固く握りしめた
拳をぶつけあうような
ギラギラした発芽だった
街をなぎ倒すような
雨が降り続く深夜
裏口からもぐりこんだ
潰れた小さなブティックのフィッティング・ルームで
言 ....
デリバリー・ピザのスクーターがどうしようもないエンジン音を響かせて街路を乱暴に駆け抜けるとき
君は安物のアルコールの酔いに侵され遅れた右足にイラついてい ....
縛られた記憶は
身体を自由にはしない
冷たい床の感触
フローリングの無機質
そばには蛙がいた
本当には居ない、小さな雨蛙
君は自由だ、とそいつは言った
「君は自由なんだ」
俺は ....
分裂を繰り返し損ねて畸形でくたばりかけた細胞がどうしようもない呪詛を吐きながら加重する真夜中の少し前、廊下に落とした昨日の、未消化のフレーズたち、ぶくぶくと粘度の高い泡を吐き出 ....
疲れの果てにあるはずの
深い眠りが閉ざされた
暗闇で放し飼いの、潜在的な――脅威
カーテンの向こう、いくつもの外壁を反射してくる性急な車のライトが、まるで
取り返しのつ ....
懐かしい雨の音がする、俺はとっくに不具合で、伸ばした指先は必ず何処にも触れられないでいるというていたらく、唾液を呑み込むことにすら痛みが走る、故障だ、故障だ、すべて ....
とおくの海岸線を見つめた
とおくの海岸線には
数え切れないほどのひかりがあって
まるで
とおい海の上に
もうひとつの
ひかりの海があるみたいで
きみは
そのまんなかで
あ ....
俺が何を考えているかなんて誰もが知ってる
どんな本を流し読みして、どんなサイトにアクセスしてるか
どんな飯を食って、どんな茶を飲んでるか
愛想笑いの陰で何を考えているかなんてみんな知 ....
擦り切れたのはお前の身体かい?
ガーデンチェアに腰を下ろして
さりげなく窺う悪しきもの
あいつの目線からは下水道の臭いがする
腐臭じゃない、脳内で渦巻く…たくらみがどうしようもなく ....
湿気た
非常に湿気た
暗い
地下室の夜に
海底の死体の
くぐもった声が聞こえる
最後に沈んだ船の
偽のいかりに阻まれて
どれだけ腐っても
膨れても
浮上出来ず
深海魚の好 ....
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った男が綱渡りをしている
彼の目は落ち窪みもはや世界を見るための確かな光はそこには無い
生まれてから40年近く繰り返してきた言葉 ....
つ、たん、とわずかなタップダンス、軒先を転がるようなリズムがして
時のながれをひとあしおいこして行く
あのひとは、いまごろ猫だろう、思いのほか自由な四肢で世界を掻い ....
退屈に過ぎる日
空は暗く
降るか晴れるか
まだ
決めかねている
約40キロで
狭い道路を抜ける
エンジンの歌の反復
頁をめくったけど、次にはいけなかった ....
音楽を聴いているうちに眠った、PCの中の
ただの信号に変換された音楽
信号のままで感じるみたいに、流して
平静のために
なにもかも閉じられた部屋
夏の初めの勢いに
....
俺はなしくずしだ、運命よ俺の髪の先を噛め、俺の髪の先にお前の刻印を残せ
俺はなしくずしだ、溝に鼻先を突っ込んで汚れた水を飲む
俺はなしくずしだ、どれほどさまざまな手口を試みてみても何か ....
どこかのアパルトメントの
窓から下手な鼻歌
握り潰されたマルボロの空箱が甲虫のように転がる
排水溝からささやかなモルツの香り、だけどそれは
はなはだ飲みすぎた誰かの
....
苦し紛れに吐き捨てた言葉の中には見るもおぞましいいびつな感情が梱包されていてそれは解かれる必要すらないほどに歪んでいて情けなくそしてあきらかにそうというほどではないのだけれど決 ....
篠田美優
「新しいスタート」
我らがミユタンの久しぶりのニュー・シングルは、
なんと彼女自身が作詞を手掛けている。
近頃では声優での活躍が目立っていた彼女だが、 ....
殺人事件のあった部屋で
終始悲鳴をあげている誰か
飲み込まなくてよかった何か
気にとめないでよかった在りか
眼のかすみだと思い込んで
そこに居た影を忘れた
たちくら ....
仕方がないんだとおまえは言う
ほんとは
そう言ってほしかったんだろ
途中下車、することの恥ずかしさ
おまえが
一番叫んでいたもの
情熱を熱いものだと信じて疑わないお ....
朝露の反射が前頭葉を貫いた
古い文字盤が12時間前から
崩れ落ちてリビングの雪になる月曜日
イエスタデイズ・ペーパーのまだ疲れていない端で
世話焼きな精霊どもが次々と指を損ねる
....
