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季節が
ずい分かわってしまって
空はかなしい
部屋のなかには
あなたにあげられなかったものばかり
散らばって
真ん中に
あなたのかたちの不在がのこる
扉のむこうはひかっ ....
あるいはこれが
さびしさなら
まだ よかったね
線路のわきの
姫女苑
のこった青に
境界を引き
のばした先に
ぬれた鉄柵
あるいはこれに
なまえがあれば
なぐさめ ....
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき
そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
きれいにつみかさねた夜でできたお城
ぴかぴかに磨かれた言葉たち
いい匂いのする分厚いカーテンをくぐって
しらじらしい朝をくぐって
いくつものいくつもの
いくつもの肌をふみにじって
....
雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている
傘をさすのをあきらめて
抱きあった
抱きあえば
しんまで濡れて
雨ふるふる
あきらめる
いまごろどこかで
かわいて ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ
だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
....
曇天。呼び出しに答え、すぐに放り出されたあと、ひとりで水族館へいく。
締め切り時間間際にくぐるゲート。入ったあとすぐに、うしろでシャッターが閉まる音。
館内は暗く、ごく控えめな音量で歌詞のない ....
海にでる  列車は
これでさいごだよ
指をさす老婆の皮膚は
ひびわれて
海へ
願った
最初のことばだけを
かばんにつめて
ふるえていた
かきかえられた地図と
....