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この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。
窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から ....
目を 吐き
草を 食べ
今生の 別れに今 抗うものがあれば
砂糖で できた林檎を
黒風呂敷で 包み
きびすを返そう
つかんだ者は やがて堕ち
つかまぬ者は 行ってさ ....
ぎゅっとしたいんだ
ぎゅっとされたいんだ
だれになんて言われようと
今ここでぎゅっとしたいんだ
今すぐにぎゅっとされたいんだ
セクハラ親父じゃないっ
ぎゅっと何かを引き換えにしない
....
もしもここが世界の淵で
あと10センチ歩いたら落っこちるとしても
大したことじゃないよ
ほらこれあげるよ
ゆっくり吸い込んでね
落ち着いてきたでしょう
もう怖くないんだよ
泣かないで
....
その日
生まれてくる
いのちのために
地球は
美しい嘘を吐き続ける
覚えていること
今日覚えていること
財布の整理をしたこと
アロエの葉っぱの伸びように驚いたこと
死ななかったこと
皿を割らなかったこと
急ぐことはないということ
いずれいろんなものが ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
放課後
自転車置き場の
あのトタン屋根のしたで
さち子は
昨日のことをふり払うように
歌っていた。
その姿は
青いペンキがはがれ始め、下の褐色が見えてきたトタンよりも
3倍は
痛々 ....
ほほ、
雨上りの風が、
ほほをなぜてゆく
にわか雨の詩人は、
詩を吐いてまっかっか
死んじゃった
時は八月六日、
つるをのばしたつぼみの花は
夜空のかすみをうらめしげ
ええ、こと ....
デート
お天気良好
あなたに会いたかったはずなのに
それは思い込みだったかな
わたしはご機嫌が斜め
こんなにつまらなくて
退屈で
イライラするのはなんでだろう
あなたが退屈と言うことで ....
お昼時の込んだ食堂で
ヒロシ君、と呼べば
3人は振り返る
ヒロシ君はクラスの中に2人はいる
ヒロシ君はテレビの中に5人はいる
ヒロシ君はヒロっちゃんと呼ばれることが多い
らしい ....
男はふと時計を見た
まじまじと時計を見たことはなかったが
見れば見るほど
時計は自分に似ていた
あたりまえだ
男は時計なのだから
一方、時計はといえば
すでに着替えを終え
これから ....
懐かしむおもいは空を仰ぐのに似ていて
「どうしようもないこと」の
「どうしようもなさ」の強力さにへこたれる。
ゆるすことも抱きしめることもあの子にはとっても簡単なのに
あたしにとってはひど ....
手をのばしかけてやめた
あの日の、すこし歪んだ夕方を
ねんどをこねるようにまるめて
食べた
ひといきで飲みこんだ
だってどうにか、前にすすまないといけない
わたしは何に悩んで
わたし ....
交差する車両たちに囲まれて
立ち尽くす
PM7:00
正しい世界が見えるような
そんな気がして
見上げた
低い天井
あの日あこがれた草舟は
ゆっくりゆっくり 沈んで ....
シーズン真ん中のトマトは甘い
冷たくしたそれを齧りながらわたしは日めくりカレンダーをめくる
すべての準備ができた後時間が経つのはとても遅い
やっと夕方の風が吹き始めお寺で貰ってきた風鈴が良い ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする
ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
揺れるたび
気がついて
明日を誘った夏の風
歩道に深まる僕の影
大空と
呼んでみる
ガードレールに腰掛けて
知らない翼は陽に透けて
身体気象情報をお知らせします
晴れ ....
すべてのおんなのこは
みんな桃の実のようで
ピンクに染められた指先を
風が撫でてゆくたびに
わけもなく泣きたくなる
あと何度
逢えるかなって
数えたことが
君は ある?
あと何度
抱きあえるって
考えたことは
君は ある?
あと何度
夜が
ニュースを運ばずに
静かに明けていくだろう ....
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている
その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん
いつまでも
その中にいては ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
土砂降りで
街は
真っ白に
光っていて
おれは
雨の終わる場所を
ずっと
探し続けている
錐揉みしながら
落ちてきた
とおいふる里のことも
すっかり忘れて
妖精が
家庭菜園造りに
精出す日曜日
ゴーヤは
伸びきった蔓を
なんとか
風に巻き付かせようと
精一杯の ....
「杭 1」
杭を打つ
鍵の形の
杭を打つ
今、一万本打ち終わった
コーン コーン コーン コーン
からっぽのあちらこちらに響いている
杭を打つ音
吹く風
さざ波
....
夕景風が鳴る
ふひゅーんあおあお
さざめくざさささ
ふひゅーんあおあおは彼方からの信号で
信号を窓の中から感じている僕は
木のように揺れている頭のなかを巻いて
片頬をうちぬかれたお ....
いずれ姿を消す
だろう月光
光を失った者の記憶には残ら、ず
されどその引力は
植物の{ルビ枝葉=しよう}に
昆虫の触角に
魚の尾びれに
爬虫類の肺に
鳥の翼に
哺乳類の脳に
空の風 ....
体育の後の教室
濡れ髪のフローラルを手でおおいながら
つかのまの夏に飛び込んだ
空の青は私の青を許してくれる青で
急アングルにめまいながら
ただ 何かを得たいと思っていた
胸が腫れ ....
そうぞうしいみちのうえで
林檎が鳴った
歯をみせて おとは失せる
あなたのつちいろの肌
ゆうぐれと 宵のすきま
てれびをぼんやり ぼんやり
ながめてすごす
ふとしたとき
とばさ ....
無数のソーダ水の泡が
ソーダ水から夏へ飛び立つ
そのときの一頻りの冷たい破裂音を
私たちは聞きます
ね、
それは、模範的な別れの際だと
ほら、そのあとに残るぼんやりとし ....
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