それに名前をつけるほど俺は暇じゃない、そんなものは勝手口から外に放り出してなかったことにしてしまえよ、そんなもののことをいつまで気にしているんだ、トウヘンボクめ
気にしなくちゃいけないも ....
青白い空に僕が飛ぶ
青白い空に僕が飛ぶのだ
明け方の淡い夢の様に
暮れ方のカゲロウの羽ばたきみたいに
青白い空に
青白い空に
息をし始めてからこ ....
何かが転げ落ちて紛失
俺の
向こう側の感覚、鮮やかに喪失
失われた概念的な胎内そのがらんどうに
途方もなく哀しい灰色の風が吹く
灰色の風がどこか
忌々しい地域から巻き上 ....
気分としては、まあ
このまま眠ってもたぶんぐっすりと眠ることは出来るのだろうけど
いまこのひととき、二分後には忘れそうなちくちくを
どうにも無視することが出来なくて
....
それでも僕が君の手をとるのはきれいな気持ちでもなんでもなく
ただそこに君がいて欲しいからで、つまり
理由がどうのって話じゃないただの僕のエゴというわけなんだ
僕らはときどき流行のドラマを信じ ....
週末で退屈だから
とある国の話でもしようか
そこはわりかし自由な国で
入口はいつでも開かれている
入国拒否なんかめったにない、もんだから
とにかく誰かを捕まえてインネンつ ....
どこへ行くこともなくその空で遊んでいたきみ、クリーム色の雲がまだ少し寒い季節を足早に過ぎていく、そんなエターニティ
綴った手紙の文句は何度もリテイクされた挙句 ....
足元の砂のことは気にしないで、ゆっくりと時間をかけてここへ来て、まるでふたりのあいだにとてつもなく手強いドラゴンがいるみたいなシチュエーションで、この短い距離をあたたかな緊張で満たして欲しい、時刻 ....
遠雷の様な耳鳴りを含ませた渦巻き管があらゆる配列を狂わせる
小鳥の死体がうずたかく積もった廃墟ホテルの階段の見てしまう美
壊れたものはなんだった、コードの切れた黒電話の受話器を耳に当てたら ....
ホロウ・シカエルボク
(1249)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
火傷
自由詩
4*
08/10/24 0:12
余計なものを連れてくるから
自由詩
0+*
08/10/21 23:15
幻覚の蛙
自由詩
0*
08/10/19 22:36
受胎告知
自由詩
3*
08/10/13 15:01
色の無い血溜まり
自由詩
2*
08/10/6 23:54
雨にさらされる光のない世界だけが
自由詩
3*
08/9/6 19:25
ひかりの海
自由詩
3*
08/8/31 20:31
俺が何を考えているかなんて誰もが知ってる
自由詩
2*
08/8/29 0:39
目線にいちいちイラついたりなんかしても
自由詩
3*
08/8/16 23:39
地下室の水死体
自由詩
2*
08/7/22 0:10
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った ...
自由詩
1*
08/6/18 23:34
猫の記憶
自由詩
4*
08/6/4 1:07
退屈に過ぎる日
自由詩
1*
08/5/31 1:41
音楽を聴いているうちに眠った
自由詩
0
08/5/25 23:54
なしくずし
自由詩
5*
08/5/21 21:48
潰れた酒屋の勝手口をノックしているハスキー・ボイスの若い女
自由詩
4*
08/5/18 22:30
形見という概念をどのへんに位置づけるか、それはあんたがたの自 ...
自由詩
1*
08/5/15 18:08
アイドル。
[group]
散文(批評 ...
5*
08/5/13 18:04
いまの名前
自由詩
2*
08/5/12 18:13
標本
自由詩
0*
08/5/9 22:22
徐行運転を続ける旧型のブルーバードの不安を煽るような排気ガス ...
自由詩
4*
08/5/1 22:39
それにそれはあっという間に思い出したというだけのものになって ...
自由詩
8*
08/4/22 1:27
青白い空(悟ったからって別に)
自由詩
2*
08/4/19 20:11
ブラッドなんて感覚を決め台詞にするのはよしなよ
自由詩
4*
08/4/16 21:47
みんなでいっしょにがらくただ
自由詩
0
08/4/14 0:20
それはとてもめずらしいかたちをしている
自由詩
1*
08/4/12 23:37
MC
自由詩
0
08/4/11 22:54
春の日、膿んだ傷みの反芻
自由詩
1*
08/4/9 22:14
けれどももしかしたら砂浜のことを忘れているのかもしれない
自由詩
1*
08/4/7 23:01
二度と羽ばたけない羽なら捨てることもまた飛ぶことだ
自由詩
3*
08/4/1 23:18
20
21
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