優しい乖離を抱きしめている空白の午前、見開いた眼の充血はすでに失われたかけがえのないものに照準を合わせ、ショート気味の脳細胞が認識するものは片手で足りる理由だけだった、窓の外には希望を ....
午前零時の開幕のベルは
眠りについた歌声を呼び起こした
まっさらで直撃なエコー
それは肉体が要らなくなったせい
5ピースのバンドと
クラッカーのビートに乗りながら
....
右から左へと内耳を駆け抜ける人間的なハムノイズ脳下垂体の隙間に詰め込んで昇天の妄想、暗証コード知らされぬままの包装紙の中の暗闇で息を詰めている瞬間的に選択されなかった反応の悪い ....
狂騒が染み込んだ脳髄の記憶の配列は
鬱蒼とした森の中で覗く太陽に似て
俺は猛毒を含んだように忙しない
新しい何事かをこうして記そうとする度に
滑落した昨日が執拗に裁断されて ....
牙を剥いた真夜中が俺の脳髄に噛みついて、裂傷のような夢ばかりが繰り返される、血を吐き、枕にしがみつき、気がふれる一歩手前、予感と結果が刺し合い、あらゆる思考が血まみれ、血まみれ、血まみれの ....
ナイフをしのばせろ、もう、愛こそはすべて、うしなわれてしまった
だれもがおまえを殺そうと目論んでる、もし、少しでもあやしげな素振りを見せたら、先手必勝、迷いなく殺っちまえ、警戒する必要もな ....
生きる理由を探していたら歳を食った
疑問符にこだわっていたら嘘に取り巻かれた
嵐のような風が吹く12月をあてどなく彷徨い
街の外れにたどり着いたら張り詰めた空だけがあっ ....
真夜中にまぎれて忍び込む虫どもが頭蓋をくり貫いて脳膜を啜り上げる、夜に棲む奴等にはこの上なく美味なのさ、俺がそこにしまいこんでいるものの湿度は…ずるる、ずるると、小さな身体で懸命に奴等は啜 ....
叫ぶことには理由はつけられない、それが真理に近ければ近い分だけ構造は複雑化していく、考えちゃいけない、頭で何とかしようなんて思っちゃいけない、そんな思案をしている間に果てしない遠くまで離れ ....
何度か
反響して
その後
ピアニシモで
消えた
短い言葉
爪先が弾いた
小石のようだった
リコシェ
アルデンテを
やたらとウリにしてる
リストランテの ....
深遠は時を弾丸に変えて、一秒ごとに撃ち込んでくる、そのたびに俺の肉体には風穴が開いて、末端からちぎれそうになってだらしなくぶら下がる、経路を断たれた血はぼたぼたと連弾のように床に落ちてまるでイ ....
それはたしかあたしがまだ一五だか六のころで、だけどそれが記憶としてほんとにただしいのかなんてまるで自信なんかないんだけど、とにかくその頃。街の外れの、ファンタズムっていう名前のバーだったわ。半地 ....
硬直した男根を吸い上げる炎にも似た女の表情が大写しになっているデスクトップ、唾液の滴る音まで聞こえてくるような絵面だった、バックグラウンドミュージックはずっと同じリズムをキープしていて、終ろう ....
にんげんに生まれなくてよかった
ありあわせの価値観や
なあなあの絆で
日々を適当に真面目にやる
にんげんに生まれなくてよかった
にんげんに生まれなくてよかった
....
雨上がりの朝、快晴の路上で渇いている君の瞬間の思想は、枯れた蒲公英のように末期だ、種はすべて失われてしまった、理由を残していながらもう形骸化している、あとはチョークみたいに安直に折れるだけ、秋 ....
コールの途切れた公衆電話のぶらさがったままの受話器からは必ず報われぬ亡霊たちの呻き声が聞こえてくる、コミットなんか出来ない、出来るわけがない、その回線はもうどこにも繋がれてはいないんだ ....
ただただ夜が
石畳のうえで時を数えていた
ささやき声のような星が
いくつか浮かんでいた薄曇りの零時
駆け抜けて行ったモーターバイクが
どんな行先を目指しているか賭けてみ ....
崩落した記憶は
心の底に蓄積するままにしておけ
無理に掘り出そうとしても
指先を傷つけるだけ
荒れた舌のような色の夕焼けを見た日に
幾つかの欠片が取り戻せないところまで ....
残酷な怠惰の中、識別出来ない羅列が羽虫の様に群がっては這い回り、必要の無い軌跡ばかりが脳髄に刻まれていく、高速回転の無意味、転送されていく空虚…根の緩んだ奥歯の揺らめきは危うくなった自己の ....
鋭利な刃物で削がれたみたいに二十三夜目の月は欠けて、煮詰め過ぎたジャガイモのようなどろんとした色をしていた、シャーマニズムに傾倒するアマンダは香の立ち込める薄暗い部屋で観念的な詩文を綴って ....
荒れ果てた夜を
隠された夜を
打ちのめされた夜を
くずおれた夜を
バラードがレクイエムのように
人気のない街角に流れて
霧に濡れた路上で
二度と開くことのな ....
