黄落やフリージャズのジャムセッション
スリッパを履いたまま黄落の街
黄落の庭に楽譜の散らばりぬ
黄落の運動場で逆上がり
鯔を釣る水平線へ投げた針
いとし君去りゆきし窓に由比のはま
四つ脚の消波ブロック鯔かかる
鯔釣りのアタリ待つ竿防波堤
鯔飛ぶやドラムロールの如き雨
万年青の実風にのりたるファンファーレ
昨日より高く飛べたよ万年青の実
病室に別れを告げて万年青の実
万年青の実胴上げをしてビールかけ
後の月夜行バス待つ男女かな
耳遠くなりたる犬や後の月
好きな人 見ているだけで いい匂い
病んだ手が襖を開ける後の月
後の月祖父の形見のネックレス
不知火の下に嫁入り前の龍
不知火の出て断崖に風の吹く
不知火や水平線へ鉄の船
みんな死にみんな桜となりにけり
不知火やアトランティスの子守唄
原子力空母のデッキ小鳥来る
恋文を代筆する手小鳥来る
虫売りは表の顔でヒットマン
紫の雨降る夜の冬薔薇
消火用バケツの帽子雪だるま
忘年会わざと忘れたピルとゴム
我が墓に塒巻く双頭の蛇
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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