一日の終わりに
脱いだ
ぬけがらが
いくつか並んでいる

命がけで
脱いだわりに
その佇まいは
くしゃみ
ひとつほどの
可笑しさを漂わせている

上手に脱いだ
ぬけがらは
 ....
野の花が
あんなにも
優しげに微笑むのは
きっと
手向けの花であるから

肉体を持たぬ人に
花以上に似合うものが
あるでしょうか

空腹も感じないので
食べ物はいらない
物欲も ....
トリセツをただの一度も読まずとも正しい呼吸の仕方はわかる

もともとはペアであった靴下も気づくと穴が片方だけに

色褪せたペエジをめくる緑風が塗り替え時期と付箋をつけた

強風でバタンッと ....
距離を測ってみようと思う
単位は人間
おかしいな
昨日は1人間だったのに
今日は2人間だ
このまま離れていったなら
いつか
このものさしでは
足りなくなって
私は
人間に戻れなくな ....
今日の終わりに
のりしろが佇んでいる

のりづけしなければ
全てがそこで途切れることを
知っているはずなのに
どうしますか? と
のんきに尋ねてくる

点線から先は
のりしろ
白 ....
美しい指を
持つものがおりました
絶望の夜
静かに瞬く
光と光をつなげて
星座をつくりました

美しい指を
持つものがおりました
歓喜の朝
深く広がる
闇と闇をつなげて
瞳をつ ....
鳥の囀りが
風に乗り
詩になっていく

花の分身が
風に乗り
詩になっていく

雨の音符が
風に乗り
詩になっていく

ここで
みんなが
風を待つ
わたしの言葉も
風を ....
磨かれた空に足跡つけていくいたずら小僧のような雲たち

なんにでもなれる人がやわらかく五月の樹々の若葉となって

この指をアンテナとして建てました心のスイッチ押して下さい

まなこから鱗は ....
たたみ一畳あれば
Iの字に寝そべれる
  
  ――静止

二畳あれば
大の字になって
寝返りもできる

  ――開放

半畳あれば
膝を抱えて
あなたのことを
想うことが ....
他者の背中を見るように
自分の背中を見ることはできない

他者の背中を見送るように
自分の背中も見送られ

雨あがり
洗濯したばかりの
地球の匂いに包まれる午後

無風、時々背中
 ....
世界が揺れはじめる
そして
ぼくたちは
気づくのだ

ここが
氷山で
わずかに海面から
突き出した
ほんの一角にすぎないことに

世界が揺れはじめる
そして
ぼくたちは
知 ....
数えましょうか?
野に
ひとつ、ふたつ、と
数えましょうか?
川に
いっぴき、にひき、と

数えましょうか?
道に
ひとり、ふたり、と

数えてほしいのでしょうか?
その存在証 ....
あかちゃんは
真似っこ上手
わたしが笑えば
あかちゃんも
笑う
ありがとう

あかちゃんは
真似っこ上手
わたしが泣けば
あかちゃんも
泣く
ごめんね

あかちゃんは
い ....
ゆるゆると解凍されて泳ぎ出す初夏のひざしに冷凍金魚

てのひらに埋め込まれた鉛筆の種 いつまで待っても芽が出ませんが

捨てました古い日記も捨てましたあとかたもなくみじん切りして

虎猫と ....
冬にすいかを食べたい
もうすいかしか食べられそうにないと言って
あなたを困らせた
今思うと
ロシアの童話にあるような
わがまま女じゃないか、あたし
あなたは
愛だというが
一抹の負い目 ....
時々
あの白いハンカチを思い出す
あたかも
そうすることが
シナリオで
決まっていたかのように
差し出された
それを
いまでも
鮮やかに
思い出す

私は
電車通学をする
 ....
ひとりに
ひとつ
影があるって
知ったのは
いつだったろうか

夕暮れの公園で
誰かの影を踏む

本体は
笑っていても
影は
笑わない
いつだって
静かに
かなしんでいる ....
えもんかけ
とか
うばぐるま
とか
こうもりがさ
とか

セピア色の単語帳
めくれば
ノスタルジーが
幸福な可笑しみを
連れてくる

がまぐち

つけた
蛙の鈴みたい ....
古代飴のような
琥珀の中に
小さな虫が
羽ばたいたまま
閉じ込められている

時が止まったままの
小さな宇宙を
私は
手のひらで
そっと転がして
スイッチをさがす
親心を
揺らしながら
春の野に立ち尽くしている
子どもらは
既に
旅立って
再び逢うことは
叶わないというのに
心配の種はつきないのでしょう

