暮れかかる
陽の手は伸びて
居ならぶ雲を
染めあげる
夜の扉をひらくため
灯された
あかりのように

瞬き、
という行為の
間に間に見える
人と人を結ぶ
曖昧な影
「優しさ」 ....
夕暮れ間近に
降りだした雨は
氷のように
冷たくて
見る間にそれは
視線の先を
白く染め変えた

あなたのと
わたしのと
それぞれの窓から
同じ雪を見て
初雪だねって
文字を ....
「にゃーにゃー」
「にゃにゃ?」

ご主人さまが
猫語を真似て
話しかけてくるけれど
何を言ってるのか
さっぱり
わかんないニャン

ここはひとつ
狸寝入り
じゃなかった
猫寝入り?
一月ついたち

凛として
鈴の音が
聞こえてきそうな
夜でした

まっすぐのびるこの道も
ざわとも動かぬ杉の木立も
風の止んだ雪の原も
すべてに
群青いろの絵の具を
とかして撒 ....
哀しみのあなたに
なす術をもたない
わたしもまた
その非力さゆえ
自らの存在に
哀しみをおぼえる

星の瞬きの
ひとつひとつが
人の願いというならば
わたしのそれは
確かな理由を ....
  
久しぶりの
雨の
窓叩く音が
私を招く

人影もない
真夜中の
常夜灯に雨は
照らされて
絹糸のように
白く光っている

時折過ぎる車の
雨の飛沫が
耳を掠めて
 ....
唇噛んできみは
嘘つきだね
本当は泣きたいくせに

街灯りに雨は白く煙って
アスファルトに伸びた
影を揺らしてる

黙ったまんまで
何を見てる
何を探してる
言葉に出来ない
夜 ....
昨夜に限っては
悪夢にもうなされず
いっときだけ
窓をたたく雨の音を
聞いた気がする
夜の中にあって
感情を露わにしないまま
目覚めたのは幾日ぶりのことだろう
確かに雨は
濡れたアス ....
終わりを告げる声は無く
始まりを告げる声も無い

泣くのは
人だけではないだろうに

それでも再び
巡りくると疑わず
古いモルタルの
アパートの二階へ続く階段を
普段どおりに駆け上がる
足音はある意味合図だろう
鍵穴にキーを差し込んで
ここまでは完璧にいつも通り
ドアを開けた途端
部屋はいい匂いに溢れて ....
銀色の穂波は
斜陽に映える芒の原
光と戯れ
丘の向こう側まで
続いている

風は止むことを知らない
運ばれる匂いは
ひとつの季節の終止符
あるいは序曲として
わたしに交わるけれど
 ....
お隣の洗濯物も
そのお隣の洗濯物も
そのまたお隣の洗濯物も
ふんわり今日は乾くだろうと
あったかい陽射しに
目を細めずにはいられない
冬だというのに
春の匂いがするのは
あなたの
洗 ....
何も
聞こえないふりをした

何も
見えないふりをした

周波数が合わない
自分だけじゃないだろう

頭の中のノイズ
消したくて
カーラジオのボリュームあげる


優しすぎる歌声に
そんな頃もあったね ....
南風に乗って
白い旗がなびく

鳩の群れが
周遊する空は
果てまでも青い

穏やかに目笑する日

リーンゴン
リーンゴン

鐘の音が駆けてくる
すこし遠回りな帰り道
緩やかにカーブしたその先は
西の方へとまっすぐ伸び
私の歩みを止めるには
充分な光景でした
いま少しで
山際に架かろうとする陽の
最後まで惜しみなく射す光は
山茶 ....
黄金に色づいた銀杏の葉が

枯れて萎んだプラタナスの葉が

静かに落ちてゆく


それら微かな音にも
わたしの耳は鋭く応えるのに
あなたの声が届くことは無い

印したインクの滲み ....
その指先から
放たれた熱に
目眩して
浮遊する

私もまた
ひとつの
季節なのだと

いずれは
白く
凍ってしまう

冬枯れの木のように
おしまいは
呆気ないね

今しがたまで注いでいた目線を
手元のカップに移して
囁くようにあなたが嘆いた
続けてのため息は
ほんのり紅茶の匂いで
外には
すぐそこに夜がある

北西 ....
十月の
夕刻にしては
あたたかい風が
秋の
冬の
装いを始めた草の
乾いた匂いを運んでくる

霞がかった空は
穏やかな表情で
まだ染まるには早い
青く連なる山々に添う

静か ....
 
