すべてのおすすめ
言葉が足りな過ぎても、多過ぎても、
どちらにしても傷つけてしまう
伝わっているのか気になって
伝わり過ぎてしまっていないかも気になって
調度良い と感じるまでの ....
雨の糸
紡いで布を織る
星の子
風邪を引かぬように
七夕
願い事を書いた短冊
白紙の未来
ペン先がじっとみつめている
願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
虹の画家の回顧展を見に行った
虹のグラデーションで染め上がられた
フォルムの絵ばかりが流布していて
そんな絵しか描いていない
と思っていたから
異形のフォルムを纏った
怪物のような ....
「怒」
怒れ
とりあえず怒れ
開けろ
風穴を開けろ
亀裂でもいい
そこから侵入しろ
浸透でもいい
じっとり考えながら浸透しろ
正義ではない
生活だ
....
白いミルクに 足先を浸す
グラスに浮かんだ 臆病な飛行船は
午後の温度に溶けていく
飾りだけの生活や
苦し紛れの性格に
飽き飽きしたころ
夏の気配を感じた
ノートの罫線に陽の光が ....
雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている
傘をさすのをあきらめて
抱きあった
抱きあえば
しんまで濡れて
雨ふるふる
あきらめる
いまごろどこかで
かわいて ....
階段をあがってゆく
雲への階段を
水色ののぞく階段を
死んだように生きている
生きているはずなのに死んでいる
大海原のいちめんに
ひかりが刺さっている
太 ....
別れの朝
男に眉カットをせがんだ
手先の器用な男は
小さなハサミで
体をまげて
カットしてゆく
接近した顔に
息がかかる
ほらできた
すっきりとした眉
ありがと ....
半分皮を剥がれた人体模型
ホルマリン漬けの胎児
『密会』と言う名がふさわしい場所
此処で総てが始まり、総てが終わった
もう二度と戻らない蜜月
....
月の雫が星の子なら
ひかっているのがわかります
蛍が真似て
ほんのりひかる
あたしとあなたの
心のなかも
てんてんと
ひかればいい
この闇のなか
吐く息が白くなって
煙草の煙と区別がつかなくなる頃
私は失恋をして
ショートホープを買った
短めの煙草は
涙が乾くのも待たない
ケント紙の家の中で
リンゴを煮ていると
蟻が集まってきて
椅子の傾きを直してくれる
サーカスのあった夜
話もないのに
冷蔵庫を開けた
‬
これは友人の女性の話なんですけど、
その女性の旦那さんていうのがね、なかなかの古書コレクターで、
古い推理小説とかをたくさん集めてて、それをこう、ずらーっと本棚に並べてね、
それを眺めながら ....
カノープス
君は古びた飛行船 がたがたと鈍い音を立てて
かみなり雲の中を いつまでも飛び続けている
流れ星が追い抜いて飛んでった 遥か遠くへと
選ばれた誰かの名前を その輝く尻尾に宿して
....
夏の盛りの
透明な記憶の破片
縁側のよしずの陰の
幼すぎた沈黙
君のちっちゃい手が
大人びた仕草で
泡立つコップを
気まずさの真ん中に
ふたつ置いた
言葉の結び目が
....
小さな花が
音も無く咲くとき
小さいなりの輝きがあるだろう
太陽は
惜しみなく笑顔を贈るだろう
私たちは
知っている
どんな花も魂をゆさぶると
小さい花は
小さいことを
....
ひとはだれでも忘れられていく
忘れないでと言われても
忘れないと誓っても
最初はその顔も憶えていたのに
少しずつ歳月が流れると
時の鑢に削られていくように
顔立ちは輪郭だけになり
....
71
右手に吹いた風が
左手に届く
200CCの献血
等級の低い列車で
ここまで来た
会議が始まる
72
プラスチックの空
消し忘れた電線の跡
眠るだけ眠ると ....
雲をながめたり
雨をながめたり
次第におおいかぶさる
暗闇の手をながめたり
そのたびに
母に
「またぼんやりして」
と言われた
私は
実にぼんやりした子どもだったのだろう
....
わたしを救いたいなら
あの月を涙でくるんで
そして、ピアスにしてください
すこし太った と
しわだらけのあなたが言う
たしかに
しわの数はへっていないけれど
わずかに 浅くはなっている
一年ぶりに 団地にUターンしたのが良かったのか
また
独居 ....
初潮ということばが
海のことばみたいなのはなぜかしら
などと考えていた頃に
おまえの家は紙の家だとからかわれ
わたしは学校へ行けなくなった
わたしは紙のにおいが好きだった
ノートのにお ....
うちのベランダに
よさげな苔が生えている
コンクリートのひびから
もこもここと
ふさりふさりと
緑色からエメラルドグリーンへ
鈍く光っていき
それはなんだかシ ....
{画像=120624184853.jpg}
突然の雨に読みかけの新聞を掲げ
歩き出すと
ポタポタ
新聞紙に残る雨痕は
不思議に一定方向に跳ねが伸びて
跳んで
僕は誘われて歩いて行 ....
道に沿って歩いていくときに
目を閉じた
東京タワーの寝言が聴こえた
おやすみなさい。
安らかに
誰の優しさ汚すこともなく
眠りに就くあなたを見守ろう
昨日見た飛行船の夢が
今日 ....
{引用=
ひとつの魂でゆける距離には、限りがあり、人が泣きたくなるときには、
そこにたどりつけないことを既に知らされている、夏の舌を通過する中
央線、転がる発泡酒の空き缶、そのなかには、いくつも ....
水たまりに浮かべた
葉っぱの
軽さ
しゃぼん玉を泳がせる
そよ風の
軽さ
羽毛の軽さ
まつ毛の軽さ
この世でいちばん軽いものはなに?
飛んでいく風船
手放し ....
星の葉に 水が降る
誰も招ばぬ
誰も呼ばぬ
夜を醒ます雨
背に生やし
遠去かる冬
無と無のはざま
小さく問うもの
窓の外は絵
いつか 消える
....
壁に吊されて
忘れたいことなどありはしない
色とりどりの画鋲が
それぞれの過去を留める
僕は整理できない
だから
貼っておきたいんだ
伝言板のように
メモみたいな思い出から
....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ
だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12