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裸足で歩こう
もともと
裸足で生まれてきたのに
飾ることを覚えたから
うまく歩けなくなったんだ
裸足で歩こう
危険だというけど
今 以上に危険なんてない
確かめればいい
傷つ ....
遠い異国の丘にある
旅先の宿で、軋む階段をのぼり
入った部屋の開かれた窓から、身を乗り出し
いちめんの街を見渡す
日々背負っていた
「悩み」という名の重たい荷物が
ここでは ....
最初から、少年も
少女もいなかった
ただ、名前すらない、
願いのようのものが二つ、
風の中で
寄り添っているだけだった
大人ってばかだね
大人ってばかだね
そんなことを
....
ふしあわせを
全部抱え込んだようなふり
してさ
きみは息をしているみたいな
ことをいう
ひくつになって
誰かのせいにして
世の中のせいにして
いきていくのはしんどいね
....
圧縮されたファイル
記憶という
過ぎ去った時間
遠くで花火の音
安全地帯からは
それをみることは叶わない
蒸れた熱が
蜃気楼のように、ゆらぎ
ここではない何処かへ連れていく
....
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曇り空が雨になった
今日も外はたっぷりの湿気と
喉を締め付ける暑さだ
雨滴が大きくなって硝子を叩く
雫が流れていく
交差点は水煙 ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて
物思いに耽る蛙と
草むらに潜む
文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて
何を読みたいわけでもなく
....
黄昏時の青空に
遠く聞こえる 唸り声
暮れゆく山の稜線に
赤く響く 叫び声
黒く染めゆく山肌の
静かに震える 樹々の声
天空高く呼びかける
言葉の辛さ 曖昧さ
生きる ....
西瓜の皮の饐えた
匂い
溶けかけたアスファルトの
執着
潮の香りで擦り剥けた
夜明け
逆光の中で振り返った
誰か
何処から剥がれ落ちたのか
皆目見当がつかない
....
夏を待つ間
透明な
ガラスのコップに
冷たい水を注ぐ
満ちていく
満たされていく
透明な入れ物に
透明の中身で
夏が来る頃
どこからともなく
水滴が現われて
コップの魂を ....
忘れられた歌
幼い日の
遠い記憶と
優しい嘘
軽い眩暈と
心臓の鉛
どこまで潜ってゆくの
どこまで走ってゆくの
世界は等しく朝を迎えるけれど ....
うすっぺらな私はとにかく
なんでもいいから
そこらじゅうに溢れ落ちている言葉を拾う
うすっぺらな
紙に書かれているセリフを
ぺろりと舌に乗せて
呑み込む
うすっぺらな
スクリー ....
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき
そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
鉛筆を研いでる間に書きたい事を忘れてしまう
(何もしなかった日)
原寸大のあいを
ゆりかごで揺らす
太陽のひかりを浴びて
おおきく育まれた
栄養素というむすびつき
遠くで誰それが呼んで
名があかく色づいたよう
葉脈を通って
根から吸い ....
ちいさなフリルの紅が
ちぢれた風に
澄ました顔でゆれている
百日咲いたら散ってゆく
蒸す日差しの
恩師の休むベッドの上
疲れたからだを考えたら
さるすべり ....
停泊中のフェリー
汽笛を鳴らし動き出す
運河を越えて大海原へ
波に流されることなく
様々思いをその身に携え
水平線の遥かその先へ
乗り越えられない夜があって
置き去りになった思い ....
夜の駅、少年と少女は
ベンチに座っていた
この町を出たかった
手の中には僅かのお金
二人だけで生活するには
あまりに幼かった
それなのに小人料金では
もうどこにも行けない
....
知らず知らずに
君を刺していた
心の何処かが軋んで
君を刺していた
誰にだって
有り得ることなんだ
僕達は棘を抱えて
生まれてきたんだから
気をつけていても
何処かの ....
せかされている
背中に目をおいて
前などよく 見もせずに走っている
だからだれかを
なにかを 思いやることなどできずに
立ち止まるには勇気がいる
もの言わぬイキモノに
救いを ....
木枯らしが冷たい夜を運んでは
僕の処へ置いてゆく
仰ぎ見る丸い月に心も奪われ
僕の存在まで不確かな
無様なものへと変えてゆく
トロトロに蕩けた女への愛情が
女と男の狭間で揺れる橋のよう ....
何も解らぬまま
生きてゆくなんて
夜と闇の区別もつかないなんて
大禍時が クス と笑う
空は今も蒼いか
海は凪いでいるか
電撃を受けた
その心は
未だ
燃えているか
沈まぬ ....
ここでは朱
こっちでは薄緑
紫陽花って
ほんとうはどれなんだろうね
ぜんぶだよ
雫がおちる雨上がり
ひとつにしたい私の心
見透かされて
じりじり太陽が照らす
いろんな色の ....
今夜は眠りたまうな
私がついていてあげます
なにものにも触れさせない
この蚊帳のなかの
ひとつの世界
行灯を消さずに
涙を流したまへ
悲しみなくした喜びに
打ち震えたまへ
私の心 ....
きれいにつみかさねた夜でできたお城
ぴかぴかに磨かれた言葉たち
いい匂いのする分厚いカーテンをくぐって
しらじらしい朝をくぐって
いくつものいくつもの
いくつもの肌をふみにじって
....
月が
奏で、
室外機が歌う
実直な夜
君が
眠りにつく頃には
風が
そっと
欄干を滑り落ちて
夢の水へ沈む
....
{画像=120712230355.jpg}
わたしは
何処へ行くのだろう。
足元だけを見て
歩いてきた。
行先なんて決まってなくて
ただひたすらに進 ....
飲みこんだ真珠や
赤いブレスレッド
すべてを撫でる風は吹く
温度を忘れても
冬をほどけば
空に明日が生まれる
夜を閉じて
支度をしよう
窓の外から歌が聴こえる
見て、朝が来る
あまだれが落ちるのを
じっと見ていた
そんな日があった
そんな子どもだった
樋の下でふくらんで
まっすぐ地面に落ちてくる
ああ
あまだれが1ぴき死んだ
あまだれが2ひき死んだ
....
もし雲に
乗れたら
世界中を
旅するのに
もし雨に
なれたら
渇いた花に
水をやれるのに
もし空に
なれたら
困っている人に
手を貸せるのに
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