夕陽に吸い込まれるカモメ見ている 矛は真理を貫き、楯は真理を守る
真理は沈黙にのみ宿り、文字は幻想をさまよう

我々は真実(言葉)を置いてはいけない

真実(言葉)が我々を書かせるのだ 。






 ....
台北の街の夜

部屋ではショパンが鳴っている

雪崩るように鳴っている

夜の深さを測っている


異国の夜は

情報量がすくなすぎて

闇が深いから

あの夜のように
 ....
閉じた瞼の向こうで漁火またたいている 睫毛に言った
「もう眠ったのかい?」
「いいえ」
答えた口唇は
一瞬も動かず
間を置いてから
「死んでいるの」
そう語っていた


もう何処にも生きている窓はなく
道も もう 死 ....
透明なものがたりがあった
ひとあし、ふたあし、訪ねていくように
波が岸辺に打ち寄せて


貝殻を拾って、耳に寄せても
波音は聴こえない
わたしの耳には
あなたの潮騒ばかりが渦巻いている ....
告げた
告げられたこともあった

書いた
書かれたこともあった

そんな、繰り返し
サヨナラと書かないサヨナラ
 
あの頃のぼくたちにイスはひとつしかなかった

半分こして座ることもできたのに

いっしょに座ることもできたのに




 
ROKUROKUBI (ろくろ首)


夕暮れの観覧車に
絡みついた
わたしを解いて

BMWの助手席に
しがみついた
わたしを引き抜いて

あなたの吐息と唇が
辿った
 ....
湯船の湯の中でアルファベットを書いていると
いくつものカルマン渦が生まれた
小さなCの渦
乱れたEの渦
投げやりなXの渦
Qを書くと
Qの渦が生まれ
その中心が優しく輝いているのが見 ....
上司の猫に最敬礼している 優しい言葉を 探す
ねぇ 何が
優しいのですか

易しい の デスカ?

やさぐれて しまっては
本当の やさしさが
隠れてしまって
哀しいの

見え隠れ している内は
 ....
美恵子は
夜になると
渚と言う名の
蝶になる
所謂ナギサマンだ
ナギサマンになる前の
美恵子
昼間の美恵子は
利雄の妻
つまりヒトヅマンだ
詳しく表すと
美恵子=ヒトヅマン→(変 ....
斑入りの朝顔の葉
白い斑
子供の頃は病気の葉だと思っていた
今では朝顔の個性であると想っている
今では斑のアクセントに自然の美を感じる様になった

斑入りの朝顔の葉
不効率な自然の葉 ....
『平行線』     


とおくで
銃声が泣く
この手と
隣り合った君の手は
こんなに近くにあるのに
ものすごく遠い
銃声が響きわたる
この街の片隅の
四角い空は ....
金髪のあの子
耳朶にはたくさんのピアス
煙草をふかす

ふーっ

そのまま
キスする
舌を絡ませる
体液が滲む

真っ暗な部屋
月の灯りに
ピアスが反射する

きらきら
 ....
あなたは 年老いた家の姿を見たことがあるか

台所からは 骨と皮だけになった皮膚の隙間から
食器と血が 毎日滑り落ちて死ぬ音

骸骨のような運転手になった父が
赤信号のまま 車を通 ....
今日も同じ場所で立ち止まれば
聞こえて来る 母の明るい声

「あんたはヤクルトが大好きでね、
 お風呂上がりに必ず一本飲まないと寝てくれなかった。
 ある時買い置きがなくなっちゃった時があっ ....
夏にさよならを
今年は雨が連なりますね。雷師も人格が変わってきたようです。
と、お天気お姉さんが言っていました。
それはそれで構いません。
カレンダーを丸めたような手紙をバトンにして
 ....
なかなか膨らんでくれない風船に
飽きもせず息を吹き込み続ける
何処かに穴が開いているのを知りながら
滑稽な独り遊びを止めることが出来ない

