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アイキャンゲンノウノウのところでタイムカードがガシャピーと鳴く


昼休みひとに会わない公園で齧るおにぎり冷えてカチカチ


小便のあとで鏡に中指立てて廊下で上司にお疲れさまです
 ....
    


超自然的に増幅されたそれは重く、濡れた毛布の様に背中からのしかかり、脊髄の軋む音を体内中に響かせる。生物であれば当然、誰もが耳にするはずの音さ。安物のエアコンが説得力だけは十分な音 ....
強い決意が悪い事態を引き寄せる
そんな歪な予感を含んだ朝
煩いほどの太陽が空にあったが
ウェザーニューズは後雨だと告げていた
構ってる場合じゃない
濡れるか濡れないか分からないよ ....
俺の臓腑を見ろ
俺の臓腑を見ろよ
ガラ空きの腹腔から滴り落ちる俺の臓腑
静かな臭いを放ちながら床に降る俺の臓腑
もはや曝す以外に手はない
もはや曝す以外に手はないんだ  ....
踊りを踊るなら

山のふもとの

見晴らしのいい草原に行きなさい

夢中になり過ぎても

誰に咎められることはないから


歌を歌うなら

そのま ....
日の暮れかけた堤防沿いに横座りして汚れた川面を見つめているアリサ
「時々この川がすごく美しい流れに見えることがあるわ」と彼女は言うのだ
アリサの左目は幼いころに父親に傘の先で突 ....
晴天には雨を忘れるから、いつか遠い国で無残に殺された幼児のニュースも(そういえばそんなこともあったねえ)なんて言葉で語られるだけのものになった。ベッドの上で、音を出さずにテレビをつけて、ただ画 .... 月の眠る丘に
最低限の荷物を隠して
遠雷が鼓膜を脅かす
暗がる夜に僕たちは
つながりと呼べるものの
一切を断ち切った
淋しくはなかった
悲しくもなかった
た ....
混線した電話からほんの一瞬だけ聞こえた名も知らぬ誰かの泣声のように、どう対処していいのか判らない種類の痛みを残してあの人は消えてしまった。テーブルの上のエスプレッソすら、きちんと始末して行かな .... ナマの心臓の感触というのはなかなかそうと膝を打てるような言葉にはならないものだ、本来俺たちはそうしたものの動きには無自覚なものだし、そもそも下手に自覚なんかしてしまったら日 .... うち捨てたときの痛みをお前は信じ過ぎた、渇きの挙句ひび割れた生体の表面のごとく、ただあるというだけで約束された気になっていた理由が音もなく崩れる、死際の夏が悪い足掻きのように放つ胸のムカつくよ .... 連弾のような雨を
見上げてお前は呟いた
それがどんな言葉であるか
俺は確かめはしなかった
散々な思いのあと
不意に開いた排水溝に
吸い込まれてしまうような気分
はぐ ....
ちょっと失態に見えるような
歴史の中で真実は息をひそめていて
俺が道ですっ転んだりした拍子に
目と目がバッチリ合うのを待っている
まるで控え目な女のように
まるで手 ....
紫色の唇をした
少女が産声を上げる時間
バレンが
巧妙な胎盤に色を馴染ませてゆくその時間
木の屑を集めながら
生命はどこにあるのだと自問していた
朝から雨が長く降り続い ....
俺が自分で何かを成し遂げたと思った時は
天にも昇るほど気持ちがいい
俺が自分の中にどんなものも見つけられないとき
濁った湖の底に沈んでいくような気持ち

だけどそんな ....
胃袋から絞り出したが、たいてい
気持ちのいい言葉にはならなかった、そもそも
てめえの中で渦を巻いてるものなんて
薄々は判っていたはずだった
俺が見ていたのは同じ景色
 ....
今日は
涼しくて助かる
だけど
俺には行くところがない



降る、と言っていた
雨は
どうやら
降らないようで
洗濯物は干したままでいい
だ ....
ビルの隙間に潜り込んだ切ないアイデンティティの死にざまは破裂気味、増えすぎた膿が皮膚を破いて躍り出るみたいな予感、曇り空からはいつか覆い隠した感情が疲れた雪のように降り注ぐ、もう飽 .... そのとき舌先を耐えがたい感触が駆け抜けて行っただろう、瞳孔を麻痺させるような緩慢とした動き、意識下にかしずいた不確かな感触、絶対的でないがために徹底的に堆積してゆく―崩 .... 赤い血が時々生命を忘れて凝固して俺の血管はサビついたプラントみたい、尖った先端が劣化したチューブを内側から削いでいくんだ、砂浜をサンダルであてもなく歩いているみたいな… .... 青い空に飛ぶ鳩を
焦れながら僕は待っていた
いかんせんあいつは気まぐれで
めったに首をこちらに向けることはない
ひたすら窓辺で待っていたところで
いついつに顔を出す ....
きみの左胸をすりぬける
すこし気の早い夏のあらし
ぼくは痛んだ胸をうけいれて
ポエティックな名前をつける
風が強すぎるから
騒がしい街が
まるでおだやかな森 ....
車体を軋ませながら
ショッピングモールの駐車場の出口をかすめてゆくキャデラック
ハウリン・ウルフが辺りを
ビリビリと揺らすほどに吠えてた
けたたましく鳴きながら ....
m.qyiさんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ロカリーマン- ホロウ・ ...短歌5*11-12-22
どれもすべてたったひとつの生- ホロウ・ ...散文(批評 ...2*11-11-23
途中経過- ホロウ・ ...自由詩1*10-4-26
臓腑の風景- ホロウ・ ...自由詩1*09-11-23
英知- ホロウ・ ...自由詩5*09-11-6
汚れた川面を見つめている右目だけのアリサ- ホロウ・ ...自由詩2*09-10-20
Babelogue- ホロウ・ ...散文(批評 ...3*09-10-17
遠雷- ホロウ・ ...自由詩5*09-10-3
あのとき、こころはきずだらけだったのだと。- ホロウ・ ...散文(批評 ...2*09-10-1
すべては気まぐれみたいに行われるのがイカしてる- ホロウ・ ...散文(批評 ...2*09-9-24
エロティック- ホロウ・ ...自由詩1*09-9-2
集中豪雨- ホロウ・ ...自由詩5*09-9-1
昨日のリタ- ホロウ・ ...自由詩2*09-8-22
胎盤- ホロウ・ ...自由詩1*09-8-17
観念的な略歴(と、とりあえず名前をつけておく)- ホロウ・ ...自由詩1*09-8-9
毎日には特別することがない- ホロウ・ ...自由詩2*09-7-22
かすれた午後の唐変木- ホロウ・ ...自由詩3*09-7-11
どうして、また- ホロウ・ ...自由詩1*09-7-9
血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)- ホロウ・ ...自由詩2*09-7-1
今日が天気かどうかなんて本当はどうでもいいんだ- ホロウ・ ...自由詩3*09-6-21
青い空に飛ぶ窓辺の鳩を- ホロウ・ ...自由詩1*09-6-13
サンドイッチ- ホロウ・ ...自由詩3*09-4-22
俺のアッパー・カットはすごく下から- ホロウ・ ...自由詩5*09-3-29

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