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本日をもって閉店させていただきます

うちから徒歩一分の
スーパーマーケットが何十年かの幕を閉じた

棚はがらがら
生鮮食品とお惣菜ぐらいがあるだけなのに
人が溢れてうねりうねって彷徨っ ....
かちかちと歯を鳴らす音で目が覚める

なにか美味しいものを食べていた

食べても食べても太らない

溢れる色の塊

輪郭はおぼろげだが

齧ると硬くて脆いその不思議な感覚が

 ....
傘をさして外に出れば

藍色の灯火が揺れている

深海魚のまなこの奥に眠る

遥か太古の記憶が

生温かい雨粒と一緒にこめかみを撫で

息がとまる

藍色の雨が深く私を染めてい ....
山奥の沢
大きな石の上に寝転がっていると

こんぽろりん
こんぽろりん

遠くの方から小さな
木琴の音色が聴こえてくる
私は少し調子の外れた
しかし心地の良いその音に導かれるように
 ....
おばあさんが畑を耕していると

赤茶けた色に長方形におちょぼ口がついた一輪挿しが

いくつもいくつも出てきた

そこは古くから陶芸が盛んな町

今はない窯元があった土の下に陶器だけが眠 ....
バイクで走っていると

その家は高野豆腐みたいな家

古くて四角くて緑がたくさん

黄土色の柔らかそうな壁こげ茶色の柱

赤いポストが錆びて擦れて鈍色に輝く

見た目は良くないけれ ....
うつ伏せに寝ていると
今日はたまたま息子さんが居て
こっちへやってきて髪をさわる
中国語の心地良い抑揚
髪の匂いがいいよとお母さんに言ったらしい

色々なマッサージや整体を経てここにやって ....
バスの中はおばあさんだらけだ

おじいさんは何処に行ったのだろうか

小さな小さなおばあさんは飴玉みたいな瞳で

少し高い場所から外を眺めている

歩く人を通り過ごし

自転車の人 ....
真っ白な空に飛び込むと
記憶がだんだん失われていき
気がつくと白い部屋にいる

外を眺めるとレモン色の月が輝いている
手を伸ばすとすっぽりと明かりが降りてきて包まれる

目をうっすら開け ....
時計の針が動いている

文字盤も長針短針もない

白い壁に

秒針だけが時を刻んでいる

明るい部屋に白いカーテン

外にロケットがいくつも飛んでいくのが見えている

陰のある ....
たくさんのどきり

わたしの世界がくるり

ころりころりと転がっていき

すっかり忘れていくうちに

ここはどこだか見覚えのある馴染む感覚が

ぽたぽたと濾過していく仕組み

 ....
あんぱんとカレーパン

明日の食ぱんを買って

パン屋さんを出ると

とっても可愛い白くてパンのような女の子が

こんにちわとあいさつしながら入って行った

毎日ふわふわの出来たて ....
むなさわぎむささび

さっきしずかにとおりすぎた

わさびかみしめさわがしい

ずっとよいんはつづいていて

わびさびおかしななびげいと

のうりをよぎるむしのしらせ

むなさ ....
木漏れ日が気持ち良い

緑が光りを浴びて生き生きしている

鳥の声も嬉しそうだ

人の声がする

嬉しそうな声だ

ちらりほらり木々の間から

鮮やかな着物を着た女性たちがこち ....
日雇いのアルバイトで一日中駅前の交差点で
新築マンションの案内プラカードを持つ仕事をしたことがある
蛍光色のジャンパーを着て
太陽の光と影の動きを肌で感じ
人の流れをじっと眺める退屈なバイトだ ....
フカフカ暖かい道草
水の流れる音
フカブカ深呼吸をすれば
私は広がる大きくなる
プカプカ浮いて
丸い天体のような感覚
ブカブカの長靴を履いたような

スポスポ抜ける音
シュポシュポ弾 ....
つむじから頭を覆うように
根がびっしりと生えている
後悔を繰り返す夢を見ては
少しずつ大きくなっていくので首すじが痛い

いっそのことごっそり
引っこ抜いてしまいたい衝動に駆られるのだけれ ....
窓をあけると風が気持ちいい

晴れてはいないけれど清々しい

鮮やかなコンクリートには

空の模様が映しだされている

どこからか子供の声

くるくる舞っている

駆けだしてい ....
高校の学食で出ていた安上がり
めんつゆとたまねぎ
しょうがやにんにくをひとかけら
煮たせて
コロッケぐつぐつ
たまごをとじてできあがり
コロッケ丼

