しらないと言ったそばからうそになる 知りたくないのだ 正しく言うなら
こわいのは戸棚の奥の砂糖壺 ざらめのついた世界はきれい
ここからはからだを脱いできてくださいね 心も脱いじゃう人も ....
よわすぎて愛でしかない 雨の日にきみが育てた青いポケモン
この世界の終電を乗りついでくようなどこか甘えた気持ち なんだか
ミニチュアの切り株をネコに盗まれて貝柱に座ったシルバニア
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タテタカコ
この空の下のどこかにいる誰か
たとえば歌手のタテタカコさん
液晶画面霞みゆく海抜3.5m
電池パックの発熱と海抜3.5m
春の雨
目つむりて聞きいる我を冷やかに
拒むごとくに春の雨降る
酒臭い罵声のついでに投げられた雑な励まし まあ聞いとくわ
戦友は ポケットのなかの愛読書 長く履いても疲れない靴
原色のファストフードに声援の記憶重ねるモーニングセット
....
啄木に寄す
湿りある煙草を咥えマッチ擦る
ヤニで汚れしじっと手を見る
火を慕う虫の習性同様に
赤ちょうちんの暖簾を潜る
紫の スミレの花に 染まってく 砂利の庭に 春の喜び
自由
自由と言うのは何か
軽やかに有刺鉄線超えゆく蝶よ
物語未満のグチを出しあって一緒に燃やすよく似た黒子
喪失缶 開けても耐える歳でなし 出会い缶とセットで出品
初対面 ブログの言葉もツイートも一度忘れて歩幅合わせる
....
屋根裏の秘密の部屋でふたりきり禁じられた遊びをしようか
動かないで君は僕のお人形着せ替え遊びをさあ始めよう
庭に咲く色とりどりの花よりも君の奥に咲く薔薇を見せてよ
妖精を小瓶の中に閉 ....
故郷に自然豊かな色がある大都会には不自然な色
朝が来て布団から出るその瞬間を勇気と勢い前面に出す
青空に吸い込まれたい今の僕携帯電話圏外になる
つい「寒い」その言葉を何度も言う「冬だ ....
王将を守れる駒に憧れるまずは歩兵を目指しリハビリ
福木
年を経ぬ福木によりて灰色の
記憶をたどる心さびしも
原宿の御文殊さんの縁日でニッキを買ったと日記には書く
小遣いも尽きそうになり見も知らぬ姉さんの売る情けを買った
海の子か山の子行きの分岐ですナビに問われて空の子と云う
突 ....
山
冬枯れの山のようなる心かな
雨しとしととさびしき夕べ
かなしさをかなしさと云う以外にはないかなしさをそっとしておいて
低い空 誰の祈りと哀れみが誰を殺すか 3月の雨
優しすぎ穏やかすぎてなにもかももって行かれてしまいそうだよ
イーストが具より記憶に残ってる四角いピザと飲みたい珈琲
....
産声は一番最初にゆるされた歌声ですね歌が好きです
近頃は夢でよく会うお父さん確かめられる確かめられてる
冬日向わが猫眠る回向院まぶたに浮かぶ干し草ベッド
夕暮れの道歩きつ ....
三歳のまなざしのまま覚えてるバケツとシャベルと砂場とシチュー
少女ならほしかったはずのあれもこれもなかったけれどあしたがあった
如月の終わりの頃の曇天は生まれる前の躊躇いのようで
....
すぐそこのスカイツリーの喧騒も届かぬままに町さびれゆく
冬至過ぎ確かに日日は順調か昔日の〈あたし〉が案じてる
はろばろと江戸まで届く歳月を生きながらえて町の道あり
偶然に ....
めくったら家族の本音書いてあるそういう本があったらいいな
青のしたの鉄のむきだしすべりだい ななめにういた赤錆の音
(なるほど)と(それもそうだね)と(なるほど)
(出していいよ)と(でもまだ待って)
いつまでも凍えてるわけにはいかないでし ....
冬晦日わが腸で燻ってる悔しさの種よいかわるいか
『潮騒』の一頁目でわが詩はひっくり返るほどの衝撃
日日を記し思い出の写真託してみるネットはとわじゃないとしっても
会えない ....
ハイフェッツをリピートかけて聴く夜の朝までの距離はあまりに近し
ハイフェッツのCDジャケット彼は手にわが子のようにバイオリンを抱く
背景があかいCDジャケットのハイフェッツはもうこ ....
スマートフォン持ってなくても部屋のなか指無し手袋三月未満
ほんとうは私が誰かわからない明日も昨日もみつけられない
深呼吸するといいよとアドバイス父ならくれたふと思い出す
....
手の込んだ料理手軽に作る時代電子レンジが時間短縮
頬染める夕暮れ時のオレンジ色思いで染める前向きな色
頑張れと心に響く天の声無理することを頑張るなと言う
擦れ違う昔何処かで逢った人あ ....
オバチャンの自称詩人にすり寄って飯と体にありつければグー
善人を気取った奴の弱点を突いて今夜も飯にありつく
開いたら痛いの痛いの飛んでいくそういう本があったらいいな
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