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さよなら
でも
さようなら
でもいいが
それは
またね
をかくしているはずで
またね
は むぼうびなのに
わたしたちは
うたがうことをしない
まだ
ことばのないこ ....
「彼、自称詩人なんだって。」よみきかせの仕事をくれた女性にそう紹介され、挨拶をしたことが二度ある。心の中で“自称は余計だよ”とおもいながら。
世間で「詩人」と云う存在がどんな風に扱われているか ....
夕空を染めたニッポニア・ニッポンを知らない
雲は刻々と変わり稜線が滲む頃
ニッポニア・ニッポンは茶の間へ来た
貨物船に乗せられてたった二羽だけ
ニッポニア・ニッポン達は知らない
自分がた ....
とほうにくれるところで
重ならないでいる
身体の温みの底で
遡れない時の残響が笑っている
空のような深い過程が
手と手を結びつける引力ならば
きみとりんごの木の下まで歩いて行って
飼って ....
夜を忘れたら月は太陽になるかしらと君
かしら 凛とした語気が受話器の楕円に沿ってひびく
夫婦なんて空気みたいなものらしいよ
の 君からの応答 螺旋を逆に辿るために
どんな言い訳もオヨビデナイ ....
午後の輪郭をなぞる
コーヒーの湯気は婀娜っぽい
ブラックはもう飲めない
この頃は結婚式に呼ばれてばかりだから
フレッシュを二つ入注ぐ
深いマグカップに沈み混んで
滑って 昇ってくるのを ....
アスファルト ビル風 その怠惰な起伏
慣性の法則は働き者
流線型に磨り減ってゆく野心も
革靴の踵も その幾らかの理由を失ったまま
(前進 前進 前進)
追い風参考
公認記録に届かない僕 ....
心臓を 下さい
何処かに置き忘れたのです
シナプスを飛ばして 過去の駅
遺失物預かりの四角い顔は
どうして揺れることがないのでしょう
同情して下さい なんて
云えないのだけれど
....
散乱する格子らに
畏まって居られないらしく
文字達が泳いでいる
水族館にしては蒸し暑いし
少しも苦しくない
もともと肺呼吸がとくい ....
現代詩フォーラムには、実に様々な詩人が集っている。正直なところ、多すぎて読みきれない。読み逃している詩の中に、とんでもない傑作が有るかも知れないし、その傑作が誰の目にも留まらずに、或いは読み流されてい ....
本題に入る前に、誤解がないように、少し、前置きしておく。
最近、某所の日記に、朗読について考えていることを書いた。日記だから、特定の個人に向けて書いたものではないのだが、やや、感情的と取れる反論 ....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです
地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
冷え切った校舎の裏
ささくれ立った言い訳をした日
嘘をつくのは単なる処世術ではなく
空気と同じなんだと信じることにした
地球は今この瞬間も律儀に回っている
無数の嘘を繋ぎ止めながら
....
朝靄の中
頼りない影を引いて
配達夫は世界の悲報を配るのに忙しい
昨日のキスは二人しか知らないこと
ベットに傾けようとしたとき
「今夜はいや。」と云った君の
声の湿度は僕の鼓膜しか知ら ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている
父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....