何かを綴ろうとして感情が一目散
転がり落ちる一日の終わりが
階段のいちばん下で悪い頭の打ち方をして昇天
きちがいじみた断末魔だった
どうしてやることも出来やしない
通信を何 ....
筋道は分解されて散乱して幾つかは紛失した、もうそれ以上今までのことに固執していてはならない、死体を愛すると陰茎から壊死してくるぜ、暴発を繰り返すようになったら終わりさ、ところかまわず撃ちま ....
したたかに濡れたひな菊のとなりで
腐り果てた一羽の雀
受け止める土は泥のようで
月の光も届かない
空家と廃屋に挟まれた僅かな路地のことだった
塗り潰されたような目
塗り潰された ....
リコーダーの音色が遠くから聞こえる
折りたたまれた一日を鞄につめて
打ちひしがれた男が国道の端を歩いている
盲人用信号の機械的な音楽
リコーダーの音色が遠くから聞こえる
....
真っ逆さまに上昇する夢で果てた転寝は
鼠色の夜更けを窓のそばに連れてきた
手のひらが釘を打ちつけられたように痛むので
ゴルゴダの丘に呪詛を吹きかけた
尖がった唇には幼い ....
俺は一九七〇年に生まれた、鏡川の近くの、へその緒を雑に扱う産婦人科医の手によって―生まれてろくに息もしてないうちに肺炎にかかり、「あの子はもうダメだ」と皆に諦められた、俺はまだヒューヒューとか細い息を ....
動機の無い目覚めと、衝動の無い日常、心肺停止を示すグラフのようなループが、カレンダーを塗り潰して、ぼろきれのように疲労困憊だ、魂が不要な循環、埃のように自分自身は内奥のすみに追いやられる、神風を信 ....
概念上の自動拳銃の引鉄が脳下垂体のなにがしかに風穴を開ける時、眼球はコントラストのバランスを僅かに淡くして、忘れられた観賞用水槽の中の、小魚の死体を含んだ腐った水のような白になる、ゼラチン ....
おまえのためのものじゃない、その
激しいギターのうねりも
おまえのためのものじゃない、その
強烈な言葉の羅列も
おまえのためのものじゃない
世界を振動させるリズム
....
ホロウ・シカエルボク
(1229)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
産まれた理由は還るべきところへ向かう
自由詩
2*
14/2/11 12:13
骨を抱く
自由詩
3*
14/2/9 22:59
異教徒の無数の傷口には自らを断罪する理由が記されている
自由詩
0
14/2/3 0:32
そして最後に置かれた死のかたちは揺れるようにもがき続けるだろ ...
自由詩
2*
14/1/26 22:06
殺しに至る感情のライン (Circle)
自由詩
2*
14/1/19 21:44
ナイフをしのばせろ
自由詩
1*
14/1/13 16:00
ストレンジャー・ザン・サイレンス
自由詩
8*
13/12/12 23:56
おいでよ、虫食いの予感 (かしゃ、かしゃ、ずるる)
自由詩
2*
13/12/4 1:51
高速回転は余計なものを弾き飛ばしていく
自由詩
3*
13/11/25 0:54
効率が悪い
自由詩
2*
13/11/17 9:38
棺の蓋にはラッカースプレーでこう書いてくれ、「出来る限りの速 ...
自由詩
1*
13/11/15 1:42
思い出の痛みは嘘になる
散文(批評 ...
1*
13/11/2 22:51
俺はこれを選んだ(含まれる代わりに)
自由詩
3*
13/10/27 16:48
にんげんに生まれなくてよかった
自由詩
5*
13/10/25 22:28
食卓に散乱した過去の血が詩篇の様に示唆している未来
自由詩
1*
13/10/19 21:26
散弾銃の硝煙の妄想と瞬きの間だけの小さな虹
自由詩
2*
13/10/13 15:41
「なにしにきたの」
自由詩
4*
13/10/10 0:55
まるで他人事のように自分の冥福を祈る
自由詩
5*
13/10/8 23:26
赤黒い血飛沫のバラッド
自由詩
2*
13/9/29 23:03
月夜の晩、私は、河原の葦になってクレーターをなぞり
自由詩
2*
13/9/25 1:19
夜明けまでの闇は果てしなく
自由詩
8*
13/9/22 0:02
もし、そんなことをしたら…
自由詩
3*
13/9/17 0:40
浅黒い日中に突き刺さる鈍重な乖離
自由詩
1*
13/9/15 15:11
一滴の死
自由詩
4*
13/9/15 0:15
キャッチ・ザ・スカイ
自由詩
2*
13/9/11 0:00
観念はあっという間に古びては消えてゆくものだ
自由詩
3*
13/9/4 23:40
半身壊れた野郎、ブン回せ言葉の鞭
自由詩
1*
13/9/1 22:05
どこで、なにが、なにを、すべての疑問は泳がせておけばいい
自由詩
2*
13/8/28 0:10
音の無い時間には血液の足音が聞こえる
自由詩
0*
13/8/17 13:09
おまえのためのものじゃない
自由詩
4*
13/8/15 23:09
6
7
8
9
10
11
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