彼が生きていた場所を僕は覚えている。
彼は長椅子に寄り掛かって、ギターを弾いていた。
青白い目の光の中で、
名前の知らない星が揺れていた。

浅く、緩い昼寝の中で僕は自殺したいと思った。
 ....
孤独を、記憶を睡眠薬で噛み潰す。
私の身体が音楽、点になるのを待つ。
LEDが向こう側で密柑色に暮れていく。
画面の奥で電子が踊っている。
RGBの奥へ、私の顔が流れていく。
私は、私が私に ....
ハチミツが、曇るような夕方。
ねえ、三度の図書館通いも、擦り足で
ガラスの縁が溶けていくような、
文字盤の上の日常だった。

タンポポが、闇に乾いて咲いていた。
世界の総量は、
黒い、人 ....
ひとつの優しさが消えるごとに宇宙は消える。
雨の日、学校に行くとき、3Dの花がいっぱい咲いてた。

そのとき僕は日本語のSFに嵌まっていて、それからアコースティックギターで
ヴィヴィッドなピン ....
私が生きていることと、私が死んでいること、の間に、違いがあるとするなら、誰に、 何にとって、どんな違いがあると言うのだろう?
――私が生きているとき、あなた達は死んでいて、私を殺そうとする、
 ....
消えない痛みもあなたのことも
クジラのように
忘れました

昼間
麦の入ったコーヒーを飲んでいると
不意に涙が出てきました

自転車に乗って
風のない谷から
一人の影がやってきまし ....
時には、電飾の光が柔らかい感触となって、
僕の視神経のうらがわの白いふくらみを感覚もなく突き抜け、そして瞬間、
目覚めたままの「僕」の大切な悪夢のような暗がりには
永遠の雪が降ります 僕は真っ白 ....
おめでとう、おめでとう。皮膚のざわめきと無感覚から、少し超えて、未来の白い陽に照らされているあなたの心の中。ただ、今! 今のためにあなたは今を保留にするなんてナンセンスを永久に実行、しているあなたはき .... ページを綴じるように目を瞑って、
空を眼窩に閉じ込める、瞼の裏にお店を開けるように
そこで大好きな、銀色の音楽を流せるように

ディスプレイで、ちかちか光っているけれど、それは違う
私じゃな ....
なんか 犬小屋を壊されてた わたし
犬小屋なんか持っていなかったんだけど
なんか 壊されてた それで
ふと上を見ると彼らは
次は月を壊しにかかっていたんだけれど
わたし 月を所持した覚えはな ....
秋が来た。秋の空気。世界
宇宙、秋、秋の空気は透明
そして帯電してて
細胞を、涙で満たす。

     いつ起こるか、それは分からない
     私が壊れる前には、「いつ」は来ない
   ....
やあ、おはよう
おはよう
また、行くね

僕は
ルール違反を
しなくちゃならない

仮説を
立てた

僕は弱くて

弱い
人間だと
いいと思った

仮説を

腕に ....
にんげんを、二度とクリックで変換出来ないので、
一度きりの人間を、二度えいえんに愛することなど出来ないと、(呼吸の変速した枯れた樹脂、光る、皮下で)
DNAの、眼に見えない透明さは、アリの嗅覚で史 ....
冷戦時に於いて、地球は火星よりも、太陽に近かった。今でもそう信じているひとはいるし、そしてまた子供の教科書を書架いっぱいに集めたあなたは、八歳の誕生日に、茶色の小瓶を買ってもらって、中で蝶を飼うことに ....
会いたい気持ちを代弁してくれるのは、
ビデオテープ、
寒暖の差、
秋に吹く冷たい隙間風、
虫の声、
ずっと大切にしてきたいくつかのもの、

私は私であって、
私の身体じゃない、
 ....
人里離れた木の家で
タイプライターで小説を書いていたい

静かに、小さく、ひとりで



忘れられたピンボール・マシン
白黒写真にだけ残ってる
白骨化した遺体みたいに

静か、 ....
赤、青、緑、、、青、青、青……

僕は君に届きたいだけ。でも僕は君に永遠に届かない。
君はメールを通ってやって来る、その行間から、
雨は降り続け、楽しい時も、悲しい時も、
僕は酸性雨の中にい ....

望遠鏡の冷たさ、濡れた道
工場の光は銀河のよう
心臓は空虚を通して鳴る
自意識が膨らむと
みんな影になるんだね
その影が、好き
影の中に歌があり、
宇宙があるのだから


 ....

