宇宙
もっぷ

生まれたばかりの九月はとても静かで穏やかで
風は凪ぎ 梢に寛ぎ
秋の願いがその隣で翼を休め
あるいは風はまた立ち
願いなら 早熟の実を選び定めては安堵して
どこかへと帰り、持ち帰る
木の実を見立てていたほうの、
せっかくの収穫に見当違いがあったとして
風も 傷心のはずの願いも 「今日も無事に帰りました」 と
私にかならず手紙をくれる 辿辿しい てにをは で
それが私の九月



自由詩 宇宙 Copyright もっぷ 2016-09-02 19:26:48
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