自分の手を差し出し
握り返してきたのがタコの手である
という笑い話もあるけれど
もっと簡単に見分ける方法がある
タコに書初めをさせてみればよい
筆を持った部位が手のような気持ちに ....
吹きすさぶ風に
みがかれて
凍てつく水に
すすがれて
透き通ってしまった
哀しみは真冬の
背骨に宿った

遠ざかる空に
みはなされて
優しすぎる光は
とどかなくて
行先すら ....
私は眠る
一人で 今日も 歩いた
その 夜を 出て行こう
いつまでも 私は 眠るのだ
明日のことなど 忘れたのだ
誰もいない 暗い 墓場で
凍える 体を ひとり 横たえた


言葉を ....
しぜんを
かんさつしたいけど
このしろいたてもののなかで
はたらいてばかりいるから
しぜんをかんさつすることは
できないとおもっていた

なのに
このしろいたてものの
な ....
い 色恋は風の道
ろ ロケットは落とすもの
は 恥知らず有頂天
に 妊婦忍耐 産んでも忍耐
ほ 星の数よりヘボ詩人
へ へカテ元アフロディテ
と トイレはシステムの始まり
ち 痴漢の ....
草食系だと
もてはやされたり
馬鹿にされたり

その度に
膨らんで青空を目指したり
萎んで地面に貼りついたり

そんな僕は
サヨナラも言わずに
強制終了された恋を
いつまでも ....
近頃どうよって悪友に尋ねられ
思わず恥骨の膨らみなんか押さえてしまう

去年は処女同然だったしね
あれって使わないと塞がっちゃうのかな

そんなことないのだろうけど
こころの窓ってやつは ....
切り撮らないで
って景色がいうから

そっとかえしました
すこぉしだけ触れて
ごめんね
私がいること確かめたかった

白かぶころりん
土の上まで飛び出てる

ふたつ並んで
雪の ....
外食ってサ
外国の食事って意味なの?
違うんじゃない?
外で食べるから
ガイショクって 言うんだよ、ねぇ〜

外食産業 とか
良く耳にする言葉
本当に 理解しているとは
限らない 昨 ....
京都は夕暮
伊勢丹に在り
妻の選ぶスカート・ワンピース
京の女はこまごまし
京の男は柔らかし
蕎麦を食らいて腹は満ち
疲れては柱による
入浴香料・携帯ボトル
などいろいろ買い入れ
街 ....
 カゲがひとつ減った
 またひとつ減ってこれでは
 カゲの家族が家族ではなくなってしまう
 カゲの家族の個々のカゲすらなくしてしまう

 とつぜんの惨劇ではなく
 しのびよって ....
お祭り騒ぎは終わった 
路上のツリーたちの つぶやき
澄んだ夜気が 満ちてくる頃

薄雲の切れ間から 星々の視線を感じて
今夜 本当の儀式が始まる


司祭は、浅い路肩の溝の中 ....
ぼくが入院してから半年が経った。
11月が終わる頃には、
小児病棟にもスノーマンやら、サンタクロースの人形が置かれたり、
クリスマスツリーやリースが飾り付けられた。

24日、クリスマスイヴ ....
帰国した彼女に

ぼくは理屈と感情でふられるだろう

だから梯子を急にはずされても

大丈夫なように

ぼくはあらゆる準備をじぶんに教育している



彼女はいもうとに会いに
 ....
いちを超えたら

それはやはり欲望なのだ

どれだけ切なくたって

それはやはり欲望なのだ


それをしずかに見守る者よ

正眼で唇を引き締める者よ

炎を背に剣を手にする者 ....
あたたかな日曜日
きょう、きょうですよ
今日は水曜日

やわらかな時間
曲がりくねって ねり歩く
徒歩十分は
時に徒歩一時間にもなる
みちしるべはどこにもなく
太陽はどこかにおっ ....
バドミントンの羽根の形
ふわりと 浮き上がる 瞬間に
不思議さを 覚える

固い レースのようだ
そう 連想すれば
見たこともない 小さな妖精に
着せてあげたい ドレスを 
妄想する
 ....
冬の{ルビ至=たどり}ついた日
海峡は慈悲のない 風でした


限りなく動揺する
どこまでも
消え去る端をも
わけ広げる海風景


北風の冷たさに波頭は白く飛沫をあげ
人などだれ ....
できるだけしずかに
水子のゆくえを追いながら
いつまでも駁(まだら)のように
羊にだかれて
いたかったの
なのに
あの日から あなた(わたし)の
放水がはじまっている

あなたはそこ ....
獰猛な牙
私の腰まである肩骨
力強く張った後ろ足
しなやかで長い背骨 尻尾の先まで
虎の骨

きっと熱帯雨林の奥で
この巨体で獲物を待ち伏せしながら
たくましくしぶとく生きていた

 ....
澱んだまなこが粘りつく液体となってずるずると年月を嘗め回している。あふあふと飯をさらい込み、ゲテモノを隅から隅まで食いつくし、寄生昆虫のように板にへばりついている。自己憐憫の色艶がどす黒く光り、ねばい .... さらさらな、ざらざらなソーセージを、
焼いたり、ゆでたりして、
こしょうをかけたり、
ソースを垂らしたりして食べる。


あちらこちらで、
敵にしなければならないものが、
大きな声で叫 ....
どうしてもわからない
難しい問題を
あとにまわしていたら
簡単な問題ばかり
急ピッチで解いて
マークシートを埋めるように
自然と点取り虫になっていた

終わりには
難しい問題だけが
 ....
灰色の階段を降りて
いつものランチセット
髭の生えたマスター、60代
階段と同じ色

カウンター越しの威圧感で
パスタの味がちょっと鈍くなった
なのでうっかり塩をかけすぎてしまい
食後 ....
月をみていた

風の流れで 雲が激しく流れていた

まるで 月が大急ぎで走っているかのように 映った

月は変わらずとも

雲や風 その日の様々な影響で 変化してゆく
 ....
正しいことなんて知らない
正しいことなんて在るのか
ただ一つの正しいことなど

そんな言葉を抱えたままで
世界と対峙するからまよい
流されるだけなのだろうか

空が燃えつきそうな夕刻に ....
 冬のあま雲に
 のぼってゆくように
 クルマで雲に
 わけ入っていった

 国道の
 あま雲のなかは
 濃いキリが視界をさえぎる世界で
 アスファルトに刻まれたセンターラ ....
神楽坂を下る

「いっしょに帰ってもいいですか?」
「あぁ」

宴席でのお酌も拒むあなたと
いっしょに帰る

ーー 合評会の後だから?
ーー 「ゆきうさぎ」が好きなのかな?

 ....
2010
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Dear Kyosuke

サンキュー フォーユアレター。
とても嬉しいよ。 Ho, ho, ho.

京介君は、たいへん 良い子にしてるんだね。
とても偉 ....
何故かいきなり
また夏が始まる
角を曲がって坂を見上げると
食パンを咥えた妹が駆け下りて来た

真夏日に有りがちな夕立
には似合わない土砂降りの雨の中
妹は傘もささずに軽快に雨を避けて
 ....
yumekyoさんのおすすめリスト(293)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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大人の事情がるた- salco自由詩24+*11-1-3
ピーターはラビットにはなれない- nonya自由詩19*11-1-3
初春のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21+*11-1-3
冬景色- 朧月自由詩610-12-28
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聖夜__明滅する命- いねむり ...自由詩310-12-23
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