やっぱりここへ逃げてきた
町はひどいところだ
不公平感で濁った
時刻の砂に顔に埋めて
もうわかったから、
悪い言葉をだれにも向けないで
みてるのが辛いもうしんどいよ
....
カフェラテでいい?
うなずいて
禁煙席を探す君
手を振らなくても
だいたい分かるよ
少し静かな
ここが好き。
片方ずつでつながって
一緒に頬杖 ....
カンゴトン 非常階段 靴が先
「閉まるドア ご注意下さい」
すべり込め
夢みる切符 握りしめ、いま
咲かぬまま
枯れ色おびて
秋桜
「ごめん」
ぽつりと
雨は優しく
ドが出ない ピアノみたいだ 二人きり
何度でも ふと手が止まる いま、君は。
前髪を 切ったのにって とがらせる
ほっペより濃い その色が好き
星座とか くだらないって 思っても
あの頃の 名前でさがす 片えくぼ
「できたよ」と {ルビ階下=した}から君の 呼ぶ声で
マフラーの ひと目ひと目に 編み込んで
あらゆる正しい掟とか
価値あるものの創造が
また今日を塗りつぶしていくね
よれた鞄につめ込んで
夜の改札へ放ったら
さかさまのスキップで行こうよ
ひじ突きあって ....
チャイムを無視した昼さがり。
おひさまにちかい
屋上フェンスの脇。
ねぇきいて。
わたしはすこし、
ふつうじゃなくて、
だからくるっていて、
こころが ....
冬の吐息を吸い込んで
淋しいくらいに青い空。
枯れた草の香りと、
乾いた車のひびきと、
あてどないぼくとこの道。
どこへ行ってもいいのに
まぶしいくらい自由 ....
ほどいた髪に
手櫛をとおして
慰める日々の疼き。
つややかな黒を
たわいない指先に
ひとりあそび絡ませ
誰のためでもない夜を
静かに白んでゆく。 ....
はらはらと千切れゆく
はいいろの空のかけら
ひゅうひゅうと
ひょうひょうと
ふきわたる冬の風が
ふとだまりこむとき
かき消してくれないよ
この胸の鼓動 ....
あなたはいま
誰を想っているの。
逢えない夜の窓に
今日だけは
星を忘れていたい。
あなたの隣にいたくて
自分を欺くほどに
もろくなっ ....
狂気的なまでに
空白を埋め尽くす
方程式の解が見えない。
鉛で真っ黒なノートは
消しゴムで白くなるのに
この手で塗りつぶしてきた
塗りつぶされてきた僕の ....
白いシーツにまるまって
すこしの肌寒さを
うでの内側にそっと
抱きよせる
ひきのばされた夢と
まねかれざるうつつに
うっとりとくったりと
心ち ....
「今日あいたい」けど
「今日もあいたい」じゃないの。
二人で歩いてきた
コスモスの小道の先で
僕たちがであったのは
同じ名前の
仲の良い幼なじみで ....
みつめる瞳とみかえす瞳。
抑圧の困惑と放出の誘惑。
装った平静と剥き出しの波動。
刹那。
破られた膜と放たれた粒子。
金色の刃には転がる赤を添えて。
銀色の杯には流れる青を酌み交し ....
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