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肌が透けるようなTシャツを着たきみが
キッチンで小さな竜のぜいごを削ぐ
なんの予感もない薄暮の中
麦茶が冷えている

夕はんの後の散歩はいつも同じコースで
途中、24時間やっているあの店の ....
1.

朝、ベランダで
立ちんぼのまま夜をすする

まだこーんとした空を
盛りのついた飛行機が
西へ、西へといそいでいる

髪をかきあげる
色の抜けた毛先を透かしながら
42リッ ....
今日、月がもも色で
口をつぐむように鳴らす笛が
灯台の{ルビ灯=ラフ}をかすめて
指どおりのよい
髪にまきつく

入りくちは浅くなめらかに
奥はとおくするどい爪のかたち…

荷を ....
わたしのとういところをみぞれがながれていった
かこがかこらしいままかせきになり
結晶とわたしが
まったくおんなじそんざいになった

いつかひかるものとしてあつかわれる
幻の火にてらされ ....
もうもくどもよ、

ベッドのあさいところで
指をかぞえる
放射状にならべたままで
つかみあうことができないままで

どの地点にも等しく降る雨のようになれないものごと
すなわち、わた ....
甘すぎる飲みものに
あまり遠くまで泳いで行けそうにない日
という名まえをつける

低体温というひびきに憧れなかった?
いいえ、わたしは
身体のとおいところが
ゆっくりとまわるようなめまい ....
身体のうちで
いちばんきれいな皮ふのところを選んで
跳ねる、つぶてが
こぉんと、宵へ落ちていった

眠っていたのかそうでないのかわからない
果たしていつのまにか
まるですっきりと目覚める ....
紙の鎖の端をにぎって
妹も姉もいないところで
父と母が編んだ赤い塔をゆく
らせん階段はきらいだ
古い日々を思いださせ
とにかく青い
ノ・ヴァ、きみが秋晴れだったころ
ぼくが立派な牡鹿 ....
わたしはまだ生まれていない

さるすべりの上を
からすが何機も飛んでいた
わたしはわたしの屋根を吹き飛ばすものを
そしてそれがやがて生まれくる箱の首を
絞めたのです
そっと
やわらかな ....
ゼラチンをふやかしとろかし
またかためてとろかした指ごと
腐るだろう
ほら、がんばりなさい

「膝に生えたきのこを毟って食べたら
おとこおんなになったよ」
と、手紙に書いた

あらゆ ....
花むした天体を
こまかく細断された視点から見る
ノートは
かわいたシンクに置き去りにされていた
最初のページをとばして、つぎから
こどもらへ宛てた物語が月面語で書いて ....
夏至に生まれた子だけがよく匂った
しかたないから埋めてしまおう
(いや、いや)
なにか途方もない労働のまえやあとにある
くらいほうへつんのめるようなあの気配
わたしと
へその緒でつなが ....
1.障害のある屋根のしたで


虹といた

ほら、また打ちまつがったと言って舌をかむ
仕打ちのむこうの
わたしよりもずっとあどけない家族写真の風景

ギテイが舐めるように ....
夏の立駐で
宙づりのア・ウェア

温度といい
風といい

リネンの海で
かわいく葬って
また、次
こそげおちていく
応じている
わたしたち

かそ
かすか
かすがい ....
子らにはすべて名まえがある

物のなかにいる子
鏡を割ったような子
一粒の歯もないままでわらう子
レモンイエローの乳房の子
氷点下で生きている子
それでも
澱とともにあるとうめい
 ....
まーつんさんの平井容子さんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
RPG- 平井容子自由詩715-5-27
SOUP- 平井容子自由詩914-10-22
夜、入り江にて- 平井容子自由詩1314-6-12
イニシエ- 平井容子自由詩1214-2-13
_- 平井容子自由詩813-12-10
ミルクティー- 平井容子自由詩1013-11-1
クリンリネス- 平井容子自由詩713-10-24
むこう- 平井容子自由詩1413-9-21
この美しい場所で- 平井容子自由詩813-9-12
空気- 平井容子自由詩713-8-2
キッチン_4- 平井容子自由詩913-6-16
strings- 平井容子自由詩813-5-23
ア・ピア- 平井容子自由詩713-5-10
8- 平井容子自由詩713-3-27
終止符- 平井容子自由詩913-1-28

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