きらめく光の旋律
今宵に響く新鮮さ
ソナタが美しく香る音曲
究極に愛する想いの凝縮楽
旋律が奏でる往復書簡
トッカータとフーガに心騒めく
下町を漂う香り
夜に流れるバンドネオン
ブエノスアイレスが歎く夜
想いが叫ぶ優しさ
午前0時の夜散歩
清流に立ちて魚を釣りたし
久々の緩やかに浸る想い
鳥肌の立つせめぎ合い
音に酔い今宵食べずに終わる夜
琥珀に漂いスロウダンサーと舞う
紫煙が流れ涙さそう部屋ひとり
夏に置き去りのインスピレーション
赤いハイヒール残した君は何処へゆく
朝顔のような君の笑顔
....
ほろりほろりと闇夜を歩く
宵闇に想い消えゆく虫の音
乱調は我がならいとて夜に泣く
琥珀に溺れた胡弓の余韻
秋風が薄い肩を抱きしめる
てのひらに転がる珠玉の夜
伽 ....
学校へ行こうと目高泳ぎをり
覗く子が目高の空を暗くする
石臼にメダカがいますの貼り紙
初浴衣 頬に紅指す 金魚玉
空蝉を踏みつけ踏みつけ子がはしゃぐ
足の先までもが蝉であった殻
蝉成れず死んだのだろう重い殻
蝉殻に残された唯白い糸
ひとり部屋
土足厳禁
....
デパートの屋上に猿南風
オチのないエピソード黒猫の秋
立秋や猫の肉球ぷーにぷに
黒猫の背なの曲線今朝の秋
蜩や東京までは恋のなか
蜩の声や形見のハーモニカ
かなかなと告白できぬ帰り道
洗ひ髪束ねて一人待つ始発
きりぎりす機嫌よろしく朝帰り
赤い雨
....
鬼灯鳴らす娘の余韻
朝顔に夢をたくす四万六千日
夏風に明珍の音静か鳴る
すずろなる橋をわたる下駄の音
モロコシ茹でて塩をふる
さらさらときらめく水辺のほとり
夢にみたイーハトーヴの森の音
透明な糸ひく山女魚の青さ
ミズナラを抱きよせ水の音聞く
春楡の巨木にたたずむ君の面影
ちりりんと今宵の風は静かに
百花繚乱沈香の花咲く夜
月宮に渡る桂の橋はそぞろ鳴る
羅国の涙はルビィ色
手のひらに転がる珠玉に酔う
真夜中に彷徨い歩き青蛾に触る
....
いま漆黒の夜空を歩く
チャルメラは永遠に来なくなった 警察への怒り爆発
漆黒の伽羅より沈香いとおかし
白檀の怪しい香りが闇に漂う
名を亡くす六国五味のかおり豊か
強引 ....
絶空の 耳裂く声に 黒とんぼ
見送りの駅のホームや金魚玉
振り切った涙一粒金魚玉
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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