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窓を開け
口笛を吹くと
僕の小さな銀色の飛行船が
やってくる
僕は窓から飛び立つ
菫色の大きなたそがれの下に
輪郭だけになった街が広がる
街の一角から
空に向けて放たれ回るサー ....
一面のチューリップをそよがせよ
春に かなしみに
あまりにもふるえ 透きとおってしまう
心臓のために
きらびやかな空が 剥がれ落ちて
菫の咲くほとりをたどって
指たちの
踊る環
ひとつ
ふたつ
みっつ
やわらかな綻びから
洩れる調べの
....
一面銀になびく草の原を
未明の馬が駆けてゆく
どこからどこへ駆けてゆくのか
ほこらかな そして不思議にしずかな躍動で
一面銀になびく草の原を
駆けてゆく未明の馬は
そうだ きっと
....
この胸から一枚の
夏の風景をとりだしてひろげよう
青い湖 まわりは緑の森
そのむこうになだらかな丘々
湖には小さな桟橋 つながれている幾叟かの小舟
ほとりに小さく白い館
そこで僕らは
....