わたしたちは湖のほとりに住んだ、
白い壁の賑やかな寮に住んだ、
壁は雨が降るたびによごれたので、
日曜がくるとわたしたちは、
大騒ぎしてよごれを湖水で洗い流した。

湖のむこうには、
冠 ....
 その日はクリスマス・イヴだったので残業がなかった。イヴをひとりで過ごさなくてはいけない彼は残業をしたいと上司に申し出たが、上司は笑って言うのだった。
「なあ、君、折角のクリスマスなんだから帰れよ ....
『11人いる!』(1975)の続編は、『東の地平・西の永遠』(1976)だということになっている。登場人物は同じだし、話は続いてるし、まあ間違いなく続編ではある。ではある。ではある。ではあるけどな、あ .... 「論」っつーのはめんどうくさい。おいらいろいろ調べて書くんだぞ、詩人のことも調べるしさ、萩尾望都論書くにしても年代を追って並べてみたり比較したり変化をたどったり変化しないで繰り返しあらわれるものをたど .... (去年の夏頃書いたやつ)

このあたりには工場が多くて、仕事自体は割とたくさんある。ただし、選ばなければ、の話。それでも仕事があるのはありがたい、というのも、キツイ仕事の工場で出逢う女の子たちは、 ....
空に高く浮かぶ月は
ほんのわずかな青みも持たず
灰色の海に浮かぶ薄片は
カンディンスキーの白より白い

ばらいろの雲は
みずいろの恋は
にじいろの夢は
みんな絵本に封じられて

し ....
まだ終わりはしないのだと
つぐみが歌うので
それで私はかなしくて
モッキンバードを撃ち殺す

あかるいのに
こんなにも世界はあかるいのに
どうして誰も気づかないのか
光だらけでまぶしく ....
1.プシュウ

プシュウと言った
聞き間違いではない
意味などわからないが
それは妻の口癖だったし
最近では
それしか口にしないほどだったから
それ自体は不思議でなかった
ただ目の色 ....
というタイトルからダーナ・ドンブンブンを思い出す人はいても、『アトムの子ら』を連想してくれる人はほとんどいないだろうなあ、でもってこの「アトム」が鉄腕アトムではなく原子という意味のアトムで、『アトムの .... 書く書くと言って書けていないマンガ論(たぶん主に萩尾望都論)を書こう書こうと思っているんだけど、書けない(くどい文章だね)。本屋に注文したままほっぽらかしてある萩尾望都の最新作『バルバラ異界』を、せめ .... (携帯電話を作っていたころの文章です。今は掃除用パッド作ってます)

そんなにこんがらがってるわけではない。話は意外にシンプルだ。私はいま、要するに、ひたすら、経済的余裕がない。簡単な悩みだろう( ....
愛しいと書いてかなしいと読む、と
知ったのは十三の年だ、

なんでそんなこと知ったのか覚えているけど
もう忘れておこうとおもう。
むかしばなしだから。

春からこっち一度もカットしていな ....
ものすごく悲しいのだが理由がない。
誰か死んだような気がする、
いやバカバカしい、
いまこの瞬間誰かが死んでいるのは当たり前の事実だ。

理由がない、理由がない、理由を探す、
たとえば君に ....
1.

青みはじめた空気のなかに
屋上がある

どごおんどごおん と
風が啼いていた
それは歌でも言葉でもなかったけど
確かに何かがわたしを呼んでいた

太股にナイフをあてる
出 ....
詩評がつらい……詩を書くのもつらい……書く自信、皆無なり。文章の書き方忘れた(笑。つらくて腹こわした。下痢ぴーである。すーぐストレスで下痢しちまうんだ、私は。とはいえ嘆いていてもしかたないんで、慣らし .... 水色のものしか口にしては駄目よ と
お姉さまは仰有いました
緑ではいけませんの と訊ねますと
緑は駄目 薄紫なら構いません と
お姉さまはお笑いになりました

わたくしは紫色のキ ....
卵鞘を尻にぶらさげて
わたくしは台所をうろうろしている
交尾した記憶はないので
卵鞘に包まれた卵は無精卵だとおもうのだが
卵鞘の内部からは
なにやら声がきこえるのであった

ああそういえ ....
請ふ恋ふと鳴く鳥あはれあはれなれば抱きしむべし夜に勃つ人よ

我になき器官妬まし怒張せしものに歯を立て君を見上ぐる

我ならぬ生物の一部飲み込むる我は一本の管なりけるか

快楽に耐えて噛 ....
涙するのなら涙をなめてあげましょうか
頭にきてるのなら話をききましょうか
それじゃ足りないと言うのなら
錠剤をひとつぶいかが?

