この季節はシャツの白色がやけに目につく。ころもがえ、おろしたてみたいな青い白や、あせばんだうなじの学生。来る暑さに女の子たちは胸元や腿をあるだけさらけ出すから、肌色が急に増えるのもこの季節。
緑 ....
あまおとに そらにむらがる あまおとに たましいを忘れ たましいを忘れ

はねかえり つらなる円を 欲すれど あるのは怠惰な 水溜まりのみ

ひとことに ふとしたしぐさに まなざしに 弱い ....
世界さいごの日


こどもたちが手をつないでうたっている

あぶらまみれの海に清い輪がかかる

「いってらっしゃい」「さようなら」

ひとびとはオルゴールの粒になる

こども ....
うみにいったら
なつかしいにおいがした

血と肉がまじった
たぶんこれは
おなかのなかでかいだ
におい
とじられたみじかな睫にさす寝息晩春をひきとめている夜

やわらかな毛布と肌の中間にうすくかく汗で季節をしる

曇天も蝶々もみな教えられることなく去り際にゆく
愛してると言っても
形にはならない

ただ愛しい時間は降り積もって
吸い殻のように名残を残す

ちいさな風に
吹き飛んでしまうとしても
モモ、
去るなら
痕跡を置いていかないで

モモ、
居るなら
私のことをかんがえて

モモ、モモ

モモ、
許して
忘れるのがこわい

モモ、
許して
忘れられない ....
踊れないのは だれのせい
腐ったあしと 脳みそと
20の指を もうすこし
じょうずに使ってみなさいよ

踊れないのは だれのせい
迎えにこない ママと彼
そんなのぜんぶ 捨てちゃって ....
どこにでも 君のあとが のこるのに 僕たちの夜は どこにも もうない

蛍光灯にむらがるちょうのりんぷんをあつめて宙をとぼうとしている

青い夜 赤い欲求 白い汗 真っ黒い僕 透明な君
つつじから蜜を吸いとる口元が こぼれるようにあまく光った

胸もとはこぼれる花弁の花水木 火照る頬には蝶々が咲く

風が光れば花たちは咲き笑い きみが笑えば空が高まる

日ごと濃くなる ....
あいするのは
とても体力のいることですから
あいそうと
力まなくても
いいとおもいます

あいして
あいされなかったときに
それでもいいや

おもえる余裕が
自分にないうちは
 ....
いったいどうやって忘れたらいいだろう?
すべてはたしかにここにあったのに
いったいどうやって忘れたらいいだろう?

空白は暴力で
暴力は痛みだ
痛みは実体としてここにあり
ここにあるもの ....
頭を胸のなかにいれて
ただしい頭蓋骨のかたちをおぼえる
そのあいだじゅうあなたはずっと息をひそめていた

かるいからだを持ち上げて
ただしい体温のおもみをおぼえる
そのあいだじゅうあなたは ....
ゆっくりと
すべりおちる
一瞬に永遠をしのばせて

一滴の水分に
ふくまれたはずの生命をおもって

一杯のつめたい水をくれ
ぼくに
一杯の水をくれ
ぼくは疲れてしまったんだ。
きみ、ちょっと来てくれるかい?
ハロー、ハロー、きみにはぼくがみえる?

最後の弾丸できみをころしてしまうまえに、たくさんのキスをしてあげよう。
たとえ君が喜 ....
肌がふれても
体温はあがらない
わたしたちの関係が死んだのだ

しんじられないほどつめたい
死んだ関係とは
ひとの死体ほどつめたく重い
39番目の卵が死んで
40番目は私だった

女子高生の持つビニール袋には人間の頭部が入っている
老婆は呪文を探し続け
くたびれた神父は右手に4枚の生爪を持って
満員の最終列車は保育所に ....
泥になって
まもろう

あなたの
すこやかな睡眠と
思想を
まもろう

ひやりとあたたかく
まもろう

泥になったわたしには
思想もなく
身体もなく
ただそこにあるよう ....
光の輪を頭にひとつずつのせて こどもたちは 昨日をすこしずつ食べている ひとりひとりが 光の輪を頭にのせて

/

肌を投げ売るきせつのこども わたしたちは いつそこを出たのかしら 皮膚を ....
あたらしいアパートに引っ越すゆめ
知らされていないのにそれをしっている(ゆめだから)
じぶんの写真集を出すゆめ
つるつるの上等の紙で

起きたら
死がちかくにあった
それは安寧として ....
長い髪がどんなふうに垂れるのか その白い背を 思い描ける

椿にも桜も菊も石南花も 指先のあとがこゆく残る
モモこっちにおいで
おまえはとてもよわいから
ひとりではいきていけない
モモこっちにおいで
わたしはとてもつよいから
だれのたすけも必要でない
モモこっちにおいで
だからふたりでいよ ....
唄われなかった歌があり
語られなかった愛がある
繋がれなかった情があり
結ばれなかった花がある

それでも
呼ばれなかった名前はないだろ
そうだと言って
笑ってくれよ
こんなに
わかりあってるのに
どうして
かたちが必要なの?

こんなに
わかりあってること
おたがい
わかってないのかな?

「しるしなら
きもちを銀でかためて
くりぬこう ....
肌やきもちが敏感になって あしたにはきえてしまいそうな夜 うその花にも匂いがやどりすあしをみせるこまかい蝶々のむれ

うす皮をむくようなはだとうす皮をむくような思春期の目つき

曇天のむこうがわには陶酔とうすあおがともにめくばせてさく

さか ....
もう一緒には
いられないね

星が散って
結目解け
流れる空に
花が咲く

もう一緒には
いられないね

骨が腐って
空が落ち
 ....
夜が痙攣して朝を産む
吐息が凍って花びらにしがみつく
道路が疲弊して流れ去る
その永遠の一瞬に
愛している

完璧に混ざり合う水と油
緑の血の妊婦
指のないピアニスト
その不可能 ....
星が降ったら火傷して
まっ赤になって手を打った

いつも最初にうそついて
きらわれたって構わない

あきらめるのは
らくだった
自分のうえにもう星が
降らないことも
知っていて ....
やわらかい肌をひらくとき
心はきちんとあいていたか

うす皮をむくような目で
疑ってはいなかったか

「わたしはただ 花びらが変色するのがこわいです」
はるな(1728)
タイトル カテゴリ Point 日付
薔薇のこと[group]散文(批評 ...210/5/22 14:23
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ママ自由詩310/5/19 14:50
去り際[group]短歌010/5/19 7:31
愛しい携帯写真+ ...110/5/19 1:20
モモ自由詩010/5/17 1:53
踊れないのはだれのせい自由詩210/5/14 15:10
[group]短歌410/5/14 15:02
初夏、慕情[group]短歌710/5/13 1:36
あい自由詩210/5/13 1:01
いったいどうやって忘れたらいいだろう自由詩310/5/13 0:59
霞色自由詩210/5/13 0:58
水分携帯写真+ ...010/5/12 14:59
シュート自由詩010/5/10 0:45
つめたい自由詩210/5/10 0:32
39番目の卵自由詩110/5/10 0:16
自由詩210/5/7 6:57
晩春/初夏自由詩210/5/2 13:58
ゆめ自由詩310/4/23 6:41
未練[group]短歌210/4/22 15:08
モモこっちにおいで自由詩110/4/21 20:12
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[group]短歌210/4/9 2:08
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吐息自由詩310/4/2 23:28
星が降ったら自由詩310/4/2 17:16
花びら携帯写真+ ...210/3/30 23:43

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