広大なシーツの海にひとつの身 あたらしい日に寝返りをうつ

体温のいきどころ無くそれでいて冷えるばかりの指とつま先
たとえば
犬とか猫でもよかったけれど
いまわたしたちは
人間どうしだね

ちょうどおなじ加減で
人間どうしだね
わたしたち
似たものどうしで
ほんとなら
一緒になれたのにね

触れすぎたから
きづかなかった
わたしたち
同じものでできてるみたいに
似通ってた

好きなものをならべるゲー ....
あなたのことすきだったよ
死んでもいいとおもってた

でももうむかしのことです
思い出せないくらいに
はく息がしろいので
いきているのがよくわかる
ベランダ
コーヒーに
満月を浸したら
夜のあじがした
 うちのまわりに常習的にみかけるのら猫が2匹いたのだが、寒さがきびしくなってからは、そういえばとんと見かけない。どこかで冬を越しているのか、そもそものらではなく飼い猫だったのか、それとも寒さを越せ .... 夜と似た静寂をまちわびている 恋情の背にふる初雪よ


夢の続きをなぞるように傾いて空白のつめたさに日がさす


からからの空気のなかにいきものが 二人そろって息を殺して
                      ・・
 取りだした煙草が凍るようにつめたく、ここはここなのだということを思い知らされる。火を点ける少しの間にさえ手は凍え、全身を震わせて空を見上げた。
 ....
なめらかにすべり落ちる鳥は社会に対して鋭角をつくる
(感情).
いま足のわるい野良犬の背を撫でながらいびつな半円をえがいている
実験的ないくつもの文章が堆くつみあげられ
日常は腐敗して耕さ ....
(ベイビー、ベイビー、こっちへおいで)。
 柔らかい茶色をなでれば、いつだって安心して息ができた。

 ベイビーはあかるい毛色の頭のいい大型犬で、メイロさんがどこかからもらってきた。もう子い ....
むちむちと張った
蜜柑に爪をたてる

とたんに
一月がしぼんでいく

抱けない身体のように蜜柑がしおれ
果汁が精液のようにべたべたとまとわりつく
コンテンポラリー・アート、コミュニケーション・アートみたいなことが言われて久しいですけども、そのなかで、コミュニケーションこそがアートだ、みたいな動きが、当然大きくなってくるわけです。接しあうなか .... だいたい思ってることをみんな
言ってしまえば詩になるとおもってるとしたらばか

お正月には餅と煮しめと金一封
あと薄い画面に映像たれながしだあ
それでおめでたいとおもってるとしたらばか
 ....
あしの爪を剥がしながら
もくもくと呪文をつくっている

ぼくは
だれにも
うそをつきたくないんだ
もつれあう六度八分をもてあまし 外を見遣ればふりつもる雪 よぶ声のかなたに響くまなざしにあけゆく空の眩しさをみる


尖端の白きをつかみ撫でまわす手くびの技に鐘なり響く


空白をうめるが如く手を合わす かじかむ指にからむ願いを
うそをつくと、体が くっ と軽くなるから、抱かれたままうそはつけない。
ばれるから

しめった肌のかんじが すこしだけかわくとき
だから うそついてるんだな っとおもってたよ
はだかで  ....
わたしの森は
胃袋のおく

どんどん深く狭くなり

わたしがあなたを
たすけてあげよう

狭く深く森が腐る
腐る腐る
いくつもの気持ちが空のふちを彩って、あさ。
燃える気持ちも、冷えて凍る気持ちも。
空白も、郷愁も、憤りも、悲哀も、すべて携えて、あさ。
別れのように、あたらしい出会いのように。
両極も、矛 ....
久しぶりに恋愛をした男の子は年下で、シャネルの匂いがした。
しっかりした肉におおわれた太い骨。
しりあってから十五日めに触れて、
触れてから六日間はなれなかった。

夜中に逢い、朝がたま ....
ため息をつくくらいの間だとおもう
突然で唐突で、空気でできた蜘蛛みたいだ
わたし自身が幸福でいるためには、空腹の子どもを追い出さなくてはならないかもしれない。
みちたりることと、幸福でいる ....
一年まえとおなじように、さるすべりの木がアパートのしろい壁に影を落とす。葉のおちた、やせた、冬のさるすべり。
はれて、あたたかい夕方は清潔なにおいがする。角のスーパーマーケットのほうから、圧倒的 ....
かわいた雨がはりついて
ふるいノートは空のまま
そろえた靴をふみつけて
はだしの猫がおどるよる
ならんだ星のまんなかで
ちいさな夢がもえつきる
あなたがわたしのようにできていないように
わたしもあなたのようにはできていない

ひとは、物事は、それがあるべきではないようにはできていない

押しつけあおう、殺しあおう、壊しあい、奪 ....
花が割れるおとを知っているだろうか。
わたしのよく知っているのは、凍った薔薇が割れるおとだ。
虫の羽の振動のようにか細く、澄んだ一瞬の音。

音に執着した時期があった。色やにおいやかたちに ....
誰かを傷つける誠実さと、自分を護る狡猾さなら、いったいどちらが罪だろう
わたしたちは
皆で手を繋いでいることができない
綻び、繕い、
それを誰かが押し拡げ、
ちがう誰かが埋め立てる
 ....
冷えてうまれゆく朝を
一人でみていた
生ぬるい夜を
壊される秋を
一人で

かなしみは
受け止めることも
受け流すことも
包み込むことも
捨て去ることもできない
そのかなしみ ....
電車に乗っている。

夜の仕事を終えて、それはいわゆる飲み屋の女なのだけど、電車に乗っている。酩酊の手前で。
飲み屋には、いろいろな男のひとがくる。それをいろいろな女のひとが待っている。男の ....
わたしをみないで
うつさないで
おもわないで
わたしをみないで
みないまま
愛して
額を星型にくりぬいて
そういう風に生きていこうとしたのだ
垂直に突き立った時間を
半分で折り畳んだのも
注がれた水を飲まずに捨てたのも

それでも、あまり深刻になる必要はない ....
はるな(1880)
タイトル カテゴリ Point 日付
一人[group]短歌011/1/27 5:01
自由詩211/1/27 4:51
ラブレター自由詩011/1/25 7:32
むかし自由詩311/1/25 7:21
ベランダ自由詩411/1/21 19:02
猫のこと[group]散文(批評 ...111/1/16 1:14
まちわびて[group]短歌211/1/16 0:50
散文(批評 ...011/1/9 17:34
35℃の身体自由詩111/1/8 22:22
散文(批評 ...111/1/7 17:20
蜜柑自由詩111/1/4 1:18
ディスコミュニケーションに関する考察散文(批評 ...111/1/3 22:45
ばか自由詩211/1/3 0:15
しびれた手と足で描く半円、いびつな夜もよう自由詩111/1/2 23:39
[group]短歌111/1/2 2:46
初詣[group]短歌211/1/2 2:40
アンテナ自由詩210/12/30 2:54
自由詩210/12/30 2:53
あさ自由詩310/12/16 6:27
終わる恋自由詩310/12/14 12:12
空腹の蜘蛛自由詩110/12/12 0:10
さるすべりの影散文(批評 ...110/12/9 16:07
自由詩310/12/2 18:42
そういうふうにはできていない自由詩110/11/30 5:56
音のこと[group]散文(批評 ...110/11/28 16:41
あさいゆるし自由詩110/11/26 7:55
一人でみていた自由詩410/11/18 4:42
酩酊()散文(批評 ...0+10/11/17 6:04
みないで自由詩310/11/17 5:55
晴れ自由詩210/11/12 13:07

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