親心を
揺らしながら
じっと耳を ....
空を見上げる君は
とても無防備だ
尖った顎先から
なだらかなカーヴを描いて
道が現れる
これから
戦いに出向くにしては
哀しいくらいに
無防備だ
それは
最後まで手放なせずにいた
 ....
{画像=120424111111.jpg }

【帰還】

 声帯を飛び出していくコトバ達コマクを抜けてワタシに戻る

【流行り病】

 時節柄恋には注意下さいね 四月の空に青いエアー ....
大きな蓋がひとつあれば
こと足りる
あれは
実に包容力のあるヤツだから

けれど
ここには
とても小さな蓋しかないのだ
あろうことか
私のキッチンには
小さな蓋しかないのだ

 ....
ホンマに? 
ホンマに。

ホンマにホンマ?
ホンマにホンマ。

これ、
エンドレスです

美しい季節を
嘘だと思うから

哀しい現実を
嘘だと思いたいから

ホンマにホ ....
人は
自分のテリトリーに
侵入者が
入ってこようものなら
たちまち
不機嫌になって
どうにかして
追い出そうとする

そのテリトリーさえ
誰かからの
借り地だというのに
手紙の最後に
P.S.と記す

ああ、そういえば
思い出したよ
とでも
いうような
そぶりで
P.S.と記す

白状すると
本文は
この追伸を
書くための
助走

その ....
コトバの残骸を踏み越えていくときはいつも裸足

狂い始めた気がして音叉を頭にあてる、脳ミソを調律

あたらしい歌ください、ぼくの中古ピアノに

雨粒がみずたまりで正しい円を描く、コンパスも ....
赤ちゃんをあやす
なんとか
笑わそうとして
百面相など
繰り広げる

赤ちゃんが笑えば
私も笑う
私は赤ちゃんにあやされている

【あやされる】とは
どういうことだろう
ココロ ....
君の補助輪を外した朝は
まるで
小鳥の誕生日のように
空が青かった

小さな手のひらで
ぎゅっと握った
ハンドルが
ぐらぐらゆれる
どこへ向かっているのか
自分でもきっとわからない ....
赤信号で
一台の自転車が止まる
重そうなブレーキ音
それはそのはす
後ろの荷台には
補助シートに乗せた幼子
お母さんはハンドルを
ぎゅっと握って
足をつく
背中におぶわれた赤ちゃんは ....
そらの珊瑚(1025)
タイトル カテゴリ Point 日付
ぬけがら自由詩20*12/5/18 9:03
自由詩26*12/5/11 10:15
夕焼け心中[group]短歌1212/5/9 8:38
ものさし自由詩15*12/5/8 8:27
のりしろ自由詩10*12/5/7 10:42
美しい指自由詩9*12/5/6 7:58
風待ち峠自由詩7*12/5/5 7:59
離岸流[group]短歌712/5/4 21:09
藺草仕様のフェルマータ自由詩6*12/5/4 11:25
晴れ、時々背中自由詩17*12/5/3 15:23
アイスバーグ自由詩812/5/2 11:56
数を数える自由詩6*12/5/1 16:01
あかちゃんの頃自由詩7*12/5/1 15:30
ウワバミの中の象[group]短歌9*12/4/29 23:04
すいかにまつわるエトセトラ自由詩8*12/4/29 8:32
白いバトン自由詩6*12/4/28 19:59
かげふみ自由詩6*12/4/27 21:51
がまぐち自由詩7*12/4/27 11:41
仮死自由詩17*12/4/27 10:13
蒲公英草子自由詩912/4/26 8:22
希望自由詩1012/4/25 9:06
メビウス[group]短歌6*12/4/24 11:03
蓋についての考察自由詩10*12/4/24 10:21
ホンマ?自由詩8*12/4/24 9:36
借り地自由詩8*12/4/23 8:19
追伸自由詩18*12/4/22 10:05
モザイク(自由律俳句)俳句712/4/21 20:49
あやとり自由詩17*12/4/21 7:59
自転車でいこう! Ⅲ自由詩13*12/4/20 8:39
自転車でいこう! Ⅱ自由詩9*12/4/19 10:23

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