すべてのおすすめ
ほんとうの事が知りたいけど
正しいかどうかはどうでもいい
つまり、とりあえずは磁北を信じて
夜どおし動かない星を探し出す
北極星、と呼ぶのは僕たちだけで
イトスギ達にはきっと別の呼び名がある ....
フィルムケースくらい
すっかり死語になってしまった
大きさで
文庫本のページがめくれる
広いままの建設予定地で
長い時間をかけてファインダーを覗いていた
空ではなく
空中が写り込むの ....
おーい
そっち行っちゃだめだー
さかなやさんがやさがししてる
やさしいおさしみつくるひと
やさいやさんがめさいやうたう
いざやいざなえやそのくに
ささらえおとこはきにさわる
ささゆりささやくささめごと
ささら ....
我ガ大日本帝国ハ戦争ヲ永久ニ放棄スル。
国ノ交戦権ハ、コレヲ認メナイ。
他国ニヨル攻撃ニ対シ、武力ヲ以テ当タル行為ハ全テ禁ズル。
ソレニ依ル国土ノ喪失、又ハ国民ノ生命ノ喪失ヲ、国民ハ甘受セヨ。
....
070824
金がない
お金のために
金のなる木を育ててる
意味なし芳− 胸を張り
ダイダラボッチを踏みつぶす
波の上にも風が吹き
サーフ ....
炭酸水のぷちぷち 弾け飛んだ泡つぶが
空へ昇って星になったら
一等星の青がソーダ水になって
ぷちぷち ぷちぷち 泡の星を撒き散らす
夜空が星で埋めつくされたら
僕のコップは薄い青のソーダ ....
足から入り腕を出すと
ダンボールのほかは空ばかりで
おれは首のばし
下をのぞきこんでも
からり晴れわたり風鳴る底なしの
しまった
あれも連れてくればよかったと
ポケットの小瓶 ....
今年も裏のおばあちゃんが
墓参りに来てくれた
深いしわの刻まれた
掌を合わせて無言で立つ
墓前は静かな自然であった
先日おばあちゃんは
墓を綺麗にしていった
まわりの草も ....
ひとつの 荒野のおわりに
名前もしらない 月の花が
ほそながい 清潔な
首を さしだしていた
火を消して ねむった
僕がヤツカハギに出会ったのは
まだ子供のころだった
太陽がまだ高い時間に
あぜ道で一人になったりすると
山の向こうにぽよんと現れるなんだか大きいやつだ
1000メートルくらいある山なのに ....
たまには こちらから
さかびん かついで
向こうへわたる 死者たちと
のみあかすのだ そのまま
帰ってこなくても 気にするな
「別れませう」とペリカンは言った
「別れてほしいの」
ペリカンは左を向き、片目で私を凝視する
潤んだ黒目が、一瞬灰色に濁る
写真を撮ったのだ
下のくちばしの袋が震へる
袋の中は、たっぷりの ....
信じ切って、二球目も振った
高得点が目の前にあった
地表と肩の高さの空気は
温度においても輝度においても異なっていて
一閃するタイミングを測るヘッドは
重心を回しながら僕の空間の内にあった
....
みんな嘘をついているから
私だって生まれていいんだ
嘘
嘘に紛れて
貴方のメーラーは
見張られているらしいので
私は
何度も文字を消す
せいぜい
そちらの雨はどうですか、とか ....
夕暮れ色の飛行船、
たくさん空に浮かんでいたけれど
空と一緒の色だったので
誰にも気付かれないままでした。
*
毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
....
朝だ
頭蓋の奥に茜差し
朝露の
薔薇園の蔓が女主人を締め上げる
ぶちぶちと肌を刺す棘のわたし
油虫ほどの死を数えてましたわたし
華奢な皮袋の血肉詰のわたし
生まれる時には皮袋を破りました ....
は ひ ち
ら ら ら
り り り
ふ ほ ....
丘の上で一匹の
蝶を追いかけていたら
普段はだれも寄りつかぬ
樹海の入口に立っていました
樹海の奥から声がして
その声に誘われるように
ついていくと
大きな沼が目のまえに拡がりました
....
火は熱い
氷は冷たい
石は硬い
マシュマロはやわらかい
斬鉄剣じゃ、こんにゃくは斬れない
そんな感じで君が好き
知ってる?
光は糊なんだよ
光がCやHやOをくっつけて
それが糖
その集まりが炭水化物
それに根が吸い上げた
NやPやSがくっついて
アミノ酸だたんぱく質だ脂肪だっていうわけよ
....
染色体が夕日に染まる。
染色体がミートボールを{ルビ咀嚼=そしゃく}する。 染色体が明日のスケジュールを確認し、染色体が今を生きる。
生きてみて、
月夜の闇が煙草をふかす。 いつになく哀 ....
緑の草原の中の静かな輪廻転生
ガサガサ音を立てる
鳩の胸を貪る名前
風が吹いて倒れた草の
(修飾しています)
冒頭で死んだ幾人かの名前を
読み上げてい
とても遠いところから凧を焚く
て ....
あぁ
看護婦さん
今日は縁日ですね
僕に五円玉を下さい
今日も神社に行くんです
今夜もまたベッドの下から
僕が引っ越した部屋に最初からいた彼女と
今日も一緒に夜中の神社に行ってお参りする ....
また忘れそうになる
朝のほんのわずかな時間だけ、星が猛スピードで動く
いつ死んでしまってもおかしくない
でも、いま死んでもいいと思える朝方の奇跡が起こる
落っこちるのならこちら ....
−1−
徒らに笑おう
僕らが苦心して果たそうとした事は
どうやら徒労に終るようだから
中味の無い箱が産業道路を溢れ
空疎な前向きの歌がチューブを溢れ
考える事をしなくなったひとたちが
....
あの女房殿は
鶴なんかじゃ無かったのですよ
『夕鶴異聞』
そうですね
去年の秋からだったですかね
巷で有名な
『鶴女房』が来たのは
ええ
見事な反物でございましたよ ....
1.
肉厚の歯牙。
朽ち果てざる針葉の底意。
梢の天窓からは
牧歌が空しく響いてくる。
2.
君は殆ど抽象的なまでに美しい。
発条がはぜただけで
血を吹いてしまいそうな沈黙の、トラ ....
海原に月がひとつ満ちていた
波は立ち上がっては落ちていく
暖かい夜なので淋しい予感はない
浜辺に置いてある椅子は日に焼けて
幼い頃の君はそこに立って遠く ....
かなしいものなんて
ボクにはないよ
やわらかいものなんて
ボクにはないよ
空に
一杯に手を広げ
防波堤のひらたい丘で
じりじり
ボクは乾いてく
太陽を
こんなに間近 ....
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