UMAがゆらりゆうらりと
こちらへ向かっている
新月がその姿を曖昧にする
心の中に抱いている
あんなことやこんなことを結びつけ
その姿を見ようと頭の中を巡らせた
心に浮かびあがる月とU ....
濁音のような夕暮れを見ながら思考の中に潜り込んだ、目を覆いたくなるようなおぞましい景色に眉をしかめながら最奥を目指す、そこにはまだ辿り着いたことが無い、人間の集中などでは到底辿り着けないところなの ....
真っ赤な毒で満たされた盃を
一息に飲み干した
人生の不遇も悲しみも
すべて人のせいにして
生きてきた贖いとして
置き去りにしてきた不義理の数々
あなたは思い出すだろう
人の優 ....
日平均残業三時間の男で惣菜売り場がごった
返する午後9時。たまには、という連中が鮮
魚コーナーでうろうろする。帰りの電車でグ
ルメ漫画を読んでたりなんかすると。
白い袋の中には、 ....
夜風が止まり、音なき世界へ。
裏腹に騒がしい擦り傷、滴る程でもない血がイタい。
星を捕まえて冷暗室で眺める、間もなく萎む光に残念がる。
それはテキ屋の鮮やかな玩具のよに。
何度でも潰す。
飛 ....
週末は布団の上で
ゴロゴロ転がってやり過ごす
人ひとりの居場所は
起きて半畳寝て一畳
これ以上広い場所なんて
要らないのだから
布団の上で過ごして何が悪い
淋しくてラジオをつけた ....
硫黄の香り、立ち上る蒸気
そこは地獄か、癒しの湯か
足元に広がる血の池のような詩
熱く禍々しい言葉の渦
叫びと嘆きが湯のように満ち
毒と知りつつ身を沈める
それでも心は軽くなる ....
燃える 、
燃える光源を
じっと見入れば
黄金の輪郭くっきりと
内なる思考のうねり
深々感じ取り直に観る
瞬間、瞬間
繋ぎ時をなす
近づく肉の終わり
いよいよ漲る魂の
自由であるこ ....
豊かさにすがる人々が挙って生贄を捧げる
まぶしい海の街に聳え立つ女神の像が淫らに、
そして聖母のように微笑んでいる
見よ、彼女が踏み荒らした諸国の苦しみを
アフリカの中央部、西部、そして ....
○「イキテイルことへの感謝を込めて」
イキテイル イキテイル
今日もイキテイル
「オギャア!」とこの世へ送り出されてから
ずうっとイキテイル
病死 事故死 事件死 災害死もなくイキテイル
....
死神、画商
藝術家の死はカネになる
死に際に何點か繪を買つて置く
やがて没年の後何年かすると
画家の許容され得る時代が來るかも知れず
愛情を以て愛を語るより
Money honeyを以て語 ....
彼らはファッションモデルで皆貧しく着回しの事しか考へてゐなかつた
スタイリストは職掌柄助言を與へたが彼ら彼女の提唱するスタイルに従はなかつた
彼らは一様にフェラーリに乘るのを夢見たが彼らの多くは運 ....
雪明かりの中、ひさしぶりに散歩に出る
獣たちの足跡が点在し、ときどき走っては敵に怯えるように急ぎ足になったり、少ないながらもその痕跡が塗されていた
時折、小声で独り言で事を説明する私は酷く滑稽であ ....
幼い日にあなたの眼を潤ませたものは
ないだ海の夜に掻き立つ縞模様の水音ではなく
照明の暗い
ガラスの箱で区画された
文字に起こされた生態であったのかもしれない
古びた ....
こんなことがあった
神奈川県鎌倉市手広のあたりを
自転車で走っていたら
宅地の一角に建つ物置のような家から
おばあちゃんが丼鉢にラップをかけて突然出てきた
なんですかそれ?
厚揚げと大根の ....
きみの手は、
しっとりとした雪が、
もうすでに降り積もっている、
ひんやりとした夜の雪原である、
まあ読めるんよ
十代のころ滝沢馬琴とか読んだし
十返舎一九も上田秋成も読んだしな
だからまあ無理すりゃ書けなくもないんだな
幕末や明治の本も読んだしなあ
明治の本ってさ
むしろお江戸の ....
夢は別の世界で
自由なのに束縛されて
真夜中の街に出た
街はもうひとつの世界で
お金がなくても
歩いているだけ でも
楽しかったはずなのに
休まる場所が見つからない
暗い歩道に ....
冒頭に流れる陽気なラジオ
今年一年を振り返ってる
あてもなく車を走らせながら
あなたとの結末を思い出してる
ねえ、気付いたかい?
クレジットの旋律が物語全体と同じなんだ
側 ....
ぼくが
ぼくが
兄弟揃って母へ伸ばす手
引っ張り合いをして
母を困らす
大人になっても
おれが
おれが
兄弟揃って母の気を引き
マウントをとり合い
母に苦笑いさせる
....
ランボオは明らかに
佛文學の發展に寄與しやうと云ふ氣が
彼の戀人より尠なかつた
だからと云つて
彼は能く愛された男娼の
つもりもなかつた
彼の詩には秀才は秀才なりに*、なる
衒ひはないが ....
言葉を
落とした
気付かない
人たち
有り余る余白は
透明色に…
彩られつつも
黒に程近くなってゆく
いつしか
すっぽり
街は影に埋まり
人々はココロ明滅させ
まるで星空 ....
夜中にはたと目覚め 妙な異和感
何か重たい記憶を背負った様に
ふっと気付く 、深々と
どこかにいた
今まで俺は確かに何処かに居た
想い ずんと
落ち来る如く
沸き起こる
け ....
深い夜には市場も眠り
猫も夜盗もいないでしょう
ただ美しい死の香りがする
ただ月光が石畳を照らす
町をみおろす山の手にある
煙突がある洋館には
少女が眠る寝室があり
恋に ....
どこかへ行くのを縋って留めた
私達はどこにもいけないはず
粘ついた湿度が君の手から溢れて
しどどに濡れた服の袖を
振る
重みが自分の価値を表す
そう言われるうちが花であり
言われなければ ....
こんな夜更けに誰だろう心の扉を叩くのは
あらん限りの力を込めて救いを求めて呼んでいる
土砂降り雨のその中で頼る当てなくたどり着き
今にも喉張り裂けんばかりに救いを求めて呼んでいる
覗き ....
ぼく、うしどし。
おれは、いのししで
おれの方が〝し〟が多いよ。
あらら、ほんとね。
ほかの〝えと〟では、どうかしら?
たしか、国語辞典の後ろにのってたよね。
調べてみましょ。
うう ....
○「二刀流」
大谷選手はやはり二刀流だった
昼も夜もバットを振り回していた
二世誕生おめでとう!
僕のバットは昼も夜も萎れている
○「ウララ」
ウララ ウララ 裏金よ
ウララ ウララ ....
身体の隣には
太平洋があった
太平洋は凪いでいた
名の無い
小さな海が好きだった
その海は机の
引き出しの中にあった
机は遠く故郷に
置いてきてしまった
それなのに
....
愛つてなーに?
心悸亢進のと或る形だよ
?
シンキコーシンつてなーに?
愛、さ
?
機智の詩は書きたくないね
ウィットさへあればいゝと
思はれるのは恥辱だ
重い物を引き摺つて書くんぢ ....
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