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言葉の中に
小さな石を見つけた
それはとても赤く
とても美しい色で
鳥を打ち落とした
 わたしたちのうつくしい夏は過ぎ去り
 ただ ぎらぎらとした陽炎ばかりが
 道すじに燃え残っているけれど
 二度とあうことのない確信は
 耳元で鳴る音叉のように
 気だるい波紋をいくえにも広 ....
大雨が降ると川は決まって氾濫した
田畑や家はその度に浸水した
人々は土嚢を積みポンプで水を汲み上げたりしたが
結局は自然に水が引くのを待つしかなかった
ある年、河川管理者である県によって
大 ....
ブルース聴かせて
友達がそう言ったのはいつだったろう
その夜に僕たちは並んで写真を撮った

この町を出ていくと聞いてから
僕は戸棚を漁って古いアルバムを捜しているのだが

少し ....
  5

ささやきとゆめとで満たされている

乳白色の匂いが駆け巡り
スカートの裾と共に影がゆれる

したたかに群れるとりどりの手足に
手招かれるのは
おなじ匂いをさせる 少女

 ....
空を知らないぼくは
うまく空というものを描けない

ぐるぐる巻きのパー
あれを太陽だと信じているから
漫画の吹き出しみたいな形
あれを雲だと信じているから

今日も空っぽの卵の中で居候 ....
揺れる草の歌を
聴こうというのだろうか
歌おうというのだろうか
草の名も
知らないまま
指先が風を求めている
腕が踊りだして
足取りは流れて
太陽の光に浮かれてしまえば
もう
ここ ....
つかめないから

つかもうとする

するりとぬける

透明くらげ

ゆらめくあいだに

消えてしまう

とどまらないから 不安になるよ

こっけいなふり

無理なく笑う ....


教授の息子は
父親の話す世界を
土を捏ねてひとつずつ作り
アダムやイヴのかわりに
幼いころから憧れていた
ネイティヴの顔を描いた

はるか

はるかの時の後で
ただ
 ....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく


うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち


昇るもの ....
春の雨が
細く断続的に降る
風が吹いて
竹の葉が軽い音をたててはじく
雨の音は
こまやかに落ちる
しまい込んでいた
奥底の溝に

いつの間にか濡れる
銀色の針のようなしたたかな ....
取り違えられた

色の壁
名前を聞かれて
「青」
と答えてしまう

投げた
配水管の中に
あいまいな
猫が
右目がつぶれてしまって
横たわっている
弧を描いたらしい
血が ....
シルクハットを鏡のなかに投げ入れると
鏡のなかのじぶんが投げ返してくる


さみしい 中年詩人の ひとり遊び


ある朝 いつものように あいさつがわりに 
シルクハットを鏡のなかに投 ....
床下の古い梅酒の甕の中に
老女が一人 ちんまりと正座している
皺だらけの顔でにこにこと笑いながら
一匹の小さな透明な竜と遊んでいる

琥珀色に澄んだ酒の中で 軽く竜を弾く
竜 ....
川のせせらぎかと思った
マンホールの奥に それはある
空気入れで押し込めたタイヤの中にも
 いわば
作りかけでいたはずの 夏の星座
暗闇を並べるのは不自由するばかりで
地平まで 窓に映る蛍 ....
人の記憶は一日で砂になる
そして跡形も無く崩れた後は 命の不安定な支持地盤になる

(先月一昨日、引き篭もっていた妹を外に連れ出した溜池山王駅前の喫茶店に)

「紅茶好き。砂糖入れまくり」
 ....
あわいにたゆたうスポンジ状の光。向かい側では何を喋っていたか。蝶のトケルマデ、またいで、くらんで、主人公たちにルビをあてる。
後ろの正面に泳いでいる黒衣も、また、体制を整えている。寝返りを打つ度の痛 ....
ただの生活の中を
ただの生活だなんて言って
大して感動もせずにフラフラ生きてたら
ときどき前方不注意で
誰かの真摯な想いの背中にどしんとぶつかることがある
いい加減見かねた神様にマジビンタを ....
「働くホームレスになる」なんて
半年前には冗談交じりで言っていた