肉眼? それは眼鏡のレンズの向こう側にある。
どこまで得られるか、どこまで飛べるか、
そんな競争を出来たら。何ひとつ確かじゃない部屋の中で、
床や壁になって、人型の私もまた、この世で生きて ....
私はもう、何も要らない。
ウォークマンに、遠い、遠い空を入れて、
病院の屋上でギターを弾いていたい。
空の白い魚を釣るように、
電線に永遠を見るように、
ただ嘘に塗れたこの世界で、
与えら ....
*1
指先が笑いたくなるような休日。
カーテン越しに花の匂いがする。
テーブルの前で、僕は体温を感じる。
昔から変わらずの歌の中で、
僕は人間を喜び、人間を学び、
相変わらずモノクロでしか ....
8月19日(土)、
 セミの、声がする。僕には、認識出来ないことが多すぎる。分からないことは、ほとんど想像力で補っている。セミは風鈴のように、ただ自然音として鳴いているのか。それとも、あるべき寿命の ....
揺れる、揺れるよ、カーテンは
揺れるよ、揺れる、いつまで揺れる?
孤独な僕の、この部屋で

全て幻想なのだとしても
今日吹く風の清らかなこと

僕は僕とて不安が多く
薬を飲んで、ごまか ....
秋の午後には、詩を読んで、
ギターを弾いて、風景も、
人の挙動も、忘れたい。

中原中也だけを読み、
ニック・ドレイクだけ聴いて、
全てを捨てて、死にたいのです。

秋の午後には、音楽 ....
揺れる。時計の針が飛んで、私は飛んでる私を意識する。
軽蔑する。机の下で眠れない。

魂をよく見たら、汚れているかもしれない。いかれていたかも、しれない。
ペンを電灯に翳せば畝が見えて、太陽を ....
<blank>
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いいえ、どこまでも届くから、
私は背伸びしなくていい。

自分を失うことは本当に美しくて、私は理由のない夢を見る。
そして夢 ....
画集の、印刷の匂い、
――――――――――
私はもはや空っぽで、
何も求めてはいない。

何もかもとお別れして、
真っ白な風の中を消えていくのも、
そう遠くはないだろう。

画集の印 ....
この瞬間、詩になれたら、それだけでいい。

詩は沈黙であって欲しい。

世界が沈黙に包まれたなら。
僕の人生と死は、この瞬間から始まるのだから。
この瞬間だけは、全ては無音であって欲しい。 ....
草原の中に羊さんが住んでいました。お日様はぽかぽかして、お空はどこまでも透きとおり、風は羊さんの羊毛をなびかせて、彼はからだじゅうで微笑していました。歌を歌いながら、「今日も世界は美しいなあ」と羊さん .... 忘れたい思い出ばかりが歩いてる花火が割れたみたいな視界



苦しくて誰も嫌いになれなくて休む暇なく割れる星たち



生きている、街の光は永遠までの道のりを立ち尽くしたまま


 ....
由比良 倖(205)
タイトル カテゴリ Point 日付
季節の海自由詩2+*23/9/15 1:54
逃避自由詩5*23/9/15 1:42
ガラスの中自由詩3*23/9/12 8:19
シグナル自由詩3*23/9/12 8:01
永遠として自由詩2*23/9/12 7:57
自由詩3*23/9/11 0:51
白く、味のしない死んだ軟体のような夢を抱えたまま、僕は出かけ ...自由詩2*23/9/11 0:50
フロムメモリー自由詩123/9/11 0:48
アドレス自由詩3*23/9/9 13:17
(多分)自由詩3*23/9/9 13:08
自由詩4*23/9/9 13:07
きのうのよる、きょうのあさ自由詩4*23/9/8 9:11
奏でる(2)自由詩123/9/8 8:55
奏でる自由詩123/9/8 8:42
届かない光自由詩4*23/9/7 0:07
自由詩7+*23/9/5 3:01
花火自由詩323/9/5 2:59
故郷と、それから自由詩4*23/9/1 22:30
デジタル自由詩2*23/9/1 2:08
自由詩5*23/8/27 19:15
自由詩123/8/24 14:25
日記、あるべきことの哀しさ散文(批評 ...2*23/8/24 4:29
カーテン自由詩123/8/22 14:12
秋の午後自由詩123/8/22 13:47
揺れる自由詩123/8/22 13:31
マイナンバー自由詩223/8/17 5:12
空白自由詩4*23/8/13 19:36
沈黙自由詩4*23/8/12 9:21
羊の話1散文(批評 ...023/8/8 10:34
花火短歌1*23/6/29 22:16

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