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廊下を渡る足音には
特段目的地がないから
店長は突き当りのエレベーターを
使い捨てに決めた
わたしの相談事にも
丁寧に対応していただき
お昼に買った二個入りの一つを食べずに
後用 ....
低気圧の接近、
する唇から
漏れる苦い言葉
水へと沈み
二度と浮上しない深海の
珍しい魚になる
従兄は輪転機を回し
僕らの指紋を
大量印刷している
これでも昔はお医者さんだっ ....
改札口の側で
あなたの身体を見つけた
暫く見なかっただけなのに
こんな所にあったのだ、と思うと
何だか懐かしく感じられた
せっかくなので両腕を掴んで
家まで引き摺って帰ることにした ....
平日の遊園地は
あなたの名前なのに
石鹸の金魚は泡になった

トウキビのような匂い
私小説ばかり書いている友人が
家に遊びに来たことがある
余白はどうしているのか聞くと
その問 ....
三叉路の交差点改良が終わり
夏はまだ蒸し暑かった
誰かの投げた石が
東西に流れる二級河川の水面に
小さな波紋を描く
あっ、魚
勘違いした人が指を差して
本当だ
と、隣の人が相槌 ....
木漏れ陽のような
小さな音を立てて
空論が机上に落ちた
静かに生む
静かに壊す
その繰り返しが
繰り返される
知ってる
ずっと昔から知ってる

誰からも
忘れられた窓があ ....
工事野帳の件で
佐々木が訪ねてきた
お礼に、と
土産の印度煙草をくれた
煙草は吸わないが
絵柄が気に入って
机の上に飾った
仮換地の揉め事に
鬱々とした気分だったので
良い気 ....
頬杖をついて
窓から夏が終わる頃の風
リモコンが息絶えた
まだ若かったのに
もうチャンネルを
変えることもなくなった
言葉にすれば
命は軽くなる
そんなことばかり

いただ ....
銀座に触れる、と
わたしの戸締りは終わった
暮れていく週刊誌を
めくり続ける侍の姿が
何よりも美しかった
誰かにそのことを
伝えたかったのに
みんなサーカス小屋に
入ってしまっ ....
ほどけていく
朝の気配と
牛乳だけが白い
メガネの
遠い向こう
身体の在処
その不在

親の顔が見てみたい
度々そう言われ、毎日
親の顔を見るのが
不思議だった
見に来 ....
買いにいった
売ってなかった
そのように
終わる日がある

たくさんの花びらを
瓶に詰めて
流す
意味がなくても
意味を求め
愛してしまう

後から静かな
養分がやってく ....
水のように眠った
連続する穏やかな
体液の水面
幾つかの色を見つけては
金属の味にしたがって
溶けていく
あなたが寒がるから
手袋とマフラーを買った
行く所がある訳でもないのに ....
砂漠のバス待合所で
君と雨宿りをする
雨は降っていないけれど
いつか降るのを待って
二人で雨宿りをしている
いつもこうして
何かを待っている
そして待っている間は
いつも君が隣 ....
梅昆布茶2さんのたもつさんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
助走- たもつ自由詩6*25-10-19
低気圧- たもつ自由詩525-10-17
デーゲーム- たもつ自由詩12*25-10-15
余白- たもつ自由詩10*25-10-11
背中- たもつ自由詩12*25-10-7
机上- たもつ自由詩10*25-9-30
球根- たもつ自由詩3*25-9-26
水羊羹- たもつ自由詩12*25-9-23
フルーツサンド- たもつ自由詩16*25-8-23
水滴もしくは- たもつ自由詩625-6-3
養分- たもつ自由詩5*25-5-30
優しい沈殿- たもつ自由詩525-5-26
いつも- たもつ自由詩4*25-5-22

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