無精ヒゲに長い髪がよく似合う
黒猫を抱いた横顔が
少し悪びれてて好きだった

そんなあなたの髪が短くなって
三月、白 ....
  手を赤く染める雨を一粒。
  摘んで捕まえた。
  つぶしてしまわないようにそうっと。
  空に泳ぐ寸前の雫の形のまま。
  目の前にぶら下げる。
 「こんにちは」
 (こ ....
子どもたちのかおり水はかがやく
わたしの足をのみさらうもの
それはとても自由な戯れに見えたけれど
目をとじて 耳をすませば
ひとつの韻律をかんじるわ
わたしもむかしは うたでした

 も ....
何も見えなくていいのだ
握りつぶしてきた虫の数を数えてみようったって
できない
地球の反対側の生き死にだって見えやしない
私は限りあるイキモノであって
書物だのインターネットだのが親切にも教 ....
{引用=




  金色が たおれる 欠伸が 蔓延する 
  蛙のうた こもる ねむれない 五月 日々の罅に 滲む
           ゆううつの 書物 ふあんていの音楽
  刺身 ....
「777円」

某ディスカウントショップの店頭に
所狭しと大量に陳列されている
サウナスーツに貼り付けられた値段


食い散らかした菓子袋やら
缶ビィルの後片付けもそこそこに
はずみ ....
友達から葉書が来た
「マイナーチェンジしました。これからもよろしく。」
とあった

その友達に街で偶然会った
以前は、にこにこしていてよく喋る友達だったのに
妙に暗い
そっちのマイナーか ....
ピンクの透明なライターを
すかして落ちる電球の光は
穏やかな菱形にゆれていて
口をあけてすごした何百回の夜を
あくびなみだのふるえにも似て
思い出させた
夜の路地を行く人々は
人々
だ ....
風が、やんだ

鳥の声を探して
下草に濡れたのは
迷い込んだ足と
慰めの小さな青い花

遠ざかっていた場所へ
私を誘う手は
湿っていて
それでいて
優しいから
触れたところから ....
テレビが湿っている
ただで人からもらった
のだから仕方がないけれど
水分をたっぷりと含み
少し軟らかい感じがする
付属のリモコンも
ただで人からもらったから
同じように湿って
チャンネ ....
懸賞好きの母が
手当たり次第に応募している懸賞が当たった
「サナギ一年分」だそうだ

当然母は家族からさんざん責められた
そんなものが一年間も毎日送りつけられたらたまったものじゃない
特に ....
テレビの画面いっぱいに
モザイクがかかっている
娘は笑って見ているから
面白いアニメか何かなのだろう
低俗なものはきちんと排除され
僕らは安心を手に入れる
新聞の記事にもモザイクはかけられ ....
石田 圭太さんの自由詩おすすめリスト(1332)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
プロテナリア- プル式自由詩6*07-5-18
暗渠- 月夜野自由詩17*07-5-17
やわらかい肩- たもつ自由詩1107-5-13
ブルース聴かせて- 黒田人柱自由詩2207-5-13
スライド(抄)_5- 自由詩11*07-5-13
空を知らない- しでん自由詩8*07-5-12
平原のちいさなあしあと- 貝だった ...自由詩907-5-11
透明くらげ- なきむし自由詩607-5-10
ミシガン・レリックス_- AB(な ...自由詩1107-5-10
午後の声- 木立 悟自由詩2007-5-10
春の雨、森で- 九谷夏紀自由詩707-5-9
真夏日- 水町綜助自由詩30*07-5-9
ゲームの規則- 藤原 実自由詩4*07-5-8
古梅酒- リーフレ ...自由詩10*07-5-7
帰還(feedback)- 高橋良幸自由詩1207-5-7
石少義女末_-snuggly_might-_〜溜池山王駅前外 ...- 人間自由詩307-5-6
セッション_一、二、三- クマクマ自由詩907-5-4
オニキス- チグトセ自由詩12*07-5-4
就職- 深雪自由詩407-5-4
雨の知らせ- 朝原 凪 ...自由詩13*07-5-3
わたし_うたでした- soft_machine自由詩29*07-5-3
初夏の森には秋の風- 佐々宝砂自由詩1807-5-3
hibi- はらだま ...自由詩34*07-5-2
果たして月へ行けたか(2006)- 自由詩4*07-5-2
マイナーチェンジ- ふるる自由詩18*07-5-2
点火- 水町綜助自由詩24*07-5-2
霧の朝、森に帰る- LEO自由詩34*07-5-2
バケツ- たもつ自由詩1707-5-1
サナギ一年分- ふるる自由詩21*07-5-1
モザイク- たもつ自由詩3107-4-30

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