「お母さんは私よりもあんたのが可愛いのよ」
今年で25になる姉から、こんなメールが届いた。
....
奴は俯いて云つた。
惚れた女が出来たと。
女が子を孕んだと。
其れ以上は云はずとも、何を欲して ....
彼女はなぜだか気付かない
たとえばときどき僕が抱く浮気心に。
ほんのいっしゅん抱くだけだけれど
....
きみのりんかくをぬいあげていく
オルガンの重さが
ひかりににていて
急に
まぶたがいらなくな ....
パイを焼き上げた
外はこんがりたぬきいろ
中は湿ったきつねいろ
眺めて味を想像する時
....
広告に
幸福装置ついに完成!是非お買い求めください!
どんなに不幸な方でも必ず幸福に ....
「ねぇねぇ、サンタさんはいまなにをしているの?」
「クリスマスまでなんてまてなーーい!」
....
それは5年間に起きた出来事
たとえば私にとっての27才からの5年間は
少し人生 ....
癒えるにつれて ひどく
かゆくなる 若いころの
途方もない ゆめをみて
あけがた 目をさますと ....
広告のなかで
おばけみたいな女が
笑う
きっと今日も
教卓のうえで
....
もし、ひとつだけ
願いが叶うとしたなら
君は何をおもう
僕は、距離を想う
埋める術さえ持ち合わせて ....
暗示は歩いてゆく
眠りをめぐる回廊を
重ねられた便箋のあいだを
どこかためらいがちな
静かな ....
彼方の灯火を目指して
星が時間を登っていく
宿題を忘れた子供のような顔で
君が僕から目を逸 ....
四肢も鱗も眠る
夜 我らは死の裔
耳骨を整え
大絶滅を待っていた
詩を憎め
詩を嫌え
詩を恨め
詩を殺せ
空気が もっと透けて
幹どうしが当たると
かーん かーん と
乾いた音が遠くまで響く
岩 ....
階段を降りている
のぼろうとしてたのに
でも迷わない
うしろすがたは不安じゃない
夕暮れ ....
興奮を コーフン と書くだけで
なんだか 許してしまえるニュアンスになるね
ねぇ いま ....
ふたりでならんで
小鳥のようにねむった
特快にのりかえず
快速のままそうした
....
コルクが抜けて
液体が飛来する
床が水溜りみたいになって
どうしようもなくな ....
ひんやりとした風が
長い髪を 後ろに なびかせる
「髪、切りなよ」と 舌足らずな声が ....
泣きたい理由でもないのに ボロボロ涙がこぼれてる
悲しくもないのに 悲しい何かを探してる
退屈と ....
土を醒ます波があり
音は音のかたちを追う
水紋 はざま
ひとつ咲く花
....
金を吐きます
ゆっくりと また
金を吐きます
緑です
....
ほんものだと
ありがたがって食べていたら
とんだ偽物だった
ほんものだと
ありがたがって ....
ばうばくとしたあさもやのなか
かいじゃうにただやうとしのかげは
こひわづらひのおおはまぐりのため ....
雨の日のサンドイッチは
うらぶれた
寂しい味がする
陽のひかりの香ばしさもなく
曇り空の憂鬱もなく ....
冷たい壁に背をまかせて
愛しくある月日を
思うがままに流してく
いつの日か
こ ....
スローモーションで放たれる
微細なスプレーのように
思念の粒子を空中に固定して
一粒づつていね ....
斜めから日脚が延び
私の膝下にかかる
この光が消してしまうの なんて
もし私が少女であるな ....
(となりのとなりの家に住んでいるきれいな
お姉さんは、ぼくのことをさんざん好いてく
....
冬日和庭の手入れに時使う
鱗雲取り除くにはデカすぎる
雪の降る町はいまだに白くない
閉まらない
ファスナーのように
こころが
溢れだす
バッグのなかの
たくさんの気持ち
流れだすま ....
誰かを救いたがってる自称詩人は
溺れかかっている誰かに
自らの手ではなく 詩を投げつける ....
さくらんぼは、大塚愛の。
晩ご飯の残りは、ポチの。
物理の4点のテストは、田 ....
逞しき兵士達の涙声が蔓延る塹壕よ
踞る骸の皮膚は剥げ破れた傷口に泥水を吸う
飛ばざるを ....
邪魔な段ボールがあって、もちろんよそ様のものなのだけれど、邪魔である事は腹立たしく、息を吸ってから ....
まだ起きてますか?
そう打ったメールは
送りませんでした
これから会えますか?
....
とってもちいさい○をかいた
くもりガラスにゆびでかいた
やさしい忍者になりたかった
....
ああ
そこの
ここからそこの
すみずみまで
感じている生命よ
あなたのそこの
感覚鋭 ....
言葉がなければ考えることはできないなんて、大嘘だ。
誰かに見える形で考えを伝えるツールとして、言葉 ....
やってきたことが
無駄になるかどうかは
自分の気持ち次第
無駄だったと思えば
無駄になる
....
ざらめ雪
背筋も凍るほどの
ゆっくりと吐息
体中が
シーハーする
檸檬 ....
彼女は何も欲しがらなかった
彼女は今を大切にしていた
彼女は周りを大切にしていた
....
雪が降る
その国に
女が積もる
女
という字の形をして
組み合わさって
結晶を構築して
....
唇に唇を重ね
あなたの甘い血潮を感じていたい
目を閉じて
あなたの髪の香を嗅いでいたい
....
いつも待ってくれている
私がここに帰ってくるのを
表情はいつも違うけれど
優しく微笑みかけ ....
神戸で真珠が有名なのは
真珠の良不良を見分けるのに
六甲の山にあたった柔らかな光が
....
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