膨らみかけの
まるい頭を圧する手は
あなたにとって
始めての試練

そうして知るだろう
温みあるやわらかな手が
差し伸べられるあしたを

そうして迎えるだろう
ため息と酔うた目に
愛でられる日を

花 ....
君の固く閉ざした唇が
すこし緩んだから
僕の眉間も緩んだ

緩んだ口元から
笑みがこぼれたから
僕の目尻も下がった

こぼれた笑みが
そこら中に溢れ始め
眩しさに笑った


 ....
 私、空を飛ぶ

海の青さ、空の青さ
イコールで繋いで

 逆さまになっても
 怖くないでしょう


陽の光、あの笑顔
イコールで繋いで
 
 おちても
 痛くないでしょう
 ....
天上から
光の粒がおりて
みち満ちてゆく
ときは、春

天から与えられたのは
生きる力と活かす知恵

朝露を唇に
 目に触れない透明な息
両の手で
 肌に感じる柔らかな息
目ざ ....
窓辺に置いた花が
枯れてしまって
悲しむわたしのもとへ
風が
山の裾野を渡り
あなたの窓を
こつんとひとつして
わたしの窓にも
こつんとひとつして
風の
通り道が出来たことを
知 ....
仏さまが
座っておられるのかと思っていましたら

なんともかわいらしい顔をした
花の精でした
北の郷にも
春は来て
紅やら白やら
梅が咲きました

梅の香とは
どんなものかと
高くもない鼻を
差し出してみれば
黄色に染まった鼻を見て
笑う君
ほころぶ梅に
負けず劣らず
頬そめ笑み咲き誇る


 ....
あまくたゆたう
切ない香りは


匂いを纏い
瞼を閉じて
春の記憶を
捲ってみれば
ぼんやりと
聞こえてくるのは
あなたの足音でした

あの細い小路を
覚えているかしら

先いく背中を追って
ふたつめ ....
あの手紙を
風に託したのは
去年の秋のこと

あのとき流した
涙の理由
忘れたふりして
送った月日の重たさも
体の一部にしたけれど
それも性分なんだと
開き直れば
今、吹く風の行 ....
春は
思いがけない記憶を呼び覚ます

 フリージアの花びらが揺れていた
 恋に幼い心も揺れていた
 サヨナラの理由を
 頬伝った涙をさらう風のせいにして
 強がる笑顔で背中を見送った
 ....
春の種をまいたら
水をあげよう

すきまなく潤してゆく
ぎんいろの雨が

わたしの窓にも
あなたの窓にも

芽吹いた想いも
大きく育ちますように
窓辺に顔を近づけると暖くてね
まだ幼くも確かな春を感じたよ
色にしたらベビーピンクだろう
匂いでいったらプチサンボンかな
色も匂いも甘くてちょっと切なくなったよ

きっと記憶のどこかに
 ....
手をのばせば
やわらかい陽射しに
触れるよな

小川のせせらぎ
口笛さそう



‥足下にも

小指の先ほどの
ちいさなちいさな
あおい春
指先の凍えるのも忘れ
口唇の乾くのも忘れ
午前二時は月明かり

爪先はいつしか
その方へと向かい
消えて浮かんで
また消えて
巡らす想いは
蒼白い夜の膜を
揺らしながらも
冷たさ ....
喉に閊えた言葉
 書きかけの詩を
 そのままに

