彼女とは窓際でしりあった。
気づいたときには(とわたしには思える)、なんとなく連帯感のようなものを持っていた。友人と呼ぶには頼りなく、知り合いと呼ぶには強すぎる。連帯感。

彼女は同級生の多 ....
ゆうだちに窓にはりつく蛾を迎え

てっぺんをあかるく染める夏至の月

梅の実と氷砂糖がからと鳴る

紫蘇の葉に赤く染まるる指の香よ

梅雨寒の肌と肌とで温みあい

蛇の子の細くすず ....
いくつかのいろをならべてかきまわし 何も塗らずに雨をながめる

ためらいを 固めたような白い空 てるてる坊主を逆さに吊す

はげしさもやさしさもせつなさもなく とまどう甘さばかりが目につく ....
あなたがいま
涙して崇拝する「真実」が
あるひとにとっては
毎朝やってくる避けがたい「現実」で
またあるひとにとっては
真実であり現実であるところの「絶望」であるが
その絶望に「実」は ....
六年半続いた喫煙の習慣を、いったん中止して、二週間め。やはりというか、さっそく体重は1000グラムふえた。

喫煙は、最初から違和感がなかった。むせて苦しいこともなかったし、匂いに顔しかめるこ ....
やわらかな寝息の燈る喉元に 肌近づけて我が息舫う

臍の緒のかすかな匂いと乾く色 掌のうえで吹き飛びそうな

汗ばんだ額に張り付く細い毛は 彼が残した最期の祝福
ああ
くらやみにともる
しろい手よ

たいまつの
ひかりのようだ
切なさをあつめてひらく夏椿

青梅の香りにも似て初恋は

後悔と勿忘草の淡い色

酢漿草の種が弾けて夕暮れる

赤色を零してなお紅ばらの花

寂しさの数だけ蒼く紫陽花が

 ....
曇天を 背にしてみている つめたい戸

後ろ手に 鍵盤鳴らす 午後の2時

なめらかな 白い手にさす 慾と情

氷水 とけきるまえに 果てる夢

汗ばんで 覚えた匂い 青畳

 ....
かれは探しにいくといった
ドアーには i can(\'t) back とはってある
わたしはjust 理解する
トースターで下着をこんがり焼いて
たぶんかれは見つけられない
想像する、  ....
雨の日はお弔いをする
恋のような後悔のような
小さなもののお弔いをする
かぜのつよい日に
まどを開け放して
ねそべっている

ちいさな
こどもたちは
光の輪を抱いて
右から左から
上へ下へと
舞い上がっている

雨は
そのうち降るだろう
月が ....
空が高い日は、鼓動がおちついている気がする。雨のふる日は、だからきもちが落ち着かないのかというと、それはそうでもなく、落ち着かないというよりは、鼓動をきれいに落としてしまっているから、からだは空き .... あたらしいかばんの中に
あたらしい男の子

あたらしい男の子の手で
あたらしいわたしになる

わたしの泉はあふれ出る
窓の向こうには雨が降る

あたらしい一日の手前で
あたらし ....
水面でしか
星を知らず
星に抱かれるように
しんでいった
空を知らぬまま
星を見るのは
幸か不幸か
ただ何も
うつらない
空と水を知るよりかは
くうかんに
ねじをさしこんで
時間を保っている
ひとびとが
無意識にしている
プラスチック製造工場みたいな
くうかん
これは
いくつもつぎをあてられて
ねじをうちこ ....
からだのそとがわに
うすいまくがはっている

からだのそとがわに張ったうすいまくを含めて
わたしをわたしだとおもっているのでしょうが
わたしは
あなたがたがおもっているよりも
ほんの ....
明け方の眠りにちかい藍色に 背中をむけて何度もふれあう 愛情は肉のかたまりのようです
二十をこえても十の少女のようだった脚を
愛情はたやすく女のそれに変えてしまった
胸にも腰にも腕にも愛情は柔らかく実って
腕のすき間から零れるような身体ではない
 ....
柿ノ木がすきだと言って 柿ノ木に なってしまったあの娘を想う 恋人の誕生日のまえの晩に、お洒落をしてごはんをたべに行った。
食前酒のあまい香りと、白くなめらかなテーブルクロス、糊のきいた従業員の制服、はきなれないヒールの踵をこっそり外すわたし。
鮭に生ク ....
そらがたかくて
胸がやぶけそうだから
あおぞらをひとつかみ
胸ポケットにあげるね

