すべてのおすすめ
お風呂の電球が切れたので
薄暗い中お風呂に入る
いつもより念入りに
身体を洗い
身体を流す

匂いが鮮明だ
シャボンの匂いをくんくんする
お湯に浸かりまるまると

どこか遠くの知ら ....
三角フラスコで
コポコポ
何度も抽出した液を
スポイトで一滴
ポトリと額に垂らしたら

私はぬるりと溶け出して
ぐるぐる機械から絞り出され
滑らかなソフトクリームに
生まれ変わってい ....
綺麗なうなじが
しゅるりしゅるくねり
沸き立ち逃げまどう

頬紅柔らか梅の花
火照り提灯浮かぶ輪郭
なんて夜風が心地良い

あぁ長襦袢
春のさめざめ醒めぬ宵

あぁ長襦袢
そろ ....
賑やかな風景が今も見えてきそうだ
昭和のレジャーは大移動
小さなゲレンデ一つに
休みともなれば
がやがや人が集まり
きちんと並んで
リフトに揺られ
ゆっくり滑っていく

帰りの電車も ....
何か新しいことに向かうときは

できるだけ心を空っぽにして飛び込む

幼い頃

良くソフビの人形を

お風呂の底に沈めて

手をはなすと

勢いよく飛び出した

あの感覚
 ....
一匹のからすが

あおあお鳴いている

小さな子供が歩きながら

あおあお
あおあお

声に出して真似している

雑木林の中から
鈍く光った黒いマントが見え隠れする

前を ....
暖かくなったなあと

ごろりと

ねころぶと

ひんやりつめたい

でもなんだか新しい布団にくるまるようで

このままでいい

桃色の風が

そのうち温めてくれるから

 ....
牛乳パックで作られた船を
大事そうに
肩のあたりまで
右手でそうっとあげ
左手で船を支えながら
夜の闇を
街路灯や玄関ライトをよけ
蛇行しながらコンビニへと入っていく

クレヨンで牛 ....
すっぽんぽんの蕾噴く

柔らかくて暖かい命が

すっぽんぽん

指の腹で優しく撫でてあげると

春の雷びびびと駆け巡る

肘のさきっちょ

肩のさきっちょ

耳の裏のさきっ ....
大学生ぐらいの小さな女の子が

自分と同じぐらいの大きさの

真っ赤なケースで

たぶん中身はそうであろう

金管楽器を背負って

のしのしと前から歩いてくる

普段は金ぴかの ....
どこもかしこも豆板醤
爆竹弾けて踊る龍

そんなことなら豆板醤
炒めてしまえばうまくゆく

いつものところで豆板醤
温もり探して触れる指

ここぞとばかりに豆板醤
フレフレ鉄鍋揺れ ....
川のほとりの

裸の枝の先に片方だけ

手袋がいろとりどり

沢山刺さっている

風が吹くといっせいに

手を振っていて

どこかで探している持ち主に

さようならと別れを ....
夜の光は優しくて

まっくろな闇も四角ばった建物も

あれホットチョコレートみたいに

トロミを帯びてゆっくり流れているなと

暖かい気持ちがする寒い冬の舗道

何故だろうか歩く地 ....
くしゅんと
鼻を鳴らし
あなたを思い出す

ぶるるんと
太ももが
震えたような気がして
携帯電話を手にとり
あなたを思い出す

もう会うことはないだろうけれど
どこかできっと
 ....
くるくるまわして

蘭土紗羅 蘭土紗羅

見つけて彗星

奏でる星屑

蘭土紗羅 蘭土紗羅

儚い幻 うつらと呆けて

異人が唄う 香りが誘う

くるくるまわして

蘭 ....
一つあれば十分なのだが
二つ三つあれば
何かあったときに
安心だから揃えてしまい

ただただ
綺麗に使わず
とって置いてあるだけなのだが

虚飾に満ちた
幸福感にじわっと
武者震 ....
私は小学生の高学年頃
毎日日記をつけていた
それは思い出や覚え書きを残すためではなく
日記をつけ続けることに固執していたからである
そして書いていることは
何かの情景描写や感情表現では全くな ....
巨大な駅に降り
ぐるぐる同じところを何回もまわり
見上げれば
巨大なデパートが
たくさんそびえているわけだが
道路を渡りたくても信号機はなく
びゅんびゅん車が走っている

大きな歩道橋 ....
ぱらぱら降って
ころころ転がる
小さな白い粒々はあらあられ
掌すうっと冷たくて
口に傾け含んだら
なんだかお菓子のようで
甘くはないんだけれど
いつかの記憶がつまった氷菓子
淡くぼやけ ....
じゃりじゃり砂を噛む

