絶望に負けたくない、と
娘が言った

絶望を知ったのかと
私が絶望した

悲しみにも負けたくない、と
娘が笑った

娘が隠している涙に気づいて
私が泣いた

この子は
強いん ....
我が身にはこれからも
あまりゆかりのない言葉

新学期

なぜだかわからないが
断固として幼稚園にも行かず
日々放浪していた僕にあたえられた

小学校という世界の箱庭で
やっと社会 ....
三軒隣りの家まで
全て巻き込んだような どでかい虹に
たっくさんの夢を
詰め込んだら 

吐き気がした

ねぇ 御母ちゃん 
もう お腹いっぱいだよって
呟くけれど 許してくれな ....
「思春期」


疎ましく膨らんで
悩ましく弾けて
狂おしく奔って
暑苦しく押し黙って

思春期なのか
四月は変拍子

狼狽える前髪で
躊躇う指先で
彷徨う吐息で
蹌踉め ....
桜をみると胸がいたい

桜なんかだいきらいと言いたくなる

だから桜に謝りながら

盆栽みたいなかたちをみつめている


一方向にしか膨らまない宇宙なら

星はこんなふうに見える ....
黒猫

サッシ窓の外の白い雨
買い主のベッドの上
端正な座り方をしたまま
黒猫は夜の雨を眺めている
飼い主が死んで一年
じっと外を見ている

黒い瞳に映っているのは
寒い線なのか
 ....
カナダじゃなくて
群馬を舞台にした
少女が主人公の物語?

ぜーんぜん、違うっ!

赤毛の赤木春恵が
主人公を演じる
中華料理店「幸楽」秘伝
餃子の餡開発までの
苦難の歴史を描いた ....
一生懸命がいいと
祖母は言うけど
結果がすべてだと上司は言うんだよ

今がんばれと先生は言うけど
夢をみなさいと校長は言うんだよ

愛し合ったはずの
父と母は別れ
憎み合うはずの
 ....
そういうことか
海も空も
まるいんだ

どれくらい走ったろう
眼前には海があり
道端には 菜の花と桜が続いている
ふと 同じところを何度も通っているような気が
して
 ....
太古から受けついできた生命を
父と母から受け取って
生まれ出たあなた

いま 
腕を広げ 
足をのばして
世界の広さを
たしかめている
じゃまするものは
もう ないでしょうに

 ....
たましいは

きえないって

こんにちわさようなら


きえるってどう

うまれかわるのはだれ

やっぱりあたまでっかち

つまらないちきゅうで

いきものごっこ

 ....
手は 夜をすみずみまでたたいて きえた
大事なものと そんなに大事じゃないもの、
をくらべて
でも そんなに変わらなかった
あなたの抱擁のまえで
人生など
あってないようなものだった
 ....
雀始巣
すずめはじめてすくう


佐藤さんちの玄関の
パンジーの寄せ植えから
オハヨウを拾い上げて

鈴木さんちのベランダの
古い室外機の裏側から
サビシイを探し出して

 ....
奥深く海底の熱水床
わたしが今呼吸をしている処
群がる白い蟹は
わたしであるための遺伝子を
鋏で千切りまた繋げる

染色体を失った肉体だが透明ではない
保護色を身に着けたわけでも ....
コンビニエンスストアーは小遣いがあるときはぼくらのポケットだが
だいすきなしょーもないもの以外はたいがいなんでも売ってるみたいだ

いつも仕事に出かける時は装備の点検をして
会社でも点呼をうけ ....
母親がくれたジャガイモとニンジンを洗い、味噌汁をつくる。泥がついている。うちの畑でとれたものだろう。でこぼことしたニンジンの表面をゆびさきでなぞっていると、すこし落ちつく。水と野菜の関係は、なんだかと .... 子供のために
死ねない親は
自分のために
子供を殺す
子供を殺した
バツイチ母は
内縁夫と
飯を食う
死体の横で
飯を食う
処理の仕方を
相談しながら
内縁夫と
飯を食う
 ....
病人が自己慰安で
書いたもんが
良かったためしがない
大体、書かれたもんに
病的なところなんか
これっぽっちもない
クソ女々しいか
猫撫で声のどちらかだ

病人にもランクがあって
 ....
 
