出盛りのいちご安値や紅ほっぺ
梅雨前の草の伸びしろ如何にせむ
今時分あの里田植えしつらむや
季は移り柚子の花弁の散り果つる
途切れなき来訪者あり五月晴
聖五月寿命を憂ふ{ルビ媼=おうな}来ぬ
闇の中宵待草の灯がともる
風薫る自慢話を聴く余裕
隣家よりハタとふ魚の御礼あり
糠雨や草も混じりてあやめ咲く
優劣の付かぬ五月の花{ルビ美=うま}し
赤き実の風に擦れ合ふさくらんぼ
雨上がり山の若葉のグラデーション
夕闇やみかんの花の香に寄する
人棲まぬ庭の切株{ルビ躑躅=つつじ}咲く
花の名を問ふてしらんと遊びけり
孫可愛い母の日あるを忘れをり
{ルビ夫=つま}の忌や庭は若葉の森となる
子は餃子作り置きして帰りけり
野良猫も居心地の良き木陰かな
筍と米五キロ買う日和なり
シーツ干す鶯の声たどたどし
水風呂で整う人の摩訶不思議
春の風粗大ごみの日のベビーカー
道草する犬とイヌフグリの青よ
春嵐生きとし生ける者の今
子の贈りし藤の鉢植え花新た
桜散り人伝に知る一つの死
甘やかな薄紅窓辺のスィートピー
さくら散る しゃらくせいと 写楽言い
米 季語 さくら
吾寄する{ルビ車座=くるまざ}対話や春の会
群れ咲ける黄のフリージア切らず置く
{ルビ韮=にら}を摘む{ルビ衣=ころも}の裾を濡らしつつ
寸前で止めてくれてる温湿度
お花見の山より臨む海の町
花と葉と混じりて咲ける山桜
見下ろせば白波のごと桜咲く
指定校推薦欲しい春の雪
春暁や小窓の空に星光る
春遊歩二言三言のご縁かな
話し掛く菜の花畑の人形に
笊一杯ちぎる青菜の柔らかし
花桃や親交ありしひと覚ゆ
寒くない朝久しぶり君と会う
春めくも雪や雨なり風に冷ゆ
春の空キラキラネームの球児散る
春の朝血飛沫が舞う生配信
陽炎となってあなたのもとを去る
春の夜LINEで百万無心する
淡雪の小花と肩に落ちて消ゆ
{ルビ去年=こぞ}摘みし土手の{ルビ土筆=つくし}の{ルビ生=お}ふるらむ
{ルビ畑=はた}に生ふ{ルビ蓬=よもぎ}は{ルビ夕餉=ゆうげ}の餅となり
雨ば ....
忘れても忘れても噛み跡に花
零れ咲く古木の梅の華やげり
春浅き深山に響く瀬音かな
春泥をよけて散歩や万歩計
如何にせむ納戸に眠る{ルビ雛=ひいな}かな
老いて尚学びの春に仲間入り
タバコ吸う朝ひと時の冬送り
タイ国の王道歩く我ひとり
*今朝は少し暖かくなりました。
アラジンのランプのようにスマホの中に入りそう
街を歩いているのかスマホを歩いているのか分からない人
古タオル猫古タオル?道に転がるマフラーだった
野心が目鼻つけて歩いている
高値付く伊予柑奮発して{ルビ夕餉=ゆうげ}
草刈る{ルビ漢=をとこ}畑に残す仏の座
春の日のぬくもり残る衣を畳む
スーパーの開店うれしむ四月とや
風の中凛と白梅七分咲き
とんねるを抜けて菜の花伊予街道
今年初庭一面の春の雪
曇天や部屋干し続く冬隣
寒晴れに鰤ほろ酔ふ藻陸蓮根
寒さより不在の君のツイートよ
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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