怖いのでしょう?
裏切られたら
致命傷になってしまうから
ひとのこころが容易く変わることを
知っているから
信じられないのでしょう?
優しく寄り添ってくれて
傷つけないひとがいることを
....
知られてはいけない事と
隠したい事は意味が違う
知られたい事と
伝えたい事も大きく違う
「意外だね」って言葉が好きだ
小さな声で大きな夢を語るような
山頂の空気が美味しい ....
今年の夏は暑すぎて
服も皮も肉も脱いじゃって
骨だけになって過ごしたよ
ようやく秋だね
涼しくなってきたし
そろそろ肉と皮を着ようか
まだ服はいいかな
お外は涼しい風が吹いて
とっ ....
低気圧の接近、
する唇から
漏れる苦い言葉
水へと沈み
二度と浮上しない深海の
珍しい魚になる
従兄は輪転機を回し
僕らの指紋を
大量印刷している
これでも昔はお医者さんだっ ....
○「今日の言葉」
四苦八苦の人生
涙なしに
渡る人は
いない
普段乗らない電車で
小さくなって
降りる駅を待つ
人がいっぱいだ
でもみんな
スマホしか見てないので
昔よりは楽だ
世の中には
こんなに人がいるんだもの
そりゃ一人ぐらい
電車の中 ....
泣いて答えを求めた時に
答えはわからなかった
愛に永遠はあるのか
でも時が過ぎ
全てが変わっていく頃
私は心理を悟った
とても簡単な答えだった
愛に永遠はある
自分の中にこそ
....
いろんな人が
寂しいって
ボール投げてくるから
いつも無意識にキャッチするけど
投げ返すと
もうそこにはいなくて
短い会話は
道に転がる
誰かランダウンしようや
寂しさや悲しさを
....
君が食べたいと言ったから、
近所のスーパーでスモークサーモンを買った。
298円──破格の値段だ。
「皮がついてる……刺身の切れ端?」
ほとんど文句に聞こえるコメントを呟きながら、
オリ ....
一番恐ろしいのは、己の弱さ。
そいつが囁く、言い訳という名の誘惑。
夜半過ぎ、映らないテレビに自らを写して、
滲む爪先を凝視した。
奇妙な雨音だけに耳を傾け、
ただ、逃避した。
そ ....
笛を吹く自由に宇宙で油売る
一族の旗を遊ばせ一人旅
空っぽを探究 深い深い穴
音がやみ時間の中の暗闇へ
人が手を伸ばした海星 ヒトデとて
あの夏の日から時間の止まり
朝霧晴れた今日の一瞬の開けに織り込まれ
たけし起きろ森へ行くぞと兄からの柔らかな呼び声
遠い道程の時の運びを遡行し眼前に響き拡がりつ
兄に導かれ入り込んだ森の木々 ....
枯葉鳴る頃
私はあなた方に会いに行く
今度は
“わかば”とワンカップを忘れずに
お母さんには昔のお菓子を
フラレた話とかフラレた話とかフラレた話とか
一人暮らしを始めた話とか
たくさん話 ....
こうなるとフェルナンドの狂的な公理の一つを認めないといけなくなる、偶然などありはしない、あるのは宿命だという。人は探しているものだけを見出すのであり、心のもっとも深く暗いところ、そのどこかに隠れてい ....
わあ、と言って
吸い寄せられるように
金木犀
ぼくはきみの頸を見つめた
仄かに香り立つのがいい
近寄りすぎれば
キツイ臭いになる
ぼくと頸の距離を思う
振り返ったら
光が溢れ ....
地獄みたいな夜の長さ
眠れなかったり、眠れたり
水に沈んでは浮く丸太のように
急流に流される
待っているのか
降りれるはずの日々を
いまを演じきった子どもたちの
この喉元の騒がしさを
指 切り
鼻の中ではコオロギが
照れ笑い
ブルーで、低い街から
人間に似た姿をしていく
....
見上げれば鰯群れなし泳ぐ海
さよならかき氷
青い空に降る虫の音
青い空ぶった斬りひこうき雲
椅子に座し
右足にしがみつく
嘘泣きの
頭を優しく
撫でてなだめる
9月の暑さが残響していた部屋は
ようやく冷いやりとしてきた
秋の空気が気温を下げる
今年の秋刀魚は脂が乗ってた
こんがり焼いて
大根おろしを添えて食べた
栗おこわはコンビニで
松茸は流石 ....
濃紺のとおいとおい沖
そこだけ白く光る帆
透いた筏の上に
栞が挟まっている
厚い無地の記憶に
プレスされた 絵はわたし
どんなにのぞんでも
やさしい明け方の帯は
沖へと踊らされる
....
改札口の側で
あなたの身体を見つけた
暫く見なかっただけなのに
こんな所にあったのだ、と思うと
何だか懐かしく感じられた
せっかくなので両腕を掴んで
家まで引き摺って帰ることにした ....
秋深し 気分重たし 仕方なし 横たわるほか できることなし
時々自分に言うんだ
もっと気楽に生きろ
これも運命だ と
そう、立場を変えればある意味
自然なんだ
自然とは因果的必然の世界ということ
いろんな存在一つ一つに
一つ一つの自然があって ....
朝方少し仕事をし、あとは何もせずに過ごした
背徳感が骨や肉に浸透していたけれど
床から出ることはなかった
何もしないことにした一日は重金属となって
言葉も発せず、でも聞き耳を立てている
でも ....
自分に言う
もっと
気楽に
生きろ
これも運命
※ 五行歌とは、五行で書く 詩歌のことです。
※ 五行歌には、本来、タイトルは付けません。
しかし、ここでは ....
御会式が鮮やかにして燃える今
繰り返しでも しとやかなとし
この季節は東京都大田区の池上本門寺で御会式が繰り返されてきました。
昭和の頃は、もんもん背負ったヤクザが堂々と練り歩いていたの ....
花形新次論
――自称詩とメタポエジー
Ⅰ. 「自称詩」という詩的発明
花形新次の詩的発明の核心は、「自称詩」という自己規定にある。
これは単なる自己卑下でも、風刺でもない。
むし ....
さんざん探し回ったあげく
本当の自分は見つからなかった
旅立ったはいいけれど
いまだに一度も帰ったことがない
途方もなく時間を費やして
創ろうとしていたモノは何だったのか
やみくも ....
さかしまに
映る水面のゆらめきへ
なにを浮かべた
われを忘れて
環を広げ
恋しひとつを飲み込んで
水は緑の
底なしの{ルビ面=おも}
さざめきを
にわかに宿し日の ....
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