頸を傾げ
游ぐ白鳥の
鉤括弧を孵化させる


言葉を寄せれば頬が温もる。そうしていくつもの冬を乗り越えてきた。
正義と正義と欲はきっと同じ意味であり、他人のものであるとは到底言い難い。しか ....
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僕の心はいっとき無茶苦茶であった。
どんなときでも平坦な感情であることに憧れていたが、それは僕がそういった人間でなくそういった人間に ....
家は川沿いにあった
ぬかるみが渇こうとして
夕暮れは
大腸をひきずりだしたように
ながくなった
そのなかを這うように
ぼくは船出をして
帰りかたがわからなくなった
日の落ちかけ ....
母は、
なまえはつけないほうがいいよ
と冷蔵庫にむかって
言いつづけた

寝ているときは
ずっと怒っている
車をひっくり返し
おとこを犯し
ベランダに放火し
エレベータ ....
秘密の夜
混ぜもののなにか
混ぜ物の中身
渦を巻きながらヘッドライトを横切る残像
残像!それはただの残像!

叶わなかった願いを
喚く男が隣りにいる
いや、女だったか?誰だこいつ
隣 ....
許されるならば
喜怒哀楽の頁にはさみこんだ
しおりをほどき
薔薇のトゲのように
愛は血まみれの行為であったと
旅立つひとに告げたい

愛は規範をもたない
むくんだ背すじに頬をあてて ....
部屋があたたかいと何も書けなくなった、つま先も踵も地表にはつかず、ふっとうしたひかりになった、七月生まれの人がかに座になって、星座は煮えたぎったあぶくのようだ、部屋があたたかいと何も書けなくな .... 肩幅で生きる
肩に幅があって良かった

夏は草の履歴と
雲の墓場
ただいま
おかえりなさい
言葉が影になる

初めてできた影だ
子供たちに見せてあげよう
昨日いた犬にも見 ....
ぼくは今日、ぶちこわされて帰る
派手な火花とは無関係さ
みたことはあるんだ
見たことがあるっていってんだろ
派手な花火
昨日までまともだった
いいやつだったんだ昨日までなら
今日に至 ....
五行山(ごんごいさん)、という言葉を聞いたことはありますか?

また新たに回り始めた方には耳触りない不思議な文言に思えるでしょうし、もはや独りでに爪が減るような方にとっては回るものすら今やいな ....
どれだけ沢山の人が報われず死んだか
そういった話題を君は好んだ
死の間際、彼らが何を望んだのかはわからない
君が好む思考実験にあえて臨む
これが日曜の過ごし方

木の椅子に浅く腰掛けて
 ....
名前が
水たまりに落ちてて
のぞくと君が宿った
空のひろい方を
私は知った
いっせいに死んでいく
わたしたちのかけらというかけらが
ただひとつの空という造語をめざして
ふりつもっていく


こんなにも無関心な
あなたたちの静脈が
すずしげな顔でわらべうたを ....
気持ちいいことの
代償に死んじまった
真っ赤な蛇たちが
僕んちの前に並んでる

朝、目を覚まして
そんなもん見ちまったら
やあ、どうする?
僕は走った列の最後尾にいる
間抜け野郎 ....
私たちは夜道を歩いてる
月明かりを頼りに

遠い世界から雷雨がやってきて
私の両耳をあなたが両手で塞いでくれる

夜中に目が覚める
部屋の中で風が吹いてる

私の髪はまだ濡れていて
 ....
僕の指をヤニで染めた
おどれ、深く眠れ
僕の歯を黒く染めた
おどれ、深く眠れ

深く眠れ、深く眠れ
深くに生まれて
僕の指に届いて
煙になって消える
深く、深く眠れ

僕の闇 ....
匂いがするから
君が好きさ
メガネをかけてないときにも
不安定じゃないのは
君といるときだけ

窓辺に目を細めながら
置いたサボテンに
水をやってくれるかい
冗談のつもりで喋った ....
同じ方向をみている
静止したまま
なにも言わずなにも吐かず
同じ方向をみている
そのまま時が止まっても
ゆきがふりつもっても
気づかないだろう静謐さで
みている
動かず
生きてい ....
まっ黒くて
長い長い肢が きょうも
地面から 抜ける
親不知の速さで



(季節 だ)(季節 だっ た ) (った)(ったーーーーーーーんn

 
湿り気を編み込んだ ....
さやかに聞いた
竹の花が咲くゆめを
みどりと土の色の混じる
薄暗いさなか
ちいさなとかげが
わたしのひふを すべる


魂が
つまっていたという
どうして うえつけ ....
6p
あなたは頭にてをあてて、「願いましょう、ほしがりましょう」といいます。
それを聞きましたら、「わかりました」というのです。

21p
怪我をしたら、その血がぢめんに落ちる前にするこ ....
身に覚えのない傷ばかりが
目についてしょうがない
風呂の中で何度も思う
こんなに傷つくほどのことなんてあったかよ?

きっと寝てる間に
タチの悪い虫に食われて
掻き毟っちまったんだ
 ....
比喩じゃないんだ
信じてくれ
真っ青な草が生えた丘を見た
八月の初め頃の話だ
僕は何もかもが嫌になっていた
(よくある話だ)
家のドアを蹴飛ばすように開けて
外に飛び出した

す ....
真夏に会えなかった人々
覚えてるかい
ここは本屋で
ほらそこは食堂だった
これは覚えてるかな
そこの角。大きな道が見えるだろ
あれを右に曲がってすぐに
小さな脇道があるんだ
表札が ....
椎の実が秋には
たくさん転がってる
あの場所に
君は僕を埋めた

色の名前がついた
色んなお土産を
春も冬も
関係なく供えていく

通りを歩く野良猫たちが
きょうはやたらと多 ....
逃げ出したこと、あるかい
何回?どこで?なにから?
後ろから声が聞こえる
日々は試しだ
誰かはわからない
声ばかりがでかく聞こえる

ニガー、黄色い猿、赤鬼
連れだって出かける
 ....
世界の終わりみたいに酒のんで寝てます
いつでも電話してください
長い休みをもらったのでありとあらゆる友人に
メッセージを送った
もう少しでセミが地べたから湧いて出る

君らはなにか勘違いを ....
モーテルの階段で呼びとめられて
マニキュアを塗ってもらった

「目立たないから、バレないって」
そう笑って彼女はウィンクする

ピンクに光る爪が
あまりにきれいだったから

120分 ....
完備 第一詩集『abstract』


…………………………

index

you
・footprints
・memo
・units
・difference


i
・ ....
13月の一日についにィゴールヴの生演奏を聴くことができました。
ずっとCCDとかVCDとかでは聴いていたんですが(ヘビロテ)ついについにです。
やっぱりCCDとかの入りだとエフェクトがきついと ....
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