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雑音まじりのレコードを絵にしたら
古いテレビの画像みたいになって
鳥と葉っぱの区別がつかなくなった
川べりを歩く ゆうぐれ

右の道が途切れると
橋をわたる
左の道が終わりそうになった ....
夏のとおい空に
誰もいない部屋あって

積乱雲の斜面に
眩しい青春が引っかかっている
ぼくは懐かしく見つめたりしてる

2Hの鉛筆で描いた
チーターが
風の中を奔っていくとき
遡れ ....
あたしの中で
水が{ルビ捩=よじ}れる
還るべき水脈を何処かに探してのことなのか
それとも単に気まぐれなのかはわからないが
あたしの中で
時折ふいに
水が捩れる
たとえばそれは
安易な ....
{引用=
昼の月が

しらけた顔をして
朝からずっと僕を見ている

虚しいなどと言ったら
すべておしまいでしょ

と君は言った

おしまいでいいと
僕は思った

やがて
 ....
林檎を模った硝子細工を
両手で
そぉ   っと
包み込む時の
その危うさに
胸が高鳴る

硝子は非常に薄く
一枚向こうに
仄かに伝わる体温
それで曇るほどだ

一層このまま
 ....
いつまでもそうやって
ガラスの風船で遊んでおいで
僕はもう青い月を抱いて
眠ってしまうから
夜がやってきて空気の色が
こわくなってきてもずっとそこでそうやって
遊んでおいで

箱庭のよ ....
    
   だけど君は駆けていったんだ



 思い出の丘を、雲の影が滑る
 丘の緑はかわることなく風に揺れ、
 遥か彼方に、夏の海を臨んでいる
 ごらん、あの細い坂道に
 僕ら ....
消えていく記憶の
映像はやがて
色あせた
一枚の写真になって
避けられない風に
彩りをながしてしまうの


くるくると
回る
地球儀の おと


重ねた手のひらの微熱 ....
午前三時の一号線を原チャリで走っている
気分はイルカの群れのなかに迷い込んだ小さなクラゲ
あるいはタンカーの間で右往左往する小さなタグボート
とにかく僕は泳いでいて、流れる街灯は揺れる灯台のよう ....
私の意識の
極北に立つひとがいる

彼はいつも黒い服を纏い
時にその服を髪を風にたなびかせ
時に無風のなかに
その立ち姿の輪郭をくっきりと映し出し

時に彼は流れる水のような
ゆらめ ....
そして穏やかに日は暮れる

夕方の公園には
足跡だけが残されている

子供たちや
その親の
杖をついた跡もあるから
お年寄りもいたのだろう

桜の枝が手をのばすベンチの下で
そん ....
コンクリートの塊を
墓石代わりに頭に載せて
誰が強いか
潔いか
魂較べする

普通選挙が施行されたときは
嬉しかった
そんなことを言う人は
居なくなった
歳月は人を殺す
 ....
いつからか
いつだって

夕暮れにはどうしたって寒さを感じてしまうので
羽織るものを探して
溶けるようにして逃げ込む家並み
指先の冷たさで、触れると
いつだって君は飛び上がって
降りて ....
緑の並木道
とおり過ぎてゆく人たちと日々たち
僕は空中歩行

さりげなく浮かぶ雲
消えては生まれてゆく
自由みたいに

風の声に沿って歩いてゆくと
いつかまたあの丘へ
そして遠くか ....
 バスルームで遂げた自殺の
 記憶が
 洗面所の流しっぱなしの 水道から
 流れてくる


 畳まれた膝の空気
 見つめるガスコンロの炎と炎の間に
 両眼を投げ入れ ....
あのひとが好きで
好きで
もう死んでしまいたい

こんな感情は
刹那的で
明日の朝、目が覚めたらきっと
忘れている

桜に似ている

降る花びらの中を今日、歩いた
小さく舞う白 ....
1.

かみさまは、どこですか。



2.