それが何なのか
 くもるガラスを
 手の平で拭いた

思い出せるまで
 流れ落ちる滴が
 腕を這う

終わらない迷走
 いつ ....
春に
桜花ほころぶように
夏に
青葉の目映いように

 聞こえる

声なき声に
心はおどる

 あなたにそっと
 触れたくて



秋の
時雨に濡れるように
冬に
 ....
蒼き夜空に裸体の桜
瞬く星に影だけ揺らす

オリオンの傾きが
その時を告げるまで

その腕に
無数の蕾を抱いて
むすんだくちびる
静かに眠る


 くちづけは
   春一番に
 すこしずつ
 色を足し
 
 気づかれないよう
 形をかえて

 満月を
 あとふたつ数えたら
 「春」になります


北風の止んだ空に
雲の声がした
かまくらで
みかんが食べたいって
のんちゃんが言ったから

なん日もくもった空だった
なん日も雪がつづいていた

そう、だから、ふたりで
かまくらを作ろうって、ね
どうろわきによせた ....
無くしちゃった青い傘
お気に入りだった青い傘
さがしに行くよ
雨に会えそな雲の下

風が頬にあたるのも
ポケットの中の手が
温まらないのも
気にしない
雨の降りそな雲の下

 み ....
濡れるのは
おかまいなしで
傘はささない

足跡は
雨と一緒に
大地へと還る

雨が唇をふさぐから
言葉にしたいことも
足元へ、足先から

行き先は
 忘れてしまえるかしら
 ....
あるときは
強く美しい旋律を奏でる
それはまるでピアノの線

あるときは
掴むには細く守るには脆い
それはまるで蜘蛛の糸

喜びも
哀しみも
銀色に光るひとすじの涙
なっちゃんだって
辛いこと、悲しいことあると思うよ
みんなが寝静まった頃
こっそり泣いてるのかもしれないな

それでも朝には
こんなに笑顔


自分も頑張ろうと思う
降り続く雨が
肩を優しく包むから
あふれた涙が止らない

ひとしきり泣いたあと
涙のわけを考えたけれど
言葉にすることが出来なかった

それは
生まれたときから
始まっていたのかも ....
今朝書き終えたばかりの
手紙を紙飛行機にして
あなたへと向かう
風を探している

雲ひとつない晴天の空は
太陽の傾きが眩しすぎて
方向を示すものが
見あたらない

そこへ向かう風は ....
年末の掃除の時に、もうずいぶん、多分しまってから一度も開けていない小さなダンボール箱が出てきた。

中を確認してから、いらないものなら捨てようと脇に寄せていたものを今日になって開けてみる。

 ....
眠りに就く時間
西の窓に月明かり
眺めて寝るには
ちょうどいい

感じるほどの冷たさに
静まる鼓動
もの思うには
ちょうどいい

きのうの顔と
きょうの景色
きょうの顔と
あ ....
美しい風景写真を
眺めていた

若草色で
縁とられた何枚もの

それを両手にのせ
黄色や 桃色の
ふわりと匂う
いつかの春の息吹

こいしいが
夢の入り口
扉をひらく

 ....
底から見上げる水面が
青く青く煌めく

僕等は魚になったのだ

こぽこぽ
君の吐く息が
光の結晶になって
水中を揺らめかす

こぽこぽ
僕の吐く息が
滑らかな
螺旋をえがく
 ....
日溜まりが好きなこの手の願いはただひとつ

あなたの笑顔を見ることだった
LEO(226)
タイトル カテゴリ Point 日付
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みどりの子自由詩6*06/3/25 21:37
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仏の座(ホトケノザ)携帯写真+ ...11*06/3/16 14:51
梅香携帯写真+ ...14*06/3/13 0:16
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風が吹くとき自由詩8*06/3/8 22:29
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空のジョウロ自由詩11*06/2/21 11:43
どこかに春が自由詩4*06/2/16 21:03
小さな春携帯写真+ ...13*06/2/15 12:46
今日のおわりに自由詩8*06/2/12 16:57
自由詩8+*06/2/6 17:58
生きてる言葉自由詩11*06/2/5 22:09
眠りの森の‥自由詩9*06/1/28 20:23
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傘をさがして自由詩9*06/1/22 21:32
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オルゴール未詩・独白4*06/1/12 21:13
静寂なる自由詩3*06/1/11 22:21
冬の蝶自由詩7*06/1/10 21:51
水の底から自由詩5*06/1/9 20:44
'06 winter携帯写真+ ...7*06/1/8 15:05

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