東京駅で(またもや)ぶつかりクソじじいにぶつかられて有楽町の駅まで吹っ飛んばされてる間にわたしの頭のなかに浮かんだのは(いまだに詩なんて書いてるからだよ)それから(有楽町でぶつかられたことはないな ....
おもいでを忘れるために生きている
淋しい でももう 成す術も無い
体じゅう咲いて咲いて忘れていく
淋しい でももう すぐ忘れていく
きったねぇ街だな、と、ふるちゃんはこの街のことを言う。そのくせ60年近くもずっとここに住んで、花を活けている。(途中、阿佐ヶ谷だの芦屋だのニューヨークだのに行ったらしい、そのどこでも花を活けていた ....
きみが泣くなら
わるいのは世界だよ
撫でてあげる
でもきみは来ない
涙だらけで走っていく
世界がみるみるうちに濡れてひかっていく
話していて、それは子宮のなかだと気づいた。天井も壁も床も布張りの、ふかふかに熱い布だらけの狭い部屋、いつもはなかなか入れない部屋のそのまた先にある、小さな扉の奥にある部屋、特別な木のなかに入るよう ....
わたしは、この世界のことがあんまりすきじゃなかった。(美しいと思ってはいたけど)。それだし、世界のほうもわたしのことあんまり好きじゃないだろうなって気がしてた。こちらを向いてくれないし、照らしてくれな ....
きみの歩いたところが波打ちぎわになる
愛している
と言ったところで
流されていく
だから何度でも言える
よろこびも、憎しみも
塩辛く濡れて消えて行ってしまう
喜びをはこぶ梔子の白さよ
朽ちていく程濃くなる香り
ダリアダリア気まぐれな愛をねだれば咲かないダリア愛してる
その間際 巻きつく先は甘い束縛
鉄線が咲き、散り、また咲き
紫陽 ....
ベビー・熱い・ナッツ・ケーキ
世界に絶えず注がれる言葉
これがつまり愛だとして(あるいは愛でなかったとして)
一体何が変わるだろう?
保健室・子宮・明かるい部屋、
こまかい穴の底にあ ....
行ったり来たりする。診察室(2番)、医者は、清潔そうな上着をきて、どうですか、という。カウンセリングではうまく話せていますか?はい、いいえ、どうだろう、大丈夫だと思います。でも眠れません、強張って ....
蜜でびしょびしょのパンケーキ。
明るい白いお皿。
切り分けられる直前の幸福。
あなたの精神には美しい余白があって、
私たちはよくそこで落ち合った。
夕暮れどき、影になっていく街を ....
私の
描かれた
無尽蔵の紐
束ねられ
仕分けられ
舫われた
やがて溶けゆく砂糖粒
滑稽な意味の羅列など
この絵を踏んでゆけ、と命じる
無責任な人々の手を汚して眠る
....
日々洪水
あれから何度も間違えて
わたしは今も渇いています
年をとることはそんなに恐ろしくない。死ぬこともたぶん今は。生きていくことそのものはとてもこわい。この線のどこがねじれているんだろう、なぞっていくと、なめらかな一本であるのに、と思いながら味噌を溶い ....
言葉を超えようとして何もいえない
愛は確かなのにみうごきもできない
長く甘い雨が降ったあとで
きみのまぶたが光っている
増えた猫が舞っている
のかと思いきや
枕の優しいくぼみだ ....
うさぎの肉をもらう。シチューにするといいよと言われたが、捌けないので吊るして飾っておく。短い夢のようにして。芍薬、カンパニュラ、心臓、利休草、スターチス、思想。の順に、並べておいてね。と命じられ、まる ....
窓際に 答えが 貼ってあった
コーヒーを飲み ビールを飲み ウイスキーを飲み
夜が来て 朝が枯れ またべつの夜が降りてきた
雨で濡れた道路が乾き あたらしい線が引かれた
見ようともしな ....
スプレーばら、ひまわり、とるこききょうとガーベラで大きな花束を作った。それにあわせて百合やアルストロメリアを足したアレンジメントも。体が半分かくれるくらい大きな花束。作ったら足元に水をあたえて、こ ....
花の名前を調べてる。恋をしたから
髪を梳いてる。恋をしたから
光を見つけて連れて帰る 恋をしたから
くだらない言葉を愛しはじめる 恋をしたから
花が枯れたら泣いて悲しむ、恋をしたから。
....
逆剥ける体の傍に花水木
あなたのことは忘れてあげる
温い土 簡単な嘘 五月雨に
思い出すのはあなたの背中
蚕豆の鞘を引きつつ夕暮れる
あるかなきかの痛みが煮える
あたらしい皮膚に着替えて金曜日
胸ポケットにきれはしの恋
痛いのは気のせいですよと君が言う
だけどあなたも血だらけですよ
この夢はここでおわりと書いてある
字が読めないから先へ進 ....
ときどき乖離する。それが何によって引き起こされるのかわからない。
このあいだはっと気が付いたときわたしが持っていたのは、膝のよこのかすり傷と、きらきら光る星形のシール、くまの形のグミ二袋、ド ....
朝に夜に外す鎖のつめたさに
はっと手をとめてめくれば五月
濡れてなお水を欲しがる忍冬
色を変えれば音もなく散り
削れた指を頬にあて
新しい水を吸うときに
意識ははりがねのように細く強張って
あー犬や猫や魚
象やいたちやカメレオン
うまれたての山羊や栄螺やひぐま・・・
ペンギンや、にわとりみたいに ....
はっきりと覚えていることがある。
むすめを連れてはじめて産院をでたとき、すこし肌寒かったこと。うちについたら宝籤が神妙な面持ちで尻尾をおろして出迎えたくれたこと。毎年見事に咲くモッコウバラが、もうほ ....
風の日の(長い改行)花筏
喧噪 人混み 遠くなる明日
もう二度と、(もう二度とともう二度二度ともと二度ともう)思い出さない
私はあなたに
泥のような愛を浴びせ続けている
いまも それでも
ものともせず 輝いて
あなたが 愛を
ものともせず
立ってもいない
泳いでもいない
ふらふらと揺蕩っている
....
きょう、「のんでもいい」ぶんのお酒をのんでしまったら、お湯を一杯のんで、そしてまた「のまなきゃいけない」ぶんの薬を飲む。わたしは一生のうち、するべきぶんの恋をやり気ってしまっていると思う。思うのに ....
自由詩のお墓参り(10年ぶりの)、
黄色い花を想像しながら。
そこに何を見ましたか?
水仙、菜花、ミモザたち。
爪にもピアスをした、
耳にも、めにも、内側にも。
だから自由詩にも穴をあ ....
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