今宵十五夜の月を
楽しみにしておりましたのに
朝から硝子窓を濡らす雨は
一向に止む気配を見せません

花器に
手折った数本の芒と一枝の萩を
無造作に入れ
恨めしげに外を眺めており ....
しんと静まる部屋の片隅
迷い込んだ虫の声
リリリと鳴くは鈴虫か

秋の気配が深まりつ
冷気が足先に絡まって
空を切る目に
眠気はちっとも訪れない

天上を柵に見立てて
ひつじを数え ....
ほうらご覧よ
あんなに見事な

ゆるりゆるりと
銀の鱗を光らせて
水面に映る魚のよう

ゆるりゆるりと
眺めていたら
水の底から
見上げてるのは
こちらのほう

銀の鱗の魚に ....
彼岸の頃になると
その場所は
真赤に燃えるようでありました

急な勾配の細い畦を上れば
今来た道を遠くまで
見渡すことのできる墓所
形を成さない朽ちた石版と
名も読めぬほど苔むした石碑 ....
曇った空の下では
海も鈍い色をしていた
打ち寄せる波の先だけは白く
足元に届けられて

よーく目を凝らして見てごらん
水平線が弧を描いている
停留しているタンカーが遥か沖のほうで
 ....
ねこになったきみとぼく

木漏れ日ゆれる

ねむの木の下で

二匹ころんと横になる



長い尻尾が自慢の

きみはしましまトラ猫で

大きな耳が自慢の

ぼくは三色三毛猫で

仲良く顔を並べて

昼 ....
はじまりは
突然ではなくて
地面に染み込んでいく
雨の速さに似ている

背後に潜む
稲妻と雷鳴の予感
と、その準備に追われる頃
夏の気配はすでに
私の踵を浮かせ始めていた

色濃 ....
黄昏が
哀しみの手をひいて
波打ち際へと運ぶ

きらきらと
波間に揺れるものを
幾度つかまえようと
泡と消えていくそれは
知るはずのない「永遠」

時計の針を止めても
季節は巡り ....
蝉時雨も止んだというのに
真昼の喧騒が
じりりと
耳に焼き付いたのを
両手で塞いだ

鳥の群れが西をめざし
灯火色した空に
消えていくのを
門口に焚いた火とともに
静かに見ている
 ....
まどろんだまま
深く吸った息で
体中に雨が透る

窓辺においた手紙が
濡れているのは雨のせい

滲んだ青いインクの
消えかけた名前を呼んで

雨の一粒一粒が
体の中で弾ける
ソ ....
買い手のつかぬまま
何年か空き地だったお隣に
店舗兼アパートが建った
店舗といっても
コインランドリーのせいか
雨の日以外は閑散としている
アパートもまだ空いたままで
梅雨明けのあとは
 ....
LEO(226)
タイトル カテゴリ Point 日付
あかり自由詩31*07/1/17 0:24
初雪自由詩29*07/1/12 0:04
ぼくはねこ携帯写真+ ...17+*07/1/9 15:23
月夜自由詩29*07/1/4 19:29
星のない夜に自由詩27*06/12/31 0:06
冬の雨自由詩27*06/12/28 1:54
song自由詩22*06/12/18 1:22
冬薔薇自由詩21*06/12/16 21:50
輪廻携帯写真+ ...26*06/12/6 2:11
さよならは言わない自由詩24*06/12/5 22:51
口笛は何処へも届かない自由詩34*06/11/25 22:25
so feel good自由詩26*06/11/23 2:10
ノイズ携帯写真+ ...12*06/11/21 8:14
小春日和[group]自由詩17*06/11/9 21:55
トワイライト自由詩25*06/11/8 0:42
秋の日記自由詩19*06/11/7 1:13
環流する季節携帯写真+ ...23*06/10/20 0:10
木枯し、吹くまえに自由詩16*06/10/17 22:17
サンセット自由詩22+*06/10/12 21:10
雨降り十五夜自由詩23*06/10/7 1:57
ひつじ雲自由詩21*06/10/4 21:21
銀の鱗の… 、 空を行く携帯写真+ ...21*06/9/25 0:16
彼岸花の咲く丘自由詩18*06/9/22 12:54
海を連れて帰る自由詩15*06/9/11 20:07
ねむの木の下で携帯写真+ ...20*06/9/3 15:26
きみといた夏自由詩13*06/8/30 21:47
潮騒自由詩15*06/8/27 19:37
灯火自由詩19*06/8/16 2:20
雨に目覚める自由詩15*06/8/12 23:52
立秋自由詩10*06/8/10 22:20

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