罠
吉岡孝次
1.
肉厚の歯牙。
朽ち果てざる針葉の底意。
梢の天窓からは
牧歌が空しく響いてくる。
2.
君は殆ど抽象的なまでに美しい。
発条がはぜただけで
血を吹いてしまいそうな沈黙の、トラップ。
その甘い顎。
自由詩
罠
Copyright
吉岡孝次
2007-03-24 17:40:57