骨と肉のあいだに砂がつまっている

心のすきまにも砂がつまっている

どうにかしなくちゃ

身体も心も重くなる

ソレダバ

耳を傾け片足トントントン
 ....
夜の通勤急行列車

ゆっくりだんだん蛇行しながら

「プシュー」と

最後に息を吐き出して一時停車

車掌さんのクネル声でどうやら信号待ち

皆も疲れて

「プシュー」と

 ....
まっくらな森の中で

凍りついた花を

少しずつ溶かす月の明かり

決して優しくもなく暖かくもないが

あなたのためならばと照らす

ハノサキユビサキ

ハナビラクチビル

 ....
それはほんの三十分たらず

目が覚めると

私は誰なのか

四角い部屋はどこに位置しているのか

細胞が弾けたような

生まれ変わったような

今まで必死に詰め込んできたものが ....
フフフンノフン〜
ジャバジャバダバダ〜
ムチャ〜チャシソレ〜

ポケットの中から何やらハミングが聴こえてくる

携帯電話が通話中になっており

お爺さんらしき人がそれはたぶんお風呂に違 ....
それはかつて多くの人々を魅了していたに違いない

それがいまやすっかりおんぼろのおんぼろり

はじっこは剥がれ落ち

赤茶けた錆びが一面に飛び火して

壊れかけた壁の残骸の一部のようで ....
部屋で寝転がり
凹凸のある真白い壁紙をじぃっと眺めていたら
いてもたってもいられなくなり
クレヨン屋さんに走る

奥行きの広い店内には何百色ものクレヨンが
一色ずつ一本ずつ
天井まで透明 ....
古い映画館にひとりいる

流れている映画は古いモノクロ映画

なんて光と影が鮮やかな映画なんだろうか

生き生きとした豊かな情景

肉厚な人物たち

遠い国の心の{ルビ襞=ひだ}が ....
もやいがほどけて

岸からゆっくり離れ惰性ですすむスワンボート

寂れた観光地の人工湖は静かでのっぺりしている

スワンボートは誰も乗っていないんだったら

おひまをいただき

ペ ....
里山野原に

にょきにょき生える

極彩色のグミの木は

食べたらだめだよグミの実を

あもあもあまがみ

くちゃくちゃぺっぺっと

吐き出せば

もこもこ増えて繭になる
 ....
これは嘘の雨

かろやかなハリボテのよう

びゅうびゅうびゅうびゅう

大袈裟な風

ナナメヨコマエから

パサパサ顔を撫でる

コソバイぞ

向こうの空は晴れていて

 ....
ただのみきやさんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(218)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
お風呂の電球- 灰泥軽茶自由詩10*12-3-27
ソフトクリーム- 灰泥軽茶自由詩10*12-3-22
宵の花長襦袢- 灰泥軽茶自由詩5*12-3-19
スキー場跡- 灰泥軽茶自由詩9*12-3-15
沈めてソフビ- 灰泥軽茶自由詩7*12-3-13
黒いマントのカラスたち- 灰泥軽茶自由詩12*12-3-12
春は桃色草原の冷たさ- 灰泥軽茶自由詩4*12-3-9
深夜の汽船- 灰泥軽茶自由詩5*12-3-9
春のすっぽんぽん- 灰泥軽茶自由詩7*12-3-3
金色かたつむり- 灰泥軽茶自由詩8*12-3-2
小さじ一杯豆板醤- 灰泥軽茶自由詩8*12-2-29
ろくぶての行方- 灰泥軽茶自由詩512-2-28
春の兆しはまだ早い- 灰泥軽茶自由詩5*12-2-27
そんな気がした空模様- 灰泥軽茶自由詩5*12-2-26
カレイドスコープ- 灰泥軽茶自由詩4*12-2-20
頬膨らませ- 灰泥軽茶自由詩6*12-2-16
日記を捨てる- 灰泥軽茶自由詩10*12-2-12
右も左もわからずに- 灰泥軽茶自由詩7*12-2-11
あらあられ- 灰泥軽茶自由詩4*12-2-8
砂を噛む- 灰泥軽茶自由詩6*12-2-5
夜の通勤急行列車- 灰泥軽茶自由詩8*12-2-4
月のミゾレ- 灰泥軽茶自由詩4*12-2-1
イネムリ- 灰泥軽茶自由詩7*12-1-24
ハミング爺さん- 灰泥軽茶自由詩8*12-1-20
看板娘- 灰泥軽茶自由詩7*12-1-17
草原色のクレヨン- 灰泥軽茶自由詩8*12-1-16
モノクロ映画- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-9
スワンボート- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-6
グミの木- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-5
とおりあめ- 灰泥軽茶自由詩4*12-1-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する