かみさまは、どこですか。

道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
散歩する
ひとりで
世界に抗うための 肝試し
夜の墓地
君の他には誰もいない場所
君は闇の静かな渓流の中に
ひとつの影を見る
誰もいないはずなのに
墓地をうろつく黒い影
君は見る
 ....
何も無いこの毎日に
今もときどきランドルのことを
思い出す。
ランドルの描いた
あの冷たい森のことを。

堅固すぎるビルとビルの間で
わたし、記号に埋もれて
貴方を待っていた。

 ....
木々
 
いくつもの いくつもの
あかるさと
ささやきに満ちて
 
水 と

眠り
 
よりそう風
はな と
こぼれ
触れる
空に
消える 影 ....
   喜びも、優しさも、喪失も悲しみも、
   言葉によって届けられた
   わたしは面影を探して立ち止まり、
   時に夢を見たような気がする
   言葉しかない世界で、
   紙 ....
黒い夕暮れ
かたちのない傷から
夢のように沁みてくるものがあり
壊れがちな覚醒

鋭角的な儀式の
あるいは 金属的なサーカスのさなかに
暗く降ってくるのは
誰の声なのか

蜥蜴の閃 ....
  幸福を抱きとめて静止するあなたは、蕾のすがた
  胸に手をあててわずかにうつむくその、
  長い祈りにも似た、沈黙


  春を知る朝の、淡い喜び
  風が冷たくても、
   ....
夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居な ....
僕の心配は
むしろその力強い握手
何を込めて

支えるつもりがバカを繰り返す

遺伝子プール揺蕩う
オリジナルじゃない僕ら
サブリミナルなジャマイカンで
これじゃイカンと空元気

 ....
こんなにも
ひろびろと
あおいかぜのなかで
ぼくらは
とりになれない

だから
くもよ
ぼくらは
こうしてねころんで
かぜをつるのだ

そらのしずくが
ふたつ
いただきにさ ....
戒厳令の布かれた残暑
透きとおっていく言葉の
飛沫のように

あなたは白く皮膚の薄い手で
一すじの光を木箱に閉じ込めた

二人の椅子に
二人の卓上に
二人のナイフに

あ ....
いつくしみ、それから。
海辺に立って眺めると、世のなかのへりが見える。すべてひとはそこから滑り落ちていく。花や木や鳥や雲、それからコカ・コーラやマルボロは落ちていかない。滑り込むのは、僕らの時間ばか ....
病んだ春がせまい庭の片隅で
青ざめて弱々しい翅ばたきの音をさせている
だから
溜息しか出ては来ない

通りの向こうの古びた窓には
どこか見憶えのある白い顔
うすら笑っているような
うす ....
さわれそうなほどの青、空
心音の近くで
水の流れる音がしている

少し、痛い


大気圏の底辺で沸騰している僕ら
水を注いでみると、遮断機が下りて
通過していく何かがある
夕暮れに ....
有邑空玖さんの自由詩おすすめリスト(342)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゆうぐれの地図- キキ自由詩1305-5-8
夏の部屋- tonpekep自由詩7*05-5-8
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嘘月- 043BLUE自由詩305-5-2
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夏、少年- 嘉野千尋自由詩10*05-4-24
白黒のフィラメント- 嶋中すず自由詩4305-4-18
バイト帰りの国道一号- haniwa自由詩6*05-4-18
極北に立つひと- 塔野夏子自由詩7*05-4-17
花びらは美しく舞い落ちる- ベンジャ ...自由詩6*05-4-16
魂較べ- あおば自由詩2*05-4-15
連なる青- 霜天自由詩805-4-14
空中歩行- 塔野夏子自由詩5*05-4-13
劣化現象- カンチェ ...自由詩905-4-12
桜の架空- RT自由詩505-4-12
かみさまについての多くを知らない- 望月 ゆ ...自由詩43*05-4-10
鬼火の引力- 岡部淳太 ...自由詩5*05-4-10
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旅の終わりに- 嘉野千尋自由詩4*05-4-1
黒い夕暮れ- 塔野夏子自由詩3*05-3-31
木蓮/長い祈りから- 嘉野千尋自由詩12*05-3-31
白い紙、赫い影- 嶋中すず自由詩4505-3-29
分子球- ヤギ自由詩3*05-3-28
そらのしずく- 草野大悟自由詩7*05-3-28
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病んだ春- 塔野夏子自由詩4*05-3-27
浮上未遂- 霜天自由詩1005-3-27

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