春には妄想を咲かせて散らして
夏には傷痕を弄 ....
     花 ふりつみて

      若葉 ふり

       蛍 ふりやまず

     星 ふりそそぐ

      みのり ふりはじめ

       枯れ葉 ふりおわり ....
布団は ばあちゃんの香りがしている
少し脚が不自由だけど 元気で
働き者のばあちゃんが干しておいてくれた
布団は日向の香りが充満している


ばあちゃんは もう年だから
同じ話を ....
朝が訪れた廃墟の中で

瓦の絨毯を壊しながら

黒い土を掘り返した。

奥の押入れに眠ったまま

半分焼け落ちた赤表紙のアルバムでは

今しがた息を引き取った姉ちゃんが

飴 ....
   不機嫌なジャングルジムに傘さして水たまりにジャンプする夏


   たしかです不確かなのはたしかです雨粒ほどにたしかなのです


   雨粒をあつめて海をつくり ....
時間が夢を裏切り揉めている 太陽は常に西の空へと往きますが
この地球上に立っていると
まるで停まっているようです

花はゆっくり開いてゆきますが
開花はまるで、魔法です

孤児を育てる里親さんは、言いました
「親 ....
金さえ愛さえ社会さえ

受け入れてくれるなら

いま吐き出した欲望は

我慢などしなくていい

切実な循環になるのだ


生命の維持や種の保存は

本能のまねをした観念なのだ ....
誰とも話さず蛍舞う畦道 病んだ子を抱いて薬師如来の前 大きく重くやわらかい
三角形のパンの塔を
月あかりの径に倒してゆく
眠りに至らぬ眠り気を
眠りはひとつ抱き寄せる



(ひとつ 嘘をついていますね)
はい パンの塔 ....
宣井龍人さんのおすすめリスト(2601)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕陽に吸い込まれるカモメ見ている- 北大路京 ...自由詩514-8-27
詩の言葉- アラガイ ...自由詩19*14-8-27
台北の街の夜- 吉岡ペペ ...自由詩414-8-27
閉じた瞼の向こうで漁火またたいている- 北大路京 ...自由詩414-8-26
Eyeと詩の間(はざま)で- ハァモニ ...自由詩2*14-8-26
球体の海- 石瀬琳々自由詩6*14-8-26
サヨナラを言わないサヨナラ- 中原純乃自由詩10*14-8-25
イスはひとつしか- 殿上 童自由詩32*14-8-24
百鬼繚乱_<_1_>- nonya自由詩27*14-8-24
Qの渦- ichirou自由詩14*14-8-23
上司の猫に最敬礼している- 北大路京 ...自由詩514-8-23
やさしさコート- 藤鈴呼自由詩2*14-8-20
ヒトヅマン- 花形新次自由詩514-8-20
斑入りの朝顔の葉- ichirou自由詩16*14-8-19
『平行線』__- あおい満 ...自由詩514-8-19
A_chipmunk- opus自由詩114-8-19
喋るテレビ- 為平 澪自由詩26*14-8-19
ヤクルト- 夏美かを ...自由詩48*14-8-19
夏の消印- 朝焼彩茜 ...自由詩21*14-8-18
モドキ- nonya自由詩29*14-8-17
ふる人へ- 石田とわ自由詩11*14-8-16
盆帰り- 藤原絵理 ...自由詩914-8-15
焼跡- 梓ゆい自由詩1*14-8-15
青の夏- 石田とわ短歌11*14-8-14
時間が夢を裏切り揉めている- 北大路京 ...自由詩214-8-14
地球ノ時間__- 服部 剛自由詩11*14-8-14
真実- 吉岡ペペ ...自由詩614-8-14
誰とも話さず蛍舞う畦道- 北大路京 ...自由詩414-8-13
病んだ子を抱いて薬師如来の前- 北大路京 ...自由詩314-8-13
ノート(嘘と絵本)- 木立 悟自由詩614-8-13

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