向日葵越しの夏影
此処だけが安らぎの場
強烈な眼差しから
人見知りの私を守ってくれる
大きな体のボディーガード
ライオンの{ルビ鬣=たてがみ}が揺れるたび
あいつが怯える
キ ....
うだる夏
蔓をのばし 背をのばす
巻きつく ぐるぐる
行き先はどちらですか
天ですか それとも天国ですか はたまた地獄
我が家は関東と東北の血筋が強いもので
ゴーヤなんてそんな ....
八月
隙間のない日差しが街を埋めつくして息をとめた地上
の生きものたちは白い化石になるだろうか
昼下がりの昆虫のように日差しを避けて地下に逃れた
人びとの背にうっすら
あの日の地核の影が ....
暑中お見舞い申し上げます。 たま
地下鉄
地下鉄はまっすぐ走るものだと思っていた
車体が傾いてとなりの女の顔が急に近づいた
ね、 複雑でしょ・・
耳元の吐息はいつも体 ....
仕事をおえ
歩む家路の安らかさ
大切な人とともに食べる
白米のしぜんな旨さ
簡単に愛してよ
行間にひそませた
なんやかんやはいらない
....
その右の掌 その左の掌 {ルビ杯=さかずき}に似せて
差し伸べてみれば
その酒 その味わい 幸せの恵み
汲めば 掌の溝 幸せが埋まる
あの幸せ{ルビ購=あがな}えば その努力と引換え
喜 ....
いま
鏡に なにか映った
鏡に 誰か映ったよね
部屋には誰もいない
僕以外は誰もいない
なんだろう なにか
なんだろう 誰かがいる
いま
鏡に なにか映っ ....
この街に雨なんていらなかったはずなのに
梅雨が来たからってだれひとり喜ぶ術もなかったのに
転ぶようにして降りる戸越公園駅のみじかいホームは
いつも苦手だった
ドアカットがなかったころの ....
あとかたもなく崩れゆく遠い果実を見つめている
Hのしろい指がりんごの皮をむく
どこまでも切れることなくつづく紅い航跡はこの星を
ひと回りしてわたしのからだのやわらかい節々にから
みつく
....
団子を肴に酒を呑むなんて
これが{ルビ所謂=いわゆる} 粋なのでしょう
乙ですねとも言うのでしょうか
ここは何でもある{ルビ雨風食堂=あめかぜしょくどう}
脂ぎった店主のオッチャンが
「 ....
煙の皮を被った太陽が吐いてるよ
表の表はオモテでウラじゃないよ
CMまたいで裏ワザ続きはwebよ
ダイヤとクローバー蛸壺カードを切るよ
トリケラトプスの話術kira☆k ....
大きな欅の木のしたで
乾いた蚯蚓が八の字を描いて死んでいる
無から生まれた宇宙の話しを聴きながら
きみはもう死んでしまったから
こんな話しはおもしろくないかもしれないけど
きみに残さ ....
陶芸家の身(うつわ)はどうだい
いく筋も、寄せてはかえす指のとおりをつくってやった、朽ちるろくろのうえで、あたたかな心拍はいちどだけ濡れる、断層つづきの、ぬめる泥の顔で、柄でもないおかえり、兵馬 ....
高校生活のころ
湿気高い、と書く癖で
わたしの詩だと読みあてた人は
乾というキザなネームが合わなくておかしいと笑う
貴方には才能があります
がんばってください
一晩中ふるえてか ....
夏の甲子園。
全国高等学校野球選手権大会 決勝戦。
北大路高校 対 羅生門学園。
エース三千院が好投しております。
9回裏。
羅生門学園の攻撃 二死ランナー無しで
バッターは3 ....
韻を踏み外したまま
蓄積する行末から
こぼれ落ちる
行間という溝に
言葉の葉脈を
透かし見る
空と触れ合う海
陸を撫でる風
揺れる草木
点滅する青
震える黒線
遮光される ....
義捐金の申込先は
信用あるところにしてください
この期に及んでも悪質な詐欺行為を働くものがおります
それはおまえのことではないのかと
内心心配しながらも知人の笑顔に絆されて列に並ぶ
....
あいつ 死なねーかな
死ねばいいな
殺すのは嫌だ
そんなに馬鹿でもないし 度胸もない
事故か 病気で急死
明日
いいな それ
ただ 自殺は許さない
....
感情 (使いきりタイプ)
ロボットになることを躊躇わずに、ロボットとして生まれることに罪悪を感じず、ロボットが生活を営むことを赦し、
私は、人間と共にありたいと
私は、人間と共にありた ....
宇宙式の貨物船にのって
オールトの雲のなかを航海している
太陽から1.47光年離れても
まだお前の重力圏内にいる
まったく、すごいやつだよ
お前ってやつは
RC2052年18月03 ....
コンビニに並ぶ牛乳茨城産
買うのためらい自宅へ帰る
だれのものでもない
できた橋を
わたる
生き物には足があるようだ
二本あればわたれるようだ
いままでどおりなら
唄い酒場のような居場所があり
(どこか)わたってきたところ ....
微苦笑にはじまり
ひとりの陸橋では熱情も凍えた
たったひとつの決断に足元を掬われたまま
わたしの喉は脱落者たちの手であふれかえった
狂おしい
開放に訣別する自由を気取りはじめ ....
110308
アナクロを恐れるなかれと
バーチャルな空間に躍り出たのが
隠れて正義の味方をする憎々しいヒールのプロレスラー
効果ありと審判員
一本 ....
彼女は教授になりたくて
地方都市の大学の院に通っていた
そこで英米文学など学んでいた
いつも水いろワンピース
ほかにも付き合っている人がいた
彼女はたしかやっつ年上だった
あの日の彼女よ ....
いきる
燃えさし
あがってくると
( こころは バイパス
爛れた
くちびる
あてがいながら
眼窩(すかいらいと)
から
入水
....
昔々あるところに二人の男性の間で揺れる少女がいました
Aさまは優しくお金持ちで尽くすタイプの爽やかな青年でした
Bさまはヤンキーでしたが時折見せる笑顔がとても可愛らしい青年でした
両親に先立 ....
ぼくらはなにか鎖のようなものと戦っている
怠惰や他責、厭世のとらわれびとであっても
ひきちぎりからめとられ
からめとられひきちぎりしながら
ぼくらはなにか鎖のようなものと戦って ....
魂も 涙と一緒に溢れ出て ワタシが消えてしまえばいいのに
歴代の別れの傷が開ききる 最後の恋が散ったサヨナラ
胸刺して ココロが消えるわけじゃない
えぐり取っても 残る哀しみ
....
言の葉 と 言の水とで咲く花を 君と僕とは 育てていける
太陽も燃え尽きた夜 月だけが 光輝き キミを照らした
落ち込むと間髪入れず『大丈夫?』そんなキモチが届くシアワセ
べろべ ....
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