宇宙の中と、銀河の中と、機械工場の中では、
同じ音が鳴っていて、
その中ではピンクの火花が弾けている。

そこにあって同時にここに無いもの、
例えば指先の痛み、
モミの樹の林の遠景、
桜 ....
ドアチャイムが鳴ると、
私の体液が震える。

脳髄までが孤独になったような、
ひょっとしたら私の終わり、

私は上の空、
上の空で生きてる、

苦みの空で、
ひとり泡立つ身体を抱え ....
右に行けば心臓が
左には肺の痛みがある
今朝死損なった声帯の
(母子が)
妙に
かゆい

欠けた大空の脳漿が
明るく青く漏れて来て
折れた魚がとってもイギリス訛りで
紺碧の根を枯ら ....
飴玉みたいに脆い強さ。
パソコンは何日もシャットダウンしたまま、
電線でかろうじて街と繋がっているこの部屋。

LEDの電球色
ビートルズ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、
ニック・ド ....
ねえ、生きている?
私は、あなたの影。あなたは煙草の煙の向こうを行ったり来たりして、
私は甘えた一日を、冷蔵庫に寄りかかって暮らしている、緑色に空気は澄んで、

「時々優しい気持ちになれますか ....
まだ青い枇杷が、骨の山から、夕涼みの温度まで、甘い速さを下っていく、
「綺麗にしてよ」、
と太陽が言う、ペン先で人を描く、指先まで死んだ温度、
車も、野原も腐っていく、青い、藪や、一面の野薔薇、 ....
自分を信じられない、私の身体には、
冷たい部分と熱い部分があって、
どちらを差し出せば君が喜ぶか、
私には分からない。だから吐いている、
影の中で、

「さよなら世界」、
眠る間もなく、 ....
1.1
 脳の奥にいつまでも残る風景。この上なく優しくて、これ以上無いくらい、大切な景色。秋の生暖かい涼しさが部屋の中まで浸み入ってきて、全身を包む。とげとげしい、狂った秒針が僕の中で震える。手の付 ....

実在なんか求めない。無意味の白さを私は最初から知っていて、
命は見ることが出来ないけれど感じた、私は私を躍りで満たした、
空は手を伸ばせば届く距離に、心臓は白くディスプレイの向こうに、
私 ....
青い花に飾られた風の椅子 壊れた化石 と愛を失った呪術書は 遠い未来を向いたまま乾いた氷柱になってしまった
水面下 太陽は揺れていた
青く融解された夢
コロナ 太陽を透明に包み込んで冷たくなって ....
汗が流れて、田畑が散る。
畦によろしく、わさびにもよろしく、全世界によろしく。
人型の充電器で、今日は衛兵として、明日は線条結線として。
マリネに込められた、様子見、豆がつぶれ、雲みたいに平静を ....
(あなたは、)

ひとりきりの部屋で目覚め、あなただけが開くことの出来るパソコンの日付に、奇数をかくにんする。
あなたは窓をゆっくりと持ち上げ、首をねじ曲げて、今日の三人称を、水で満たしていく、 ....
僕は僕の知らない表情を浮かべていたから、つまりそれは僕じゃなかった。

あなたは拡い葉っぱのようだった。まるで紙幣みたいに、思い出みたいに揺れていた。
影の中で、
あなたを、僕は誰としても読み ....
僕のオリーブ色の世界は
涼しい部屋、僕の部屋へ南端を張り付けて
外はいつでも火葬場と、冷たい果物の皮、
神経の通った舶来の氷、醒めた屋根、裏庭の水
(コミュニケーションと、くらい泡((

 ....
 悲しいことばかり覚えている。あとは、少しばかりの嬉しいこと。苦しかったことや、怒りや、恐怖は、みんな忘れてしまった。
 十六歳の時、フリースクールのみんなで、お花見だと言って、平日の、誰もいない公 ....
痙攣するプラグを立て、整列する、よろよろした、ねじ曲げて(とろけそうな)パンクチュアルな。心臓の垣根。超えて生きる努力の半分は、犠牲で、とても痛い痛い。

こすれたナイロン
ぜんそくのイソギンチ ....
何も、かもが、生きてる? 生きてる?、目撃してると泣きたくなって、仕方なく笑う私がいるだけ。言葉たちが並んでいく。言葉にならないことの総体として、世界は私の命で精一杯なのですよ。あなたはあなたの感情で .... 君は、暗くて寒い
宇宙の果ての黄色い床に
突っ伏しながらアルコールの
血を、流してる