火葬がいい

わたしを構成していた炭素原子はリサイクルされ

その二酸化炭素が空へ散布されるのだから



 
一緒にいよう、いつも一緒にいよう
お互いの頼りはいつも傍にいること
冷たい風が強い町でも
海の匂いが切通しを下りてくるここでも
痛くても悲しくても朝は必ずきてしまうから
だからね、だから
 ....
夢のなかで再び出会う
記憶に眠る人々
言いたいことはわかっている
本心で語り合えなかった
一本の道は遠い
新たな物語は続く
食べきれなかった皿の上
嘆き悔いても仕方ない
哀しみ ....
怖い
社会が怖い
なんかすげー怖い

家をでるときドキドキするのでもう一回おしっこにいく
玄関の扉を開けるとき、不安になり尿漏れする
外にキチガイが居て明日殺されるかも知れない
日付が変 ....
ひとの心は果てしなく彷徨う
距離や時間を超えてゆく

痕跡にすぎないものに捉われ
憶測の触手をあすに伸ばしておののく

ときどき何かを削ぎ落しながら
変わってしまうことをおそれながらも
 ....
 
あなたの息づかい

あなたの体温

ほんとはね、わたし、それだけで生きていけるの



 
顔を合わせることもないのだが
納品先のユニークな店長

真夜中の搬入なので
鍵を開けセキュリティを解除して
作業をするのだが

厨房内のホワイトボードを
ふと見れば

  欲しいも ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
姉の夢の中で兄は死んだ

復活の予兆だ、と姉は笑った

病院の先生に難病指定だと言われた、と兄も笑った
 
 
その日は
お花見の桜より うんこの話のほうが 
うつくしかった
お隣さんが用意してくださった花見弁当を囲んで
いっしょに 盲の方と お花見をした
お洒落な桜色のスカー ....
千円で二冊
手頃なんだから、
、と、擦りきれた本にきれいなままの文庫本
何故か捨てようにも捨てられない
同じような顔をして段ボール箱の中に眠ってる
たまに取り出してページをパラパラ ....
およそ文芸である以上読者がいて、
個人的な人生あるいは社会的になんらかの影響力をもつもの、
あるいは芸術としての愉悦を読者に与えるものでなければならない。
なんてね!

詩として

C4 ....
森の猫さんのおすすめリスト(2657)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- ガト自由詩11*16-5-1
新学期- 梅昆布茶自由詩816-4-18
母よ- 藤鈴呼自由詩2*16-4-16
発条式発泡詩_<1>- nonya自由詩1516-4-9
一方向の宇宙- 吉岡ペペ ...自由詩1116-4-3
白い雨- ……とあ ...自由詩9*16-4-1
アカギのアン- 花形新次自由詩2*16-3-30
- 朧月自由詩516-3-28
指折り数えるクリノリン_- るるりら自由詩14*16-3-28
赤ちゃんの足- イナエ自由詩15*16-3-24
たましいは- 吉岡ペペ ...自由詩216-3-22
抱擁- はるな自由詩716-3-20
雀始巣- nonya自由詩18*16-3-19
蒼と青と藍の底で- 乱太郎自由詩19+*16-3-17
コンビニよりあなたの歌へ- 梅昆布茶自由詩916-3-17
愛がジャガイモのようだ- ユッカ自由詩5+*16-3-11
子供のために死ねない親は- 花形新次自由詩1+16-3-3
頭の病気- 花形新次自由詩216-3-1
空へ- 殿上 童自由詩19*16-2-22
愛するものへ- 銀猫自由詩616-2-14
審判のとき- アラガイ ...自由詩16+*16-2-12
ホワイトホールの黒い鳥- 馬野ミキ自由詩516-1-27
越境- 梅昆布茶自由詩2316-1-8
ほんとはね- 殿上 童自由詩18*15-11-30
店長- 梅昆布茶自由詩1215-11-29
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
復活の呪文- 徘徊メガ ...自由詩115-11-17
うつくしい_うんこ- るるりら自由詩23*15-10-3
本を育てる- アラガイ ...自由詩12*15-10-2
嘔吐しない現代詩人について- ……とあ ...自由詩9*15-9-9

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