幸せを感じる
最後の一口まで夢中 ....
うっすら目が開く
窓の外は光で満ちている
部屋の中で春の匂いでいっぱい
蛹が孵化するように起きて
あんまり心地良いので二度寝

お昼過ぎ
町は活気で満ちている
生活の音が聴こえてくる
 ....
ボタンがとれたシャツやズボンがある
もう何年もそのままほったらかし
衣替えの季節になると
そういえばといって結局ほったらかし

ただ今日はなんだかムズムズして
針に糸を通す
ボタンをつけ ....
軽トラが農地の空地に
放置されて顔だけになっている
車輪は地中に埋まって
後ろの荷台は錆びてもげて
かろうじて面影を残すのみ
緑の雑草や蔦が生い茂り
うす紫色の花がたくさん綺麗に咲いている ....
ゆっくりと回転する
地球儀の上で
つま先立ち
孤独と幸せ
目を閉じると
遠い古い町が風化して
ぼそりぼそりと崩れて
風に消えていくのが見える

軽いめまい
かかとから
身体は宙に ....
都市気候に密閉された

お洒落な箱にいます

外はとても過ごしにくいのだけれど

箱に入れば何もかも揃っていて安心

そこは好かれる気配が大切

優れていても劣っていてもだめ

 ....
走る子供
跳ねる水玉
あのね嬉しい
囁く木漏れ日

クレヨンで塗りつぶす町
溢れだすよパレードの音

遊ぼう路地裏
注ぐチョコレート
あしたまたね
触れ合う影帽子

クレヨン ....
何のために作られてたか定かではない
もうとっくに誰も君の事なんか
忘れてしまっているよ

トーテムポールが森の中で
うんうんうんうん
あいづちあいづち

いつも何か言いたそうな顔ばかり ....
地面はまだ雪が積もったままだけれど

雪の下からは水の流れる音が聴こえてきて

清らかな春の囁きが

頭の中を流れていくようで心地良い

上を見上げれば木の枝には

春の芽がびっし ....
なべふたふたふた
円盤飛来
ゆらゆら
ちょうどよいサイズ
はまるよぱこりと
取ってから
ちいさなくしゃみが聴こえてくるよ

まだまだ寒い季節だからね
暖かくなるまでこの鍋の上で過ごし ....
目を開けても閉じても闇の中
空の高い所で星が輝いている
百均のペンライトを再び点灯し
川沿いを降りていく

もういくつめの滝だろうか
雪解け水が勢いよく流れ落ちていく
擦り傷だらけの身体 ....
駅のホーム
立ち食いそば屋で
かき揚げそばをすすりながら
おにぎりをほおばる

小学生の高学年
夏休みなどに入ると
私はひとりで新幹線に四時間ほど乗り
田舎に帰省していた
とても酔う ....
ただのみきやさんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(218)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さよならスーパーマーケットさん- 灰泥軽茶自由詩10*13-5-6
かちかち咀嚼- 灰泥軽茶自由詩5*13-5-4
藍色の雨- 灰泥軽茶自由詩5*13-5-1
山女の木琴- 灰泥軽茶自由詩9*13-4-29
一輪挿し- 灰泥軽茶自由詩8*13-4-27
高野豆腐家- 灰泥軽茶自由詩5*13-4-25
中国整体院- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-24
バスに揺られて- 灰泥軽茶自由詩9*13-4-23
空白の空- 灰泥軽茶自由詩8*13-4-22
すこしさき- 灰泥軽茶自由詩4*13-4-20
濾過装置- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-17
パン屋さんにて- 灰泥軽茶自由詩9*13-4-16
むなさわぎはちぶんめ- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-14
陽春の花- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-13
ショッピングカート- 灰泥軽茶自由詩3*13-4-11
フカフカの道草- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-10
後悔の木- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-8
はるのこえ- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-7
B級しあわせ- 灰泥軽茶自由詩10*13-4-5
どねどね- 灰泥軽茶自由詩4*13-4-4
ボタンをつける- 灰泥軽茶自由詩15*13-4-2
軽トラ生い茂る- 灰泥軽茶自由詩10*13-3-31
古い町- 灰泥軽茶自由詩4*13-3-30
都市気候とお洒落な箱- 灰泥軽茶自由詩9*13-3-29
クレヨンの町- 灰泥軽茶自由詩6*13-3-28
あいづち- 灰泥軽茶自由詩13*13-3-26
春の囁き- 灰泥軽茶自由詩7*13-3-22
鍋蓋飛来- 灰泥軽茶自由詩10*13-3-21
山中- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-20
駅のホームと立ち食いそば屋- 灰泥軽茶自由詩18*13-3-19

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