揮発する花に火を灯して
頭の奥の笑みを喰い殺しつつ

君は、病院の検死結果へ
自分自身の解剖室 ....
……もういいよ、と誰かが言ってくれるまで、
僕は引き裂くように、ギターを弾くだろう。

練炭と七輪が既に捨てられていて、
僕はひどくうろたえてしまった。

610ハップとサンポールを買った ....
僕はここにいて、
ここにしかいない。

暗い部屋の中。
スピーカーから流れ出す、
ニック・ドレイクの歌の中。

僕はここにいて、
ここにしかいない。



街外れの港には、油 ....
おぼえてて、計画的な世界へ。

許されないのはメロディが愛されないこと、それらが
懐疑的に分解され、記号となって、
溶けていく
先は
あなたの、空。

何だか工芸品のように、
    ....
部屋の片付けをしている、
私は自分自身の部屋が嫌いだ、

本は呼吸している、まるで排他的に、
言葉なんか乗り物に過ぎないのに、

私はいっそ修道僧になりたい、
でもそれは世界がつまらない ....
なぜつらいときも君は黙っていなきゃいけないの
なぜ忘れたい思い出ばかりがたまっていくの
なぜ僕らの遊園地には雨が降るの
なぜため息ばかりが簡単に人を殺すの

なぜ人間は平等だなんて言えるの
 ....
ぬるい海域を、影の重みで推進していた。助けて、という声がするから振り向けた私の首には、目が付いていなくて、ただ白いもやもやした、息のような威圧感に 圧倒されて、怯えていた。 二十四時間は、眠るのに十分 .... 絵だって歳を取る。
私は十万人の老人に囲まれて暮らしている。
印象的な微笑みは、
鏡の中に。

寂しさを、睡眠薬で噛んで飲み下す。
リンドウの花が、
蜂の巣の中で咲いている。

人は ....
透き通る日々
未知と無知、それが僕の生きがい
壊れた潜水艦のような
ガラスの声がする


蓮の花
それは知らない言葉に似ている

そして僕は言葉に縋る
音にも縋る

内省的に ....
私は、空を置いてけぼりにして飛ぶ、
笑ったままで、

息を止める、(血が乾いていく
息を止めて、
私の指先の奥から、別の生が、別の命が
始まっていく、

想像して、
想像の、
別の ....
現実はゆるぎなく ゆるぎなく ゆるぎなく
存在している

僕はただその中にいる
皆が連関している
僕の思考も、聞こえる音楽も

ただ愛すること 目の前の現実を
今しかなく愛すること そ ....
詩を書いてあげる
いっぱい詩を書いてあげる
あなたの存在を信じさせてあげる
私の病気の重さに比例して
あなたが私の詩集を破るとき、一ページずつの快感は
加算されていくに、違いないもの

 ....
時の中、耳の腫れの中、今を、数えて。
空気が見える。黒ずみの中に。
十年前、十五年前……今は、段々新しくなる、
ピアノを弾くように。死にものぐるいで
生活していたんだ。

生活に手を差し伸 ....
由比良 倖(205)
タイトル カテゴリ Point 日付
永遠は自由詩2*23/10/5 12:54
理性自由詩2*23/10/4 10:46
無題自由詩1*23/10/4 10:34
小さな夢自由詩4*23/10/4 9:58
ナンセンス自由詩4*23/9/30 10:08
スケープ自由詩2*23/9/30 9:59
陸路自由詩3*23/9/30 9:51
メモ1散文(批評 ...3+*23/9/28 11:21
神経の夢自由詩1+*23/9/26 2:36
海の花の標本自由詩1*23/9/26 2:36
さなぎ自由詩123/9/26 2:35
(ripples)自由詩223/9/24 5:07
残像自由詩2*23/9/24 5:06
水のスープ自由詩4*23/9/24 5:05
小さなメモ散文(批評 ...123/9/22 6:29
(abuse)自由詩223/9/22 6:12
非常ドアの日々自由詩123/9/22 6:09
テロメア自由詩3*23/9/21 6:28
季節の海(2)自由詩123/9/21 6:09
ひとりきりの王国自由詩3*23/9/21 5:57
即興II自由詩3*23/9/19 4:57
消えていく自由詩2*23/9/19 4:57
なぜ自由詩3*23/9/19 4:56
縮図自由詩4*23/9/17 18:16
安定剤の中で自由詩223/9/17 18:10
メモの詩自由詩4*23/9/17 18:05
自由詩3*23/9/16 15:54
ノートから自由詩523/9/16 15:40
詩を自由詩223/9/16 15:14
リチウム自由詩1+*23/9/15 2:02

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