ほら
いきができるだろ
サイダーは陽射しで
わたしはまなざしに
溶けてからんと音がなる

はずかしいくらいに慾をむきだしにして
蝶々が卵をうみつける
濃い影が床を一周するあいだに
わたしたちは手をつなぐ
 ....
乳房まである、黒い髪の毛をもっている。
それはときどき褒められるけれども、なぜだろう、なんだか嘘をついているような心持になる。
爪のかたちを褒められたり、顔の造形や、筋肉のぐあいを良い風に言わ ....
はだざむい夜は 皮膚をつないで朝をまつ
雨のふる午後は 髪をぬらして屋根に走る
わたしたちは すでに 与えられている

赤く灯る 血のような夕に

ほらみてごらん
一直線に祈りが走る ....
藍をぬぐしろはあさを見 みぶるいし夜は反転しぬるいねむりがふる

薄蒼い窓いちまい向こう側にはじまる新しいきょうに馴染めず
よるにふあんがとかされている
椅子のかげ カーテンのうら 天井のすみ 流し台のした クロークの扉 絨毯の毛のなか
ふあんが少しずつ まんべんなく とかされている
しめった寝息 ざらついた黒 空っぽの皿 ....
たゆたゆと零れおちゆく蒼いとき つめに絡ませ朝をむかえる

すべりおちのたうちまわる欲情を 涙のようにみちびく指さき

肌を知りささやきを知り朝を知り 自分の皮膚の分厚さを知る
冬と春が
「もうさすがにいきますね」

手をつないで別れを告げにきたので
ああそういうことかと合点して
餞別にと毛布を渡した

それがおとといの晩

その夜が明けるころから雨が ....
明け方四時から朝の六時ころにかけて枕に頬をつけ、真昼の十二時ころに目を覚ます。ところがどうかすると、四時から、五時、六時、するすると九時頃まで眠れないことが週にいちど程。そういうとき眠ってはいけな ....
はるな(1730)
タイトル カテゴリ Point 日付
窓際散文(批評 ...110/7/1 3:34
俳句2+10/6/30 1:43
逡巡[group]短歌210/6/26 14:24
朝食自由詩210/6/26 9:03
喫煙のこと[group]散文(批評 ...310/6/22 1:03
息子[group]短歌1+10/6/20 15:44
自由詩110/6/20 15:28
窓の外俳句310/6/19 18:14
かさね川柳2+10/6/17 18:54
RELAX自由詩110/6/17 15:13
自由詩110/6/16 2:36
自由詩310/6/16 0:47
雨のこと[group]散文(批評 ...410/6/14 2:36
あたらしいかばん自由詩410/6/14 2:16
星を抱く自由詩010/6/11 14:26
ねじ自由詩110/6/11 14:26
防具自由詩510/6/10 14:47
行為[group]短歌110/6/10 14:40
過去を抱く自由詩210/6/9 0:28
柿ノ木[group]短歌210/6/8 14:54
誕生日のこと[group]散文(批評 ...110/6/7 23:55
あおぞら携帯写真+ ...210/6/4 1:27
まなざし自由詩310/6/3 22:38
髪のこと[group]散文(批評 ...310/6/3 12:04
ボート自由詩210/6/2 1:34
朝方の眠り[group]短歌110/5/30 17:04
輪郭携帯写真+ ...210/5/27 2:04
少女と少年[group]短歌610/5/26 2:54
ワイン自由詩210/5/26 2:27
朝のこと[group]散文(批評 ...410/5/25 18:46

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