私は知っているのよ
あなたが夜中にこっそり泣いているのをね ....
どうやら今は十一月らしいが
ここは真夏
窓の桟は火傷しそうに熱いし
汗がだらだら落ちてくる

どうしてこんなことになったのかわからない
四肢が莫迦に大きくなって
部屋いっぱい ....
女王は生き血の風呂から手を伸ばし
君の頬をなでまわした
君は少しうろたえて後ずさり
そこここに跳ね散った血液の飛沫に
足を滑らせた

べっとりと頬を濡らす血を
拳で拭いながら
君は家出 ....
(2003年3月に個人的な場所に書いた文章であり、現在のフォーラムの状況について述べたものではない。つまり私はいつもこんなことを考えている。または、少なくとも昨年春からこんなことを考えていた)

 ....
二次会に行く同僚にさよならを言って
いつもの店に入る
カウンターに坐る
カウンターには
少しくたびれたフラワーアレンジメント
アルストロメリアだけはまだ綺麗

キープしてあった焼酎を出し ....
おえべっさんの縁日には、
なんでもいいから、
ちゃんと尾っぽと頭のある魚をそなえるンだよ。
シラスでもいいかって?
シラスじゃあんまりだ。
せめてジンダァくらいにしとけ。

猫マタギっち ....
部屋の鍵なら 捨てちまったわ
待てと言われて 持つような
そんな女に なりたくて
あなたに惚れた わけじゃない

 もうしおれたわ さつきの花は
 それでも香る さつきの風に
 心放つわ ....
私の髪は
とかく荒っぽすぎる
寝癖を通り越してはねまわる
渦巻く
からまる
もつれる
おまけに白髪が混じる
二十歳前からそうだったが
問題なのはこの白髪で
黒髪よりも荒っぽくひねくれ ....
ほら今日もラインは元気に流れてくる
あなたよりあたしより元気に
たぶんこの工場の中でダントツ元気に

あたしは箱を広げる
あたしは箱に折り目をつける
あたしは箱を組み立てる
あたしは箱に ....
翼がほしいって
貴方は言う

力強い翼があれば
広い広い空を自由に羽ばたいてゆくだろう
そしてどこまでもゆくだろう
見たことのない大陸の
想像したこともない遠い空へ

それを聞きなが ....
これからはじまる暮らしを あなたに
数え切れない思い出を あなたから
繰り返す毎日なんて
きれいごとじゃないけど
疲れた夜はお酒をのんで
ささやかな夢を語り明かして
目覚めたら窓を開けて
 ....
曇ったガラス窓のむこう
泳いでくるのが金魚なら

雨が降りそうで降らない
薄墨色の空が割れたなら

いつも言い損ねるさよなら
君にはすっと伝えておこう
佐々宝砂(929)
タイトル カテゴリ Point 日付
湖畔自由詩2*04/12/7 0:13
時計の中のこびとたち散文(批評 ...1*04/12/6 23:45
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無彩色のソネット自由詩204/12/2 21:47
アカルサはホロビのソネット自由詩004/12/2 21:46
プシュウ[group]自由詩304/12/2 21:38
萩尾望都私論その3 ダーナの子ら[group]散文(批評 ...304/12/2 18:06
萩尾望都私論その2 選択しないフロル[group]散文(批評 ...3*04/12/1 17:07
去年の駄文1 携帯電話と袋小路散文(批評 ...804/11/30 17:09
からまる2自由詩104/11/29 23:11
からまる自由詩104/11/29 22:47
ピュグマリオン[group]自由詩3*04/11/28 21:20
萩尾望都私論その1 まえあがき[group]散文(批評 ...1004/11/28 20:50
水色の贄[group]自由詩604/11/28 1:06
卵鞘のゆめ自由詩3*04/11/27 0:39
Adam's Apple[group]短歌304/11/27 0:36
かなしみは知らない自由詩104/11/26 19:40
開幕寸前自由詩004/11/26 19:38
女王は生き血の風呂から手を伸ばし[group]自由詩404/11/24 21:15
嘆きつつも建設的に。ね。散文(批評 ...504/11/22 22:17
しあわせなひとたち自由詩204/11/22 16:47
空の青、海の青[group]自由詩3+04/11/22 16:22
さよならさつき自由詩304/11/22 16:05
私の髪は…自由詩404/11/21 3:13
あなたは笑うか?[group]自由詩5*04/11/21 3:11
自由について[group]自由詩204/11/21 3:08
目覚めたら窓をあけて自由詩204/11/21 3:06
私は今日も機嫌が悪い自由詩204/11/21 1:37

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