い夜は

毛布を一枚




あたまから

すっぽり

かぶってね

あなたに逢える

とき

のことを

想像する



ぬくぬくした気持ち
 ....
いくどめの夏の陽を

やわらかな肌に射し

花と笑い

鳥と歌う



口もとから
こぼれるものが

微笑みであるように



眼から
あふれるものが

光とな ....
あなたの影と
わたしの影が重なる

頬そめた夕日を
あなたの肩ごし見送る

あしたも
会えますように
遥か上空は
sky blue の呼吸する鏡
青々と波立つ海を映して
その青さが生まれた先に
喜びと悲しみの交差する底
深い眠りに満ちた場所がある

太陽は沈み
夜に近づく青は
悲しみ ....
雨がやんだ
雲が流されていく
青空が顔をのぞかせたら‥


さあ
窓を開けよう
僕が生まれた頃

空は今よりもうちょっと身近にあった
雲はいろんなものをカタチ作るから
それだけで面白かったし
行き先も告げずに日の暮れるまで遊んで
「烏が鳴くから帰りましょう」と手を振る ....
秋風は
空の彼方で
昼寝中
雷鳴にさめる
午睡の汗
今日、会いたい

きみを待った



時計の中で明日を